文:オートバイ編集部
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ホンダ「CB750F」(1979年)特徴

Honda
CB750F
1979年
総排気量:748cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
車両重量:228kg
斬新なボディデザインとハイメカで一躍大ヒット
世界を震撼させたドリームCB750フォアが1969年に登場、ビッグバイク界の勢力図を塗り替えたホンダだったが、1972年にカワサキからZ1が登場すると、欧米での人気とシェアをZに奪われていく。
これに対抗するため、ホンダは「ノルマンディ上陸作戦」と銘打ったシェア奪回を目指す大作戦を決行。欧州市場でのメインを担う機種として開発されたのがCB900Fで、国内市場向けにはCB750Fを展開した。
ストリームラインと呼ばれる、タンクからテールまでを繋げた、スポーティで斬新な直線基調のボディデザインを採用。エンジンも当時としてはハイメカのDOHC4バルブユニットで、ハンドルもジュラルミン鍛造のセパレートという豪華ぶりだった。
すべてが新鮮で、既存のバイクを置き去りにするスタイルとパフォーマンスを備えた「エフ」は1979年の登場と同時に大ヒット。AMAスーパーバイクレースでのフレディ・スペンサーの大活躍も人気を後押し、CBの歴史の中でも名車として語り継がれている。
ホンダ「CB750F」(1979年)各部装備・ディテール解説

メーターデザインは左右対称で、タコメーターのレッドゾーンは9500rpmからとなっている。ハンドルは贅沢なジュラルミン鍛造。

サイドカバーとつながった、独特なデザインのタンクがFの特徴。フューエルキャップにはキーロックアームがついている。

タンクとテールカウルをつなげるデザインのサイドカバー。「F」の文字が赤いが、これはCB1000Fコンセプトでオマージュされている。

CB750Kで先にDOHC化された空冷エンジンは、ワークスレーサーのノウハウも投入された意欲作。カムチェーンはクランクと排気側カムを連結し、別チェーンで吸排気カムを連結する独特な方式を採用。

高剛性とスポークホイールのしなやかさを両立するコムスターホイールを採用。初期型のFZはシルバー仕上げだった。

FVQダンパーと呼ばれるリアショックを採用。動作速度に応じて可変的な減衰力特性を備え、圧側2段、伸側3段の減衰力調整が可能。

シートはフラットな形状で、特徴的なパターンのワディングを採用している。FBからはテールに小物入れが装備されている。
ホンダ「CB750F」(1979年)主なスペック・当時価格
| 全長×全幅×全高 | 2190×795×1125mm |
| ホイールベース | 1515mm |
| 車両重量 | 247kg(乾燥:228kg) |
| エンジン形式 | 空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 748cc |
| ボア×ストローク | 62.0×62.0mm |
| 圧縮比 | 9.0 |
| 最高出力 | 68PS/9000rpm |
| 最大トルク | 5.9kgf・m/8000rpm |
| 燃料タンク容量 | 20L |
| 変速機形式 | 5速リターン |
| キャスター角 | 27゜30' |
| トレール量 | 117mm |
| ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
| タイヤサイズ(前・後) | 3.25-H19・4.00-H18 |
| 発売当時価格(1979年) | 53万8000円 |
