レブルシリーズのトップモデル・レブル1100に新たに追加されたのがSエディション。スタイリッシュな外装だけでなく、今回エンジンやDCTがさらに熟成され、カラーTFTモニターなどの装備も充実している。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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ホンダ「レブル1100 Sエディション DCT」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Honda Rebel 1100 S Edition Dual Clutch Transmission 2025年モデル 総排気量:1082cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:710mm 車両重量:237kg 発売日:2025年3月20日(木) 税込価格:144万1000円

Honda
Rebel 1100 S Edition Dual Clutch Transmission
2025年モデル

総排気量:1082cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:710mm
車両重量:237kg

発売日:2025年3月20日(木)
税込価格:144万1000円

ビッグバイクとは思えぬ扱いやすさと快活な走り

レブル1100のエンジンは、アフリカツインやNT1100などと同じユニカム4バルブのパラツインだが、念入りに手の入ったトルク型。ピークパワーを15PS近く落とした分、他より1000回転ほど下の4750回転をトルクピークに設定。その前後からフラットな吹けをするようになっており、全回転域で力強いレスポンスを実現する。

デビューから時の経つモデルだが、試乗するのは今回が初めて。同系エンジン車に乗る機会が多かっただけに、まず、イージーで、常用域でパンチのみなぎるエンジンに驚いた。

クルーザーでイメージする、粘るようなトルクを伴ったパルス感はほぼ無い。低中回転域ではずっとドライで、アフリカツインやNTよりも軽快な印象。決してパワフルではないが、どこからでもダイレクトなピックアップで、ストレートに、元気よく回り切る。

今回試乗したSエディションは、スポーティなメーターカバーが取付けられたDCT仕様。ATモード時のライディングモード切り換えも搭載し「スポーツ」モードもあるし、パワーレスポンスやエンブレの強弱まで任意に設定できるモードまである。

画像: ホンダ「レブル1100 Sエディション DCT」インプレ(宮崎敬一郎)

かなり贅沢……というか、試乗していくうちに、このレブルのジャンルがわからなくなってきた。クルーザーとか、スポーツクルーザーとか、そんな風にカテゴライズするのには無理がある。足まわりや車体ディメンションの設定もクラスレスな印象なのだ。

フロントサスはトラベル量もあって衝撃を良く吸収し、荒れた路面でもフロントはいつも落ち着いている。リアサスは見た目通りトラベル量が少ないので、大きな衝撃吸収は得意ではないが、路面の継ぎ目程度のギャップ通過ならツアラー並みに快適な乗り心地を維持する。

しかも、リア下がり気味の車体姿勢から、自重とパワーがリアまわりを上手く接地させる。少々弾かれようが、ラインを乱すこと無く深めのリーンアングルで、かなり勇ましいペースで走れてしまった。先に書いた使いやすいエンジンが生み出す意のままの瞬発力と足まわりのアピールは絶大だ。許容リーンアングルも深めで、その走りはスタンダードスポーツとほとんど変わらない。

その装備や元気のいいエンジンに触れているうちに、このレブル、クルーザーのスタイルである必要があるのだろうか? と考えさせられた。おそらくは、クルーザールックというオシャレな装いを個性にしたかったのだろう。低いシートも設定しやすくなるし、そうなると、一気に多くのライダーたちにビッグバイクへの門戸を開くことができる。

このレブル1100は、大排気量車であることを忘れさせる取り回しやすさがある。クルーザースタイルだからといって、クルーザーらしいテイストを模索する必要はない。レブル1100は自由なスタイルをスパイスに、日常域での使いやすさを求めた、ちょっと欲張りな万能モデルなのだ。

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