今作りたいNinjaの見本的な内容で構成される

画像1: 今作りたいNinjaの見本的な内容で構成される

トリニティガレージナカガワによるGPZ900R。もはや同店でのカスタムにはおなじみと言えるように、ピストンやクランクメタルはじめ、エンジン内稼働部にフルにR-Shot#Mが施されている。

「55mmストロークのニンジャクランクのまま、φ79mmコスワース鍛造ピストンを組み合わせた1078cc仕様ccで、TGNステージⅢプラスのメニューです。少し価格は高くなるのですが、φ78mmピストンを使った1050cc仕様とともに、私たちお勧めのパッケージです。カムは当店で販売する現行のヨシムラST-1M DLC、ピストンやクランクメタルほかエンジン内部の稼動パーツにはフルにR-Shot#M処理を施しています。オイルバイパスキットは当店製を使って、排気系はノジマ・ファサームPROチタンの当店コラボ仕様を使っています。
車体側は17インチ化に加えてきっちりフレーム補強などを行って、エンジンスムーズ&パワフルな特性をしっかり楽しめるように作りました。その上でニンジャらしいニンジャに仕上がっていると思います」。とTGナカガワ・中川さんはこの車両の概要を説明する。この内容にはオーナーも大絶賛だという。

改めて説明すれば、TGナカガワではGPZ900Rの系列エンジンにコンプリートメニューを提案してきた。メニューが確立してもう25年以上経つ中で、都度見直しと新手法の追加が行われてきた。現在のメニューはステージ1がオーバーホールに1ランク上のポテンシャルを加えるようなもので920ccベース。ステージ2がワインディグや高速クルージングなど、あらゆる条件での使用を考慮して高出力と耐久性を両立した972ccベースの仕様。ステージ3がGPZ900RクランクにTGN#1050キットを組み合わせた1050cc仕様。さらにステージ4はφ79mmピストンでの#1078仕様。この車両はGPZ900Rクランクにφ79mmピストンを組んだためにステージ3と4の間とも言えるステージⅢ+だと中川さんは表現した。

このような変則オーダーにも応えるし、各ステージにはクランクケースのバリ取りや各部重量合わせといった、セキュリティ(バリがケース内部に落ちてトラブルを招くことを防ぐような、高安全化)を高め、高出力が安定して得られるような加工がベースとして行われている。その上で、TGナカガワ独自のパーツ表面処理、R-Shot#Mが加えられる。各パーツの摺動抵抗が減り、耐久性が高まるため、各ステージメニューが目指す高耐久性&高出力がより安定して取り出せて、エンジンの過渡特性もスムーズになる。今では各メニューにR-Shot#Mを併用する人も多いのだと聞いた。

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意外とも思われるかもしれないが、TGナカガワは車体側の補強や構成も得意で、GPZ900RやZRXシリーズにはとくにしっかりしたメニューを用意している。強化したエンジンを作り、それを載せるのにふさわしいものと考えた結果だから、これも頼もしい。

車両のらしさを損なわずに出力や剛性感を引き上げ、かつエンジンの過渡特性も今流に高める。GPZ900Rももう生産終了から22年、系列最終のZRX1200DAEG終了からでもそろそろ10年。その時間経過で純正廃番になる製品は今後も増えるはず。でも、そこに新しいものを加えたり(各種オリジナルパーツや社外の信頼できる代替パーツはそれだ)、あるいは今あるものを寸法復元(GPZ900Rリビルドカムシャフトというサービスも同店で始めている)し、かつ消耗を抑えながら使える(R-Shot#Mはまさにこの要素を含んでいる)なら、GPZ900Rを主としたニンジャシリーズはまだ楽しめる。

「大事なニンジャをより長く、高性能を維持できることを第一に考えた結果です」と言う中川さん。R-Shot#Mにも、もちろんTGナカガワのエンジン作業/メニューにも、引き続き注目したい。この車両はそんなメニューの見本だし、同時に、パッケージとして今作りたいNinjaの見本になっているのだ。

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Detailed Description 詳細説明

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A13純正カラーやGPZ900Rヘッドなども相まって、ニンジャらしさも十分に見せる車両。スクリーンはMRAスクリーン・ツーリングとし、アンダーカウルは撤去した上でしゃぼん玉オリジナルアッパーカウルエンドを代わりに装着してエンジンを見せつつただカウルを外したに終わらない構成を採る。

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アクティブステムのトップブリッジ下にセパレートハンドルをセット、左右マスターはブレンボRCSを使う。メーターは純正でカウルインナーはマジカルレーシング製だ。

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シングルシート風の造型を見せるシートはTGNコンプリートシートでライダーのホールディング性とポジションセッティング、足着き性を高めている。

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ステップはアグラスで、ここにつながるダウンチューブはかつてTGナカガワで販売していたオリジナル品だ。サイドカバーにはドライカーボンのTAGOSヒールプレートを追加した。

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エンジンはφ79mmのコスワースピストンによる1078cc仕様+TGナカガワ・ステージⅢ+αメニューの内容で作業を受け、カムはTGナカガワで販売する現行のヨシムラST-1M DLC、ピストンやクランクメタルほかフルにR-Shot#M処理を施す。フレームにはキャブレター後方やネックまわりなどに補強を加え、17インチに合わせつつエンジンスペックを生かしている。

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キャブレターはFCRφ39mmでカムまわりに積極的に潤滑用オイルを供給するオイルバイパスもTGナカガワ製。

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フロントフォークはオーリンズRWUでフロントブレーキはブレンボ・P4-40Rアキシャル4Pキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクだ。

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リヤブレーキはブレンボ2Pリアキャリパーにサンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。排気系はノジマ・ファサームPROチタンのTGナカガワコラボ仕様を使っている。

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リヤサスは17インチNinja用のオーリンズKA273ショックをブラック仕上げのウイリー・BIG目の字断面スイングアーム・ハイトコントロールHC-5HIタイプにセット。前後ホイールはMAGTAN JB3でサイズは3.50-17/6.00-17と前後17インチ化した上でセッティングも出している。ドライブチェーンはRKの520XXWにコンバートした。

取材協力:トリニティガレージ ナカガワ

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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