2025年6月27日から29日にかけて、オランダのTTサーキット・アッセンにてMotoGP第10戦オランダGPが行われた。世界選手権初年度からカレンダーに名を連ね、今年100周年を迎えた伝統のTTサーキット・アッセン。この地でマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)が新たな記録を打ち立てた。

マルク・マルケスが最高峰クラス68勝目を挙げ、レジェンド・アゴスチーニ氏に並ぶ

決勝日も上空に雲が覆うも日差しが差すという「らしい」天気に。決勝レースでは、Monster Energy Yamaha MotoGP TeamとPrima Pramac Yamahaの計4台がヤマハ創立、そしてレース活動70周年を記念した特別カラーリングで参戦する。

画像: 7月1日に創立70周年を迎えるヤマハ。特別カラーリングでオランダGPに挑む。

7月1日に創立70周年を迎えるヤマハ。特別カラーリングでオランダGPに挑む。

ポールポジションのクアルタラロを筆頭に、アレックス・リンス(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)、ミゲール・オリベイラ(Prima Pramac Yamaha)、ジャック・ミラー(Prima Pramac Yamaha)は赤と白でカラーリングされたYZR-M1を駆る。

気温24度、路面温度42度のドライコンディションのなか、26周の決勝レースがスタート。2番グリッドスタートのバニャイアがホールショットを奪い、マルク・マルケス、アレックス・マルケスが続く。一方、ポールポジションからスタートしたクアルタラロはポジションを落としてしまった。

スタート直後、ターン5では小椋とオリベイラが接触。小椋はもらい事故ながら転倒を喫し、無念のリタイアに終わってしまった。

前戦のムジェロ同様に、序盤から逃げにかかるバニャイア。マルク・マルケス、アレックス・マルケス、ベッツェッキ、ペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)の5台がトップ集団を形成。スプリントで3位に入ったベッツェッキは決勝でも調子が良く、3周目にはアレックス・マルケスを攻略し、早くも3番手に浮上する。

5周目の最終コーナーでマルク・マルケスがバニャイアのインに飛び込みトップに躍り出る。そして翌6周目にアクシデントが発生。ターン5でアコスタと接触したアレックス・マルケスが転倒しリタイアとなってしまった。

この接触・転倒により、アレックス・マルケスは左手を骨折。現在ランキング2位につけているだけに、タイトル争いにおいて大きな痛手となってしまった。

画像: ドゥカティワークスの2台にアプリリアとKTMのワークスが迫るというこれまでにはなかったレース展開に。

ドゥカティワークスの2台にアプリリアとKTMのワークスが迫るというこれまでにはなかったレース展開に。

トップに立ったマルク・マルケスだが、バニャイアを引き離すことができない。そんななか、ベッツェッキがバニャイアを8周目の最終コーナーで仕留め2番手に浮上した。バニャイアは一時アコスタの先行も許してしまうも、15周目に抜き返している。

マルク・マルケスとベッツェッキの優勝争いは常に0.5秒以内で推移し、ミスの許されない展開が続く。しかし、オーバーテイクには至らず、マルク・マルケスがトップのままファイナルラップに入っていった。

最終的にベッツェッキとの差を0.6秒にまで拡げたマルク・マルケスがトップチェッカー。この優勝で最高峰クラスでの勝利数が68となり、歴代2位のジャコモ・アゴスチーニ氏に並ぶことになった。

マシンとコース特性が合ったベッツェッキが2位。ベッツェッキにとって2023年以来となるスプリントと決勝の両方で表彰台獲得となった。3位にはバニャイアが入っている。

特別カラーで決勝に臨んだクアルタラロは一時最後尾近くまでポジションを落とすも、最終的に10位でフィニッシュした。

次戦は7月11日から13日にかけて行われる第11戦ドイツGP。長いシーズンもついに折り返しとなる。今大会のクラッシュにより、左手を骨折してしまったランキング2位のアレックス・マルケス。数字以上に大きなマージンを得たマルク・マルケスは、圧倒的な勝率を誇るザクセンリンク・サーキットに向かう。

シーズン中盤にして早くもタイトル獲得の可能性が高くなったマルク・マルケス。勝利数でも歴代2位となり、その上にいるのは宿敵バレンティーノ・ロッシただひとり。そして今年タイトルを獲得すれば、タイトル獲得回数でもロッシに並ぶことになる。

2025 MotoGP 第10戦オランダGP 決勝結果

画像: 高速コーナーが多いアッセンで強さをみせたベッツェッキとアプリリア。

高速コーナーが多いアッセンで強さをみせたベッツェッキとアプリリア。

画像: resources.motogp.com
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レポート:河村大志

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