BMW伝統のスポーツツーリングモデル・R1300RSがフルモデルチェンジした。スタイリングからメカニズムに至るまで刷新され、新型は飛躍的な進化を遂げている。早速その実力を試乗チェックしていこう。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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BMW「R1300RS」インプレ(太田安治)

画像: BMW R 1300 RS 2025年モデル 総排気量:1300cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒 シート高:815mm 車両重量:245kg 発売日:2025年9月6日(注文受付開始) 税込価格:218万4000円~301万7000円

BMW
R 1300 RS
2025年モデル

総排気量:1300cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒
シート高:815mm
車両重量:245kg

発売日:2025年9月6日(注文受付開始)
税込価格:218万4000円~301万7000円

スポーティな走りも楽しくASAとの相性も抜群!

僕はR1250RSを通勤からロングツーリングまで幅広く使っている。それだけに、新型のR1300RSは気になる存在。プライベートでの乗り換えも考えながら、マニュアルミッションモデルとASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)モデルを乗り比べてみた。

ライディングポジションはR1250RSより上体の前傾度が深くなり、ステップ位置も若干後退している。「R」や「RT」との違いを明確にすることでスポーツライクなキャラクターが際立ち、実際のコーナリングにおける旋回力、接地感も高まっている。

水冷1300ccエンジンの最高出力は、R1250RS比で9PS上がっている。確かにトップエンド近辺でも軽く、鋭く吹け上がっていくが、公道では2000回転台から湧き上がってくる強大なトルクを活かす走り方がメインになるので、パワー差が気になるような場面はそうないだろう。

加速時も高速道路クルージング時も排気音を低く響かせるのは360度の等間隔爆発エンジンならでは。振動の周波数が低いからか、人間の感覚に合っているのか、長時間の連続走行でも耳障りな印象はなく、手足がしびれることもない。以前乗っていたS1000Rは高速クルージングだと1時間に一度は休憩したくなったが、このフラットツインなら3時間走りっぱなしでも苦にならない。カウル/スクリーンは一回り小ぶりになったが、形状を入念に設定しているのか、ウインドプロテクション性能の低下は感じなかった。

画像: BMW「R1300RS」インプレ(太田安治)

疲れない、という観点ではASAと呼ばれるクラッチレス機構の高い完成度抜きには語れない。発進/停止を繰り返す市街地、勾配やコーナーの曲率が刻々と変化する峠道でも最適なタイミングで変速してくれるし、自分のリズムで走りたければシフトペダル操作で変速できる。ただ、クラッチレバー操作による調速が染み付いた身では小気味よく決まるシフターを備えたマニュアルミッション仕様も魅力的。乗り換えるとなったら相当悩みそうだ。

「ツーリング」仕様は前走車との車間距離を一定に保ってくれるACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)が標準装備。既存のクルーズコントロールでメリットを感じるのは交通量の少ない状況のみだが、ACCはそこそこ交通量のある高速道路でも、追い越し不可の一般道でもしっかり役に立つ。さらにASAとの組み合わせではシフトのアップ/ダウンまで自動的に行なうから、クルージングは快適そのもの。

加えてABSとトラクションコントロールが実に緻密に働き、パニックブレーキや急な路面グリップの変化に対応してくれ、乱暴な表現だが「雑な操作でも簡単には転ばない」。目に見える装備ではないが、スポーツツアラーとしての完成度を支えている。

快適性と安全性、スポーツ性能のバランスレベルが素晴らしく高いR1300RS。この車両価格を割安だと感じるのは僕だけではないだろう。

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