水冷DOHC4バルブ並列4気筒をスチールフレームに積んで1987年3月に登場したGSX-R250だったが
2連キャブレターによるマイルドなエンジン特性などから、人気をライバルたちにー歩譲った格好だった。それを挽回すべく登場したのが、4連キャブレターやアルミフレームを採用したGSX-R250Rである。
まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

サイドビュー

画像1: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

ダウンチューブをなくした新設計のフレームを得て、ニューGSX-R250Rはエンジン高を従来から13mm下げて低重心化とマスの集中を計った。外観でも小径Φ100mmの2連ヘッドライトや、上級車の流れを汲むカウルワークによって実力に相応しい迫力を身につけたと言える。

ただ、ハード指向のマシン作りのため、取り回しは多少犠牲になったようで、足つき性はやや悪くなっている。逆に大柄なライダーにとっては、リラックスできるポジションになるか。フロントブレーキはGSX-R400やRGV250Γと同径のΦ290mmフローティングディスクと、異径対向4ピストンキャリパーを2連で装備、フロントフォーク径もΦ41mmを維持し剛性を保っている。

リヤもΦ210mmのフローティングディスク+下側フルフローティングマウントの対向ピストンキャリパーに変更。スイングアームはサブフレーム付きで、軽量かつ高剛性。ニューリンク式リヤサスとともにリヤの追従性を大幅に向上させた。またストレートインテークポートの採用でエアクリーナーは7Lに大型化。右カウルから新規導入するSCAIシステムで充填効率をアップし、高出力化を実現した。


リアビュー

画像2: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

ボリューム感のあるタンクとシートカウル、前後別体式シートが特徴となるR250R。ホイールベースはベースとなったGSX-R250よりも10mm長い1380mmだが、全長は10mm短くなった1990mm。右アンダーカウルには、SCAI(スズキ・コンデンスド・エア・インテーク)の吸気口がある。前後17インチのタイヤには、それぞれ高扁平のワイドラジアルを採用している。


フレーム

画像3: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

フレームは、メインチューブを80×25mmの日の字断面とするアルミ製のALBOXを新たに採用。剛性はスチール角パイプ製フレームのGSX-R250と比べて約30%向上、エンジン搭載位置を13mm下げて、低重心化とマスの集中を図った。

画像4: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

リヤスイングアームはGSX-R250もアルミ製だが、GSX-R250Rではクラス初のサブフレーム(スタビライザー)付きを新開発した。リヤサスペンションに、ベルクランクとロッドで構成されるニューリンク式フルフローターを導入。ショックユニットは一般的なガス封入式ダンパーを持つ仕様だ。

サブフレーム

画像5: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

サブフレームもアルミ製のー体構造で、脱着式のリヤシート下には小物入れを装備。


メーター&ハンドル回り

画像6: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

3連で構成されるメーターは、当時の流行である回転計(中央。レッドゾーンは20000rpm)と水温計(右)をウレタンでマウントし、左端の速度計を別体とした意匠だ。


エンジン

画像7: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

Φ49×33mmの248.9cc水冷DOHC4バルブ並列4気筒は、GSX-R250をベースにストレートインテークポートの採用や吸気バルブの大径化などを実施。動弁系を軽くして、最高出力回転数を500rpm高い15000rpmとする。

排気管の1番と2番、3番と4番を結び低中速トルクを向上させるSPES(スズキ・パワー・アップ・エキゾースト・システム)はGSX-R250も装着していたが、円筒形のサブチャンバーを加えた新型となった。ラジエーターは、RGV250Гで採用されている高効率のアルミ製ラジアルフロータイプ。

画像8: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

マフラー

画像9: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

GSX-R250のエキゾーストシステムはエキゾーストパイプを1-2-4-3の燃焼順に集合させたサイクロンタイプの4into1だったが、R250Rでは一般的な4into1集合にされると同時に、サイレンサーもアルミ製に変更。


エアクリーナー

画像10: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

SCAIはアンダーカウルの吸気口からダクトを介し、7Lの大容量エアクリーナーに新気を導入して充填効率を高める構造。


キャブレター

画像11: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

キャブレターはGSX-R250のΦ27mm×2バレルのホリゾンタルタイプ×2に対し、R250Rはダウンドラフトで半円柱状スロットルバルブのΦ32mmスリングショットを4連装と、ここで気筒当たり1ボディとなった。


クランクケース回り

画像12: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

エンジンは全面的な見直しがなされてはいるが、クランクケースから下は基本的にGSX-R250用と同じで、大容量のオイルパンもGSX-R250から継承されている。

画像13: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

フロントブレーキ

画像14: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

フロントブレーキは、GSX-R400RやRGV250Гと同径のΦ290mmフローティングディスクと異径対向4ピストンキャリパーの2連装。フロントフォークのインナーチューブはΦ41mmとこのクラスでは大径だ。


リアブレーキ

画像15: スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)各部装備・ディテール解説

リヤブレーキは対向ピストンキャリパーにΦ210mmソリッドディスク。キャリパーのマウントは、当時流行のフローティングタイプでトルクロッドを持つ。

スズキ「GSX-R250R(GJ73A)」(1989年)主なスペック・当時価格

全長×全幅×全高1990×695×1080mm
ホイールベース1380mm
最低地上高120mm
シート高730mm
車両重量143kg(乾燥)/ 164kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量248cc
ボア×ストローク49×33mm
圧縮比12.5
最高出力45PS/15000rpm
最大トルク2.6kgf・m/10500rpm
燃料供給方式キャブレター(BDST32)
燃料タンク容量13L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量94mm
ブレーキ形式(前・後)Φ290mmダブルディスク・Φ210mmディスク
タイヤサイズ(前・後)110/70R17・140/60R18
発売当時価格(1989年)59万9000円

まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

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