1988年度の全日本TTF-3にワークスレーサーZXR-4で参戦したカワサキはその開発で得られたノウハウをベースにまったく新しい4ストローク400ccレーサーレプリカ、ZXR400を作り上げて1989年3月に発売。前作ZX-4の市販期間は短かったが、同車があったからこそZXR400を短期間で開発できたのだ。
まとめ:岡本 渉/協力:バイカーズステーション、佐藤康郎、H&L PLANNING
※本記事は2025年7月2日に発売された『レーサーレプリカ伝 4ストローク編』の内容を一部編集して掲載しています。

カワサキ「ZXR400(ZX400H)」(1989年)の概要

画像: Kawasaki ZXR400 1989年 総排気量:398cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:765mm 車両重量:188kg 発売当時価格:73万9000円

Kawasaki
ZXR400
1989年

総排気量:398cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:765mm
車両重量:188kg

発売当時価格:73万9000円

ZX-4から一変、レーサー的な外観に変化。2灯ヘッドライトを備えるアッパーカウルや後部が角張ったシートカウルなどはZXRシリーズ共通のデザインだが、5本スポークの前後ホイールを備える250に対し、400(と750)は中空3本スポークを採用。全長/全幅/全高は、ZX-4の2035/715/1130mmに対し、全長は同じだが10mm狭く、5mm低い。1395mmの軸距は共通。乾燥重量は+10kgの162kgを公称。

1989年はカワサキにとってひとつの転換期だったと言える。レーサーと同等な高性能は持たせても公道での乗りやすさも重視すべきという姿勢を貫きながら、このZXR400の前身となるZX-4をはじめとして多くのモデルを生み出してきたカワサキ。折からのレーサーレプリカブームに呼応するようにライバル各社がレーシーなモデルをリリースし続ける中、この年、サーキットを強く意識したZXRシリーズを新たに開発。750、400、250の3排気量を市場に投入した。

ZXR400は、ZX-4が元の並列4気筒とアルミツインスパーフレームに、デュアルヘッドライトを持った新設計の外装や倒立フロントフォークなどを組み合わせており、合わせてクロスミッションやFRP製シートカウルを装着したスポーツプロダクション仕様、ZXR400Rも併売された。

価格は、ZXR400が73万9000円、ZXR400Rが77万9000円(ともに税抜き)。翌1990年型でスイングアームを変更しラジエーターを湾曲化。1991年型ではエンジンやフレーム、外装を一新。最後発でこそあったが、結果的に1999年型まで生産を継続したロングセラーモデルとなった。

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