月刊『オートバイ』をはじめ、他誌でも活躍している6人のテスターに2025年上半期に乗ったモデルの中で脳裏に強く焼きついたバイクをインタビュー。この記事では、メインテスターのひとり・太田安治を熱狂させた最新のモデルをランキング3位から順に紹介していく。
文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸、関野 温

第1位

誰でもどこでも乗りやすい、だけでは終わらない痛快なスポーツ性能
ホンダ「CB750ホーネット」

画像: Honda CB750 HORNET 総排気量:754cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:795mm 車両重量:192kg 税込価格:103万9500円

Honda
CB750 HORNET

総排気量:754cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
車両重量:192kg

税込価格:103万9500円

ベテランを唸らせる底知れぬナナハンパワー

750ccを「ナナハン」と呼んで懐かしさを感じるのは50歳以上のベテランだろう。ホンダが1969年に発売したCB750フォアが大ヒットし、他の国内3メーカーも750ccモデルを続々と投入。

1970年代から1990年代までナナハンはライダーの憧れであり続けたが、1996年の免許制度の改訂以降は900cc以上の大排気量車が人気になり、ナナハンは徐々にラインアップから消えてしまった。

だが僕は現実的な日本の交通状況に最も適しているのはナナハンを含めたミドルクラスだと言い続けてきた。車重が200kg以下なら取り回しにさほど苦労せず、パワーは70PSもあれば充分。

ミドルクラスの人気が復活してきたのは、ライダーがカタログスペックよりも「どこをどう走るのか」、「自分のライディングスキルやフィジカルに適しているのか」を重視するようになったからだ。

画像: 第1位

CB750ホーネットに乗ると、ミドルクラスの楽しさと扱いやすさを改めて感じる。スロットル操作に対して自然に反応するエンジンは微妙な加減速が行え、パーシャル状態も作りやすいからギクシャク感は皆無。192kgという車重は特段に軽いわけではないが、力を入れやすいハンドル形状とスリムな車体のおかげで楽々と取り回せる。

だが、決して扱いやすいだけのオートバイではない。スロットルをワイドに開ければフロントホイールを浮かせたままダッシュするパワーを秘めているし、レッドゾーンが始まる1万回転まで実に軽やかに伸びていく。

このエンジン特性に見事に合っているのがハンドリング。公道の速度域に合わせた車体剛性とリアの160幅のタイヤがしなやかで軽快なフットワークを生み、市街地でもタイトターンが続く峠道でも意のままに向きを変える。

ホーネットは大型車ビギナーに安心してすすめられ、ダウンサイジングするベテランにも物足りなさを一切感じさせない「ナナハン新時代」の到来を感じさせる仕上がりを見せる。

画像: 5インチTFTフルカラー液晶メーターを搭載。スマホ連携や簡易ナビ表示、3種のデザイン切替が可能で、視認性と操作性に優れる先進的な装備。

5インチTFTフルカラー液晶メーターを搭載。スマホ連携や簡易ナビ表示、3種のデザイン切替が可能で、視認性と操作性に優れる先進的な装備。

画像: 754cc水冷OHCユニカム2気筒エンジンは270度クランク採用。低中速の扱いやすさと高回転域の力強さを両立し、最高出力91PS/9500rpm、最大トルク7.6kgf・m/7250rpm。

754cc水冷OHCユニカム2気筒エンジンは270度クランク採用。低中速の扱いやすさと高回転域の力強さを両立し、最高出力91PS/9500rpm、最大トルク7.6kgf・m/7250rpm。

画像: 270度クランク特有のパルス感あるサウンドが特徴。低中回転は重厚で扱いやすく、高回転域ではスポーティかつ刺激的な吹け上がりサウンドを楽しめる。

270度クランク特有のパルス感あるサウンドが特徴。低中回転は重厚で扱いやすく、高回転域ではスポーティかつ刺激的な吹け上がりサウンドを楽しめる。

画像: リアはプロリンク式モノショックを採用し、7段階プリロード調整が可能。130mmのストロークで、快適性とスポーティな走りを両立する設計となっている。

リアはプロリンク式モノショックを採用し、7段階プリロード調整が可能。130mmのストロークで、快適性とスポーティな走りを両立する設計となっている。

画像: 撮影に同行したオートバイ女子部の竹川由華ちゃんもホーネットシリーズの中では一番乗りやすかったと絶賛していた。

撮影に同行したオートバイ女子部の竹川由華ちゃんもホーネットシリーズの中では一番乗りやすかったと絶賛していた。

ホンダ「CB750ホーネット」主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高2090×780×1085mm
ホイールベース1420mm
最低地上高140mm
シート高795mm
車両重量192kg
エンジン形式水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
総排気量754cc
ボア×ストローク87.0×63.5mm
圧縮比11.0
最高出力67kW(91PS)/9500rpm
最大トルク75N・m(7.6kgf・m)/7250rpm
変速機形式6速リターン
燃料タンク容量15L
キャスター角25°00′
トレール量99mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・160/60ZR17M/C(69W)
乗車定員2人
燃料消費率 WMTCモード値23.1km/L(クラス3-2)1名乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格103万9500円(消費税10%込)

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  • 画像4: 太田安治が選ぶ、激推しバイクBEST3〈2025年上半期ver.〉可愛いけれど手強くて、従順なのに頼もしい。そんな一台で駆け続けたい
    スズキ「GSX-R125 ABS」
  • 画像5: 太田安治が選ぶ、激推しバイクBEST3〈2025年上半期ver.〉可愛いけれど手強くて、従順なのに頼もしい。そんな一台で駆け続けたい
    カワサキ「KLX230SM」
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    ホンダ「CB750ホーネット」
  • 画像7: 太田安治が選ぶ、激推しバイクBEST3〈2025年上半期ver.〉可愛いけれど手強くて、従順なのに頼もしい。そんな一台で駆け続けたい
    スズキ「GSX-R125 ABS」
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    20
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    カワサキ「KLX230SM」
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  • 画像9: 太田安治が選ぶ、激推しバイクBEST3〈2025年上半期ver.〉可愛いけれど手強くて、従順なのに頼もしい。そんな一台で駆け続けたい
    ホンダ「CB750ホーネット」
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文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸、関野 温

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