文:宮崎敬一郎/写真:赤松 孝、南 孝幸、関野 温
第2位
新生シェルパは街にも似合うホンキのトレッカーだ
カワサキ「KLX230シェルパ」

Kawasaki
KLX230 SHERPA
総排気量:232cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:845mm
車両重量:134kg
税込価格:63万8000円
使い方を理解すればシャレたキャンプ道具になるぞ
かつてのKLX230Sよりサストラベルが少し伸びてその味付けまでしなやかに、優しい動きに変わっている。この変更はベースになった新型KLX230Sもまったく同じだ。
たぶん、長い足でちょっとスポーツできるようにと欲張った先代KLX230とはっきり差別化するための大変更だ。だが、この味付けが絶妙にまとまっている。
空冷エンジンは排出ガス規制に適応した18PS。天井の見えているブチ回しパワーより、粘り強さに活路を見出した。それに前述のサスやスリムな車格と軽さがマリアージュ。飛んだり跳ねたり、深いV字溝に勢いに任せて突っ込めば足まわりはさすがにカツンッとイヤな悲鳴を上げる。

だが、しなやかだ。ほどよいペースでアプローチすると、ハンドルが弾かれたりシートから叩かれることもなく、すんなりと乗り越える。扱いやすい上に、酷路の中でも抑える力が要らないから楽ちんなのだ。
それにこの粋なスタイルを生で見て欲しい。泥臭いオフローダーではなく、なかなかの美人さんで街にも似合う。オプションのエンジンガードやキャリアを装着すれば、すばらしいキャンプの足になってくれるだろう。

軽量なフル液晶メーターを採用し、スピード、燃料、時計、オド・トリップなど必要な情報をシンプルに表示。視認性と操作性に優れる。

232cc空冷OHC単気筒エンジンは、低中回転域の扱いやすさとフラットなトルク特性が特徴。最高出力18PS/8000rpm、最大トルク1.9kgf・m/6400rpmを発揮する。

Φ37mm正立フロントフォークと21インチホイールを採用。ホイールトラベルは200mmで、ソフトな設定によりオフロードでの快適性と操作性を両立する。

シート高845mmで足つき性に配慮。分割式でシンプルな形状とし、長時間の林道走行やツーリングでも快適な座り心地を実現している。
カワサキ「KLX230シェルパ」主なスペック・燃費・製造国・価格 | |
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全長×全幅×全高 | 2080×920×1150mm |
ホイールベース | 1365mm |
最低地上高 | 240mm |
シート高 | 845mm |
車両重量 | 134kg |
エンジン形式 | 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 232cc |
ボア×ストローク | 67.0×66.0mm |
圧縮比 | 9.4 |
最高出力 | 13kW(18PS)/8000rpm |
最大トルク | 19N・m(1.9kgf・m)/6400rpm |
燃料タンク容量 | 7.6L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24.6° |
トレール量 | 96mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ265mmシングルディスク・Φ220mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 2.75-21 45P・4.10-18 59P |
燃料消費率 WMTCモード値 | 34.7km/L(クラス2-1)1名乗車時 |
製造国 | インドネシア |
メーカー希望小売価格 | 63万8000円(消費税10%込) |