かねてから噂になっていた“エフ”がついに帰ってきた! モーターサイクルショー2025でホンダが急遽発表したこのCB1000Fコンセプトは、往年の名車・CB750FのDNAを受け継ぎながら、最新の技術で生まれた「新世代のエフ」。その詳細に迫ってみよう!
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝

ホンダ「CB1000F コンセプト」ファーストインプレッション

コンセプトモデルとは言いながら、このCB1000Fコンセプトはかなりの完成度。このまま保安部品を付けて発売しても不思議ではないレベルの仕上がりを見せている。そんなCB1000Fコンセプトの実車に早速触ってみたぞ!

画像: ホンダ「CB1000F コンセプト」ファーストインプレッション

取り回しも良さそうなコンパクトさが好印象

CB1000ホーネットをベースとしていることもあって、CB1000Fコンセプトは写真で見るよりスリムでコンパクト。伸びやかなボディデザインをしているため写真で見ると大きく見えがちだが、実車はリッターバイクと言うより、アッパーミドルスポーツに近いサイズ、と言った方がいいかもしれない。

そして、正面や真後ろから見ると際立つのがワイドなハンドルバー。CB750Fの名声を高めるきっかけになった、1980年代のAMAスーパーバイクレーサーを思わせるワイドぶりで、ハンドルのセット位置も手前なので、ライダーの上半身はかなり起きた、アップライトなライディングポジションとなる。市販化され、実際にまたがるチャンスが来たら、ぜひまたがって体感して欲しい。想像以上のリラックスぶりに驚くはずだ。

「ベストバランス・ロードスター」という開発テーマ通り、このCB1000Fコンセプトはあらゆるシーンで気負わず走りを堪能できるバイク、というのが狙い。男前なルックスでも、実車は予想以上にフレンドリーだ。

元「エフ」オーナー太田安治は見た!

2020年に発表されたCB-Fコンセプトを見た僕は「出たら買う!」と宣言したものの、市販化は見送りに。CB1000RがCB1000ホーネットへ代替わりしたことも影響したのかもしれないが「エフ」の復活を諦めなかったホンダの開発陣には感謝しかない。

ホーネットとプラットフォームを共用しているが、実車の雰囲気は別物。タンクからテールカウルまでのデザインはCB750Fを彷彿させる流麗さで、マッチョ感のあるホーネットとは異なる引き締まったプロポーションにまとまっている。

僕は30年ほど前にCB750F(FC)で「パワフル&軽量コンパクト」を目指してカスタムの沼にはまっていて、そのときに思い描いていた完成形と、このFコンセプトの姿は不思議なほど重なる。

ホーネットに試乗してエンジンのデキの良さに感心しただけに、僕が手を入れるならハンドルとステップ、マフラー程度にとどめると思うが、新たな発想のカスタムスタイルが出てきそうな予感もある。久々に市販開始を待ち遠しく思う一台だ。

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