エッジの効いたスタイリングが個性を放つ、カワサキ自慢の「Zシリーズ」の末弟がZ250。フルカウルスポーツモデルのニンジャ250をベースに、各部をリファインしたスポーツネイキッドだ。その魅力を余すところなく紹介しよう。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:森 浩輔、南孝幸
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カワサキ「Z250」インプレ(太田安治)

画像: Kawasaki Z250 総排気量:248cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:795mm 車両重量:164kg 税込価格:68万2000円

Kawasaki
Z250

総排気量:248cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:795mm
車両重量:164kg

税込価格:68万2000円

元気のいい2気筒エンジンと軽快なハンドリングが楽しい

シャープな造形のフルカウルをまといスーパースポーツらしいルックスを魅力とするニンジャ250に対し、現代的なネイキッドスタイルのストリートスポーツに位置付けられているのがZ250。現行型のZ250は2代目で、2019年にフルモデルチェンジされたモデル。

2023年には最新排出ガス規制に対応した変更を受け、並列2気筒エンジンのパワー、トルクともにカタログ数値が若干下がったが、アイドリング回転のままスルスルと発進できる粘り強さ、普段使いで多用する中回転域での素直な加減速レスポンスといったニンジャ系エンジンの美点に変化は感じない。二次減速比が変更されて若干ショート(加速重視型)のセッティングとなったことで、発進加速のイージーさが高まった。

スロットル操作、シフト操作に不慣れなエントリーライダーにも難しさを感じさせず、ツーリング中に遭遇する急な上り坂や向かい風の高速道路走行といった、負荷の大きな状況でも感心するほど扱いやすい。

さらに回し込めば、8000回転あたりからグッとパワーが盛り上がり、トップエンドの1万3000回転までフリクションを感じさせずに伸びる180度クランク独自の爽快な特性も秘めているから、ライディングスキルの高いライダーならパワーを使い切って走る痛快さも秘めている。

有効パワーバンドが4000回転~1万3000回転まであるだけに、各ギアの守備範囲が広いことも特徴。回り込んだコーナーや峠道の連続ターンといったコーナリング前後やバンク中のシフト操作頻度を減らせるので、車体姿勢を乱しにくく、走りのリズムを崩さずに駆け回れる。

画像: カワサキ「Z250」インプレ(太田安治)

フルカウルスポーツであるニンジャと決定的に違うのがハンドリング。カウルを取り去ったネイキッドスタイルを採用することで、ニンジャよりもフロント回りの重量が軽くなり、グリップ位置が高いハンドルによってフロントフォークとタイヤに腕の力と上体の重さを伝えやすい。操作に対して鋭く反応するから、ジムカーナ的な俊敏な走りも得意だし、細い路地での右左折やUターンもやりやすい。

街乗りなどの普段使いの場面では上体の前傾度が弱く、アイポイントが高めなので見通しが利き、ギャップ通過時にフロントから突き上げられても手首や肩、首に掛かる負担が少ないこともZの魅力。

ネイキッドスタイルゆえに高速道路走行ではニンジャよりも上体に受ける風圧が大きく、直進安定性もやや弱いが、エンジン振動の少なさ、吸排気音の静かさと併せて、高速道路の120km/h区間でも250ccモデルとは思えないほど快適だ。

優劣を付けるなら高速道路クルージングとスポーツライディングでニンジャ、街乗りとショートツーリングならZが優位ということになるが、その差はカウルの有無やハンドル位置から想像するより小さいから、デザインの好みで選べばいいだろう。        

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