文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝
ホンダ「CB1000F コンセプト」ライディングポジション・足つき性
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

ハンドル幅はかなり広く、長めのハンドルライザーを介して高さも稼いでいる。ステップ位置はホーネットより低くて前寄り。上体が起き、膝の曲がりも少ない80年代のビッグバイク的なリラックスしたポジションに設定されている。足つき性はこのクラスのネイキッドとして標準的。おそらくシート高は810mm程度だろう。

ホンダ「CB1000F コンセプト」スタイリング解説

サイドカバーやテールカウルなど、外装パーツのひとつひとつは非常にコンパクトだが、全体のフォルムは伸びやかで堂々たるもの。

伝統と新しさを絶妙なバランスでブレンドしたスタイリングは、見る者にこのバイクがCBシリーズの一員だということを実感させる。

「F」の車名が示す通り、CB1000Fコンセプトは、往年の“エフ”のフォルムを見事に昇華してみせたフォルムが特徴。最新のスポーツモデルらしいコンパクトな車体ながら、当時のオーラを感じさせる仕上がりとなっている。

若干高めにセットされたヘッドライトと、その下に2つ並ぶホーンのレイアウトが、かつてのCB750Fを彷彿させるフロントビュー。

一見タンクがワイドに見えるデザインだが、ニーグリップ部分がしっかり絞られていて、実車は写真で見るより車幅もスリムだ。
ホンダ「CB1000F コンセプト」各部装備・ディテール解説

外側にポジションランプを配した丸目のLEDヘッドライト。ライトユニットは上下2段でロービームで上が、ハイビームでは上下が点灯する。

ワイドで手前にセットされたブラック仕上げのハンドルバーは、往年のスーパーバイクバーを思わせるもの。ニーグリップ部のタンク上部の絞り込みが美しい。

メーターはホーネットと同様の5インチのカラーTFT。表示内容はおそらくホーネットと同等と思われ、ライディングモードも用意されるだろう。

左スイッチボックスはホーネットと同タイプで、十字のセレクトキーを備えた新作。「MODE」ボタンはライディングモード選択用と思われる。

フロントフォークはショーワ製のSFF-BP。ホーネットと同じパーツだが、マシンの性格を考慮して専用セッティングとなる可能性も。

角張り、中央部が盛り上がったタンクのデザインはCB750Fを彷彿とさせるもの。ベースのホーネットがダウンドラフト吸気なので、タンク下部の絞り込みは少なめ。

エンジンはSC77型と呼ばれる、2017年式のCBR1000RR用がベース。ホーネットのSTDは152PSだが、おそらくCB1000Fコンセプトのスペックもそれに近いはずだ。

スタイルに合わせて新作のメッキ仕上げが美しい、メガホンタイプのマフラーを装着。サウンドも入念に造り込まれている模様だ。

フロントまわりのパーツ構成はホーネットと同じ。ブレーキはニッシン製4ポットキャリパーにΦ310mmローターの組み合わせとなる。タイヤはBS製のS22。

リアのスイングアームはアルミ製。左右非対称構造として、右側のアーム形状を湾曲させることでエキパイレイアウトの自由度も高めている。

リアサスペンションはプロリンク。パーツ自体はホーネットと共通だが、キャラクターに合わせたセッティングが施される可能性もありそうだ。

サイドカバーは小ぶりなデザイン。車名ロゴのCB1000Fは「F」の部分が赤文字になっている。キーシリンダーはシート開閉用。

アルミ製のタンデムステップステーはガッチリした造り。シートレールとの締結位置が2本ショックのレイアウトに近く、リアまわりのルックスを向上させている。

スーパーバイクレーサーを思わせる段付きのシート。ライダー部のワディングパターンはかつてのCB750F(FZ)を思い起こさせるデザイン。

LEDテールランプはCB750Fのイメージを残した、大型の八角形デザイン。テールカウルはコンパクトに絞り込まれている。