文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝/モデル:平嶋夏海
ホンダ「レブル250 Sエディション Eクラッチ」インプレ(太田安治)

Honda
Rebel 250 S Edition E-Clutch
2025年モデル
総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:690mm
車両重量:175kg
発売日:2025年3月13日
税込価格:73万1500円
気負わず乗れるレブル250とEクラッチは相性抜群
既存のクルーザーやネイキッドとはまるで異なったコンセプトとデザインで2017年に登場したレブル250。その後、同車はオートバイの操作に不慣れなエントリーユーザーや、スポーツ性よりも気軽さを求めるライダーなど、幅広い層のユーザーから支持され、現在に至るまで人気の衰えを知らない。
それだけにクラッチ操作がいらない「ホンダEクラッチ」の採用を待っていたライダーも多いのではないだろうか。
クラッチレバーが付いているため、ニュートラルから1速に入れるときはついレバーを握りそうになるが、握れば一時的にマニュアルクラッチになるだけなので不都合はない。オーナーならすぐに慣れるはずだ。発進/加速はスロットルを開くだけという操作はスーパーカブ系の自動遠心クラッチと同じ。しかしEクラッチはクラッチの繋がり始めから完全に繋がるまでの制御が素晴らしい。
Eクラッチシステムのユニット自体は先に採用したCB650R/CBR650Rと基本的に同じものだが、「レブルのエンジン特性に合わせて入念にチューニングした」というだけあって、ユルユルとした動き出しから強力なダッシュまで、ベテランライダー顔負けの巧みさを見せつける。

続くシフトのアップ/ダウンはシフトペダルの操作だけだ。ペダルの動きをセンサーが監視しているから、アップ時はシフターが作動してスロットルを開けたままでもスパッと、ダウン時は半クラッチ制御が入ってスムーズにギアが切り替わる。
誤解して欲しくないのは、オートマチック変速ではなく「クラッチ制御の自動化」だということ。ホンダのDCTやヤマハのY-AMTのように速度に応じてギアが切り替わるわけではない。
例えば6速で走行していて減速/停止してもギアは6速のまま。再加速/発進時にはペダルを踏み込むシフトダウン操作が必要になるので、ギア段数に対してエンジン回転が低すぎるときはメーター内のギアポジションインジケーター横に「ギアを下げろ」を意味する矢印が表示される。
クラッチレバーを一切操作しないで済むのは肉体的にも精神的にも楽で、発進/停止を繰り返す市街地走行では特にありがたい。スタンダードにはMTモデルも設定され、Eクラッチの有無による価格差は5万5000円だが、ストリートユース頻度が高いユーザーには迷わずEクラッチ仕様をすすめる。
2025年モデルはハンドル形状が変わり、グリップ位置がライダー側に6.5mm近く、5mm高くなった。数値的には小さな差だが、肘の曲がりに余裕が出て、小柄なライダーにも扱いやすくなった。併せてシートのクッション材質、リアサスペンションのバンプラバーも変更され、長時間走行の快適性が上がっている。
なお、Sエディションはライトカウルを装備しているが、風防効果はほとんどないので、好みで選べばいいだろう。
オートバイ女子部・平嶋夏海もEクラッチを体験!

乗ってすぐに気づいたのがハンドルのコンパクトさとシートの座り心地の良さ。特にシートが優秀で、しっかり支えてくれて、お尻が痛くならないので、これなら長距離も楽しめそうです。肝心のEクラッチですが、ギアをローに入れる時のショックが少なく、発進もスムーズなのに感心しました。

試乗前はもう少しギクシャクするかな、と思っていたのですが、シフトダウンもスムーズで、エンジンブレーキが効きすぎない感じもいいと思いました。何より、基本的にエンストしないので、不慣れなライダーが立ちごけしてしまうリスクが減りますし、渋滞時にも楽なのは大きいですよね。これで価格差5万5000円ならアリだと思います。もう少し安いともっと嬉しいけど……。
レブル250とEクラッチは最強の組み合わせ!? 平嶋夏海「Rebel 250 S Edition E-Clutch」試乗レポート
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