文:小川 勤、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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ドゥカティ「パニガーレV2S」ライディングポジション・足つき性
シート高:837mm
ライダーの身長・体重:165cm・68kg

前モデルのパニガーレV2よりも前傾は穏やか。シート高は低くないものの、軽量なのでマシンを支えやすい。
僕のように小柄な場合は、両足で支えるより片足できちんと支えるのがおすすめ。オプションのハンドルを使うことで、より低いスポーティなポジションを叶えることも可能だ。

ドゥカティ「パニガーレV2S」各部装備・ディテール解説

レッド一色のシンプルなスタイリング。面を作り込んだグラフィックに頼らないデザインは、ドゥカティならでは。今回は足まわりに豪華パーツを装備するSに試乗。

エンジンをシャシーとして活用し、エンジンからフレームやスイングアーム、サスペンションが生える車体構成。標準タイヤはピレリ製ディアブロロッソ4。サーキット派はハイグリップタイヤへの換装がお勧めだ。

灯火類はLED。カウルは整流効果も考慮され、ノーズ下のダクトから導入された空気はライダーの足元に流れ、エンジンの熱はサイドダクトから排出される設計。

ライディングモードはスロットルを戻していれば走行中でも変更可能。操作はとてもシンプル。クルーズコントロールのスイッチも装備されるが、こちらはオプション。ターンバイターンのナビゲーションソフトウェアもオプションで用意。

ライディングモードはスロットルを戻していれば走行中でも変更可能。操作はとてもシンプル。クルーズコントロールのスイッチも装備されるが、こちらはオプション。ターンバイターンのナビゲーションソフトウェアもオプションで用意。

5インチTFT液晶メーター。ライディングモードはレース、スポーツ、ロード、ウエットから選べる。トラクションコントロール、コーナリングABS、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロールなどは各モードにより介入度が異なる。もちろんそれぞれを任意に変更することも可能。

5インチTFT液晶メーター。ライディングモードはレース、スポーツ、ロード、ウエットから選べる。トラクションコントロール、コーナリングABS、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロールなどは各モードにより介入度が異なる。もちろんそれぞれを任意に変更することも可能。

ドゥカティ初のミドルレンジ専用エンジンとして誕生した「V2」のエンジン。前パニガーレV2のスーパークワドロエンジンは、1299ベースのため200PSオーバーに対応。V2は120PS対応のため、各パーツを軽量&コンパクト化でき、前モデル比−9kgを実現した。

ドゥカティ初のミドルレンジ専用エンジンとして誕生した「V2」のエンジン。前パニガーレV2のスーパークワドロエンジンは、1299ベースのため200PSオーバーに対応。V2は120PS対応のため、各パーツを軽量&コンパクト化でき、前モデル比−9kgを実現した。

バルブ開閉機構は、デスモドローミックからスプリング式に変更。部品点数を減らし、ヘッドをコンパクト化。また、インテーク側には可変バルブタイミング(IVT)機構を採用。Vバンクを20度後方に傾け、エンジンを前方に搭載できるようにしている。

バルブ開閉機構は、デスモドローミックからスプリング式に変更。部品点数を減らし、ヘッドをコンパクト化。また、インテーク側には可変バルブタイミング(IVT)機構を採用。Vバンクを20度後方に傾け、エンジンを前方に搭載できるようにしている。

シート下に導かれる2本出しサイレンサーもパニガーレらしいデザインに貢献。サイレンサーがライダーに近い場所にあるため、ドゥカティ・Vツイン特有のエキゾーストノートも堪能しやすい。

独自の車体構成の要となるモノコック構造のフロントフレーム。排気量890ccのバイクのフレームとは思えないほどコンパクトで、重量は4kgほど。エンジン上部に4本のボルトでマウントされ、エアボックスも兼ねる合理的なつくりを見せる。新型は横方向の剛性を大幅に落とすため、穴だらけの形状となった。写真はムルティストラーダV2用だが、パニガーレV2もほぼ同形状。

Sの前後サスペンションはオーリンズ製。スタンダードのフロントフォークはマルゾッキ製、リアサスはKYB製。キャリパーは共にブレンボ製M50。

スイングアームは、片持ちから両持ちに。大胆な形状はシミュレーション技術が向上したことによるもの。シミュレーション、試作、製品、それぞれの数値の差を埋める開発を進める。

スイングアームとエンジンを繋ぐオーリンズ製リアサスペンション。前モデルからリンクを廃し、軽量&シンプル化。車体の大幅な軽量化がよく動くサスを実現。

シフトアップ&ダウンに対応するクイックシフターも装備。旋回中も躊躇なく使えるため、トラクションの途切れる感覚がなく、スポーツ走行の必需品だ。

人間工学に基づき、スポーツライディングに適したタンク&シート形状は、リーンウィズでもインでもフィット。シート前方は絞り込まれており、足つき性向上に貢献。

タンデムシート下にはETC車載器を搭載するスペースも確保される。

一目でパニガーレのリアビューとわかる、テールライトのデザイン。C型に光らせるのが最近のドゥカティの特徴で、こういったディテール一つひとつに個性を宿らせる。
用途に合わせたオプションパーツを用意!

ドゥカティジャパンのWEBで、パニガーレV2のコンフィギレーターを開くと様々なパーツが用意されている。
「スポーツ」「タイムアタック」パッケージの他、ツーリング仕様に特化させることができるパーツも多数ラインアップ。
軽量&コンパクトなパニガーレV2は、様々なキャリアやライフスタイルにフィットするモデルだ

スイングアームスライダー(税込3万9204円)

ソフトタンクバッグ(税込4万7113円)

Termignoniとのコラボレーションサイレンサー(税込29万1643円)
ドゥカティ「パニガーレV2S」動画・写真
New Panigale V2 | Unlimited Racing Experience
www.youtube.comドゥカティ「パニガーレV2S」主なスペック・価格
ホイールベース | 1465mm |
シート高 | 837mm |
車両重量 | 177.6kg |
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 890cc |
ボア×ストローク | 96×61.5mm |
圧縮比 | 13.1 |
最高出力 | 88kW(120PS)/10750rpm |
最大トルク | 93.3Nm(9.5kgf・m)/8250rpm |
燃料タンク容量 | 15L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 23.6° |
トレール量 | 93mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmダブルディスク・Φ245mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70 ZR17・190/55 ZR17 |
乗車定員 | 2名 |
メーカー希望小売価格 | 240万8000円(消費税10%込) |
文:小川 勤、オートバイ編集部/写真:南 孝幸