文:横田和彦、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
▶▶▶写真はこちら|「NMAX155」の全体・各部・走行シーン(20枚)
ヤマハ「NMAX155 ABS」インプレ(横田和彦)

YAMAHA
NMAX155 ABS
2025年モデル
総排気量:155cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:770mm
車両重量:135kg
発売日:2025年3月21日
税込価格:45万9800円
新採用の電子制御CVTが走りを盛り上げる!
ヤマハが誇るスポーツスクーターシリーズのコンパクトモデル・NMAX155が進化。LEDウインカーなどにより、よりシャープなフェイスになった。MAXシリーズの象徴であるブーメラン形状のサイドカバーなどもデザインを一新されている。
またがって気付くのは新デザインのメーター。ディスプレイが上下2画面構成となり、専用アプリをインストールすると下の画面で地図表示もでき、スマホ連携機能も強化されている。

個人的に一番気になった機構は電子制御CVT「YECVT」。ハンドル左にあるシフトボタンの操作でマニュアルミッション車のシフトダウンのような特性が得られ、クルージング状態から加速したいときや、エンジンブレーキを効かせたいときに有効らしい。果たしてどう体感できるのか興味津々だ。
可変バルブシステムが搭載されている水冷ブルーコア・エンジンは各部を新作。低回転域からスムーズにトルクが生まれるためスタートダッシュはなかなか力強く、コンパクトな車格とも相まって、市街地では上位モデルと遜色ない加速を見せる。
NMAX155の車体はギュッと詰まった凝縮感があり、高剛性なのが持ち味。加えて前後サスも最適化されたので乗り心地、特に凸凹の吸収性能が向上しており、外乱に強くなっているのだ。
車体剛性の高さはハンドリングにも影響しており、ライダーの入力に対して即座に車体が反応する。バンクはもちろん切り返しのレスポンスも良好で、前後タイヤの接地感もしっかり伝わってくるため気持ちよくコーナーリングできる。このシャープさからはMAXシリーズの血統を感じる。

注目のYECVTだが、これが意外とオモシロイ。巡航状態からシフトボタンを押してアクセルを開けると、回転数があがって排気音が高まり通常よりやや加速力が強まる。加速時以上に恩恵を感じたのが減速時で、アクセルを閉じた状態でシフトボタンを押すと、マニュアル車でシフトダウンするようにエンジンブレーキがかかる。
最大で3段階ギアダウンできるので、コーナーへの進入時に使うとリズミカルに減速できる。この機能は結構気に入って、街中でも何度も使った。長い下り坂などで前後ブレーキを多用しなくても、速度調整できるのは実用的だ。
アクセルを開け閉めするだけのスクーターに、エンジン回転数をコントロールする楽しみを加えた新型NMAX。単なる移動だけではなく、積極的に走らせたいライダー向けのミドル・スクーターだ。