大幅な軽量化と新設計フレーム、熟成のDOHCエンジンを引っ提げて2020年に登場したCRF250Lがマイナーチェンジを受けた。今回はロングストローク仕様の〈s〉に試乗しながら、その魅力を改めて試乗検証してみよう。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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ホンダ「CRF250L〈s〉」インプレ

画像: Honda CRF250L〈s〉 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 シート高:880mm 車両重量:141kg 税込価格:64万9000円

Honda
CRF250L〈s〉

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:880mm
車両重量:141kg

税込価格:64万9000円

高いポテンシャルをより快適に楽しめるパッケージ

今回試乗したのはサスペンションストロークの長い仕様であるCRF250L〈s〉。2020年にフルモデルチェンジを敢行したときに採用された、小顔のフェイスデザインやモトクロスマシンを彷彿させるシャープなボディラインは文句なくカッコイイ。

2023年モデルからナックルガードが標準装備となったが、これはCRF250ラリーと共用のパーツで下部にスリットが設けられている。単に防風効果を高めるだけではなく、高速走行時の操安性に影響を与えない設計で、ダカールラリーを走破したマシンからのフィードバックなのだそうだ。

そのほか、最新の排出ガス規制に適合させるなどエンジンまわりに変更を受けたため、2023モデルから型式が変わっているが、最高出力や最大トルクはそのまま。ロードスポーツのCBR250R用だった水冷・DOHC単気筒エンジンは、その前の2020年にフルモデルチェンジを受けた際、吸排気系を中心にチューニング、低中回転域でのトルク特性が見直されている。

こうした味付けはオフロードでのフィーリング向上を狙ってのことだが、同じような回転域を使う市街地走行でも恩恵を感じられる。その美点は最新モデルにも引き継がれていて、信号からのスタートダッシュや交通の流れに乗ることなどがストレスなく行える。

画像: ホンダ「CRF250L〈s〉」インプレ

今回マイナーチェンジを受けた2025年モデルの大きな特徴のひとつがサスセッティングの変更。2023年登場の前モデルと比べるとダンピングの効いた仕様となっていて、ストリートやツーリングなどのシチュエーションで快適な乗り心地を生む仕様になっている。

もともとはオフロードでの走りを重視したモデルだが、この変更により、ストリートでも不安のない挙動を見せる。コーナーでは大径フロントタイヤが大回りすることなく自然なラインを描いてくれるし、バンクさせても接地感が薄れないので、安心してコーナーリングでき、デュアルパーパスとしてのバランスのいい仕上がりを体感できるのだ。

アシスト&スリッパークラッチによるクラッチレバー操作の軽さや、ダート走行時にリアだけ解除できるABSシステムなど、オンロード/オフロードを問わず走りを満喫するための装備も充実。現在販売されている国内外のデュアルパーパスの中でもトップレベルの完成度を持っているといえよう。

また、今回からサイドカバー形状も変更され熱対策も強化。高いオフロード性能に加えて快適性も高めたCRF250L〈s〉は、多くのライダーに「走る道を選ばない自由さ」を堪能させてくれる存在だ。コストパフォーマンスも含め価値ある1台だと思う。

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