車体スープアップを中心にして今後の発展性も見せる

ACサンクチュアリーによるZRX1200DAEG。「RCM-579」(’24年初頭時点でRCMの通算ナンバーは700番台前半に至っている)というシリアルナンバーも付けられているから、同店が作るコンプリートカスタムのRCM(Radical Construction Man-ufacture)の要件も満たした車両と分かる。ところでRCMの主力となっている空冷Zシリーズと、DAEGのような新しめのモデルで違いはあるのだろうか。

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「空冷Zなどの古いモデルを元にする場合は、今ならばレストア作業は不可欠ですし、ノーマルと現代17インチタイヤとのサイズの違いから、ディメンション再構築も行うことになります。でも、DAEGを含めた新しめのモデルは前後17インチが標準なので、とくに後者、車体側に大きく手を入れるケースはあまりありません。エンジンも同様ですね。健全であれば現状で行ける。そんな理由から、ナイトロレーシングやO・Zレーシングなど、ノーブレスト扱いのパーツを軸にしてアップグレードを施す。またその作業をサンクチュアリーで一貫して行うことで、トータルでの機能発揮を充実させる。この車両もそんな背景で手を入れています」とサンクチュアリー・中村さん。

一見ノーマルに見える外装も、細かい打ち合わせの末に全体バランスも考えたフルペイント仕立てとなっている。

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「まだ作例は少ないですけど、これからZRXシリーズ系のRCM製作オーダーは増えると思います。先ほど言ったように、元々の完成度が高く、経年などでの劣化がまだ少ないので、パーツ換装を軸にして軽量化したり高質化するという部分を楽しむスタイル。これがひとつ。もうひとつ、やるのならエンジンも車体も徹底的に手を入れる。空冷ZやNinja(GPZ900R)のようにいずれ劣化がくればということは考えましたが、そうでなくてもチューニングという部分はありますし、そこに対応する。そんな二極に対応しながら進めていくと思います」

ZRXシリーズに対しても豊富なラインナップを持つノーブレストパーツはその一端。この車両は前者、現代モデルへのコンプリートカスタムの好例と言っていいだろう。さらに後者、ヘビーチューン仕様のZRXの作業依頼も入っているというから、その完成形も楽しみになってくる。

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外装類はDAEG純正でスクリーンのみMRAスポイラーに変更。外装カラーは純正にありそうな色を選んだ上で、純正ではデカール仕立てのグラフィックパターンも合わせてすべて塗装で仕上げた。作業は奥進が行い、ルックスに深みを増した。

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ハンドルバーはデイトナ RCMコンセプトハンドルバーをDAEG純正の30mmオフセットステム/純正メーターとコンビネーションさせている。

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左右マスターシリンダーはブレンボRCSに変更した上でレバーをZETA RCMコンセプトフライトレバーに換装。ハンドルバーエンドはデイトナRCMコンセプトハンドルバーエンドだ。

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シートは純正を加工してレザー等を変更。フェンダーレス化も行う。グラブバーやテールライト/前後ウインカーは純正を生かしている。

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走行距離も少なめでコンディションが良いことから、エンジンオーバーホールは行わずに使用。ナイトロレーシング・クラッチレリーズとRCMコンセプトパルシングカバーが変更点だ。ラジエーターコアガードはヨシムラ。

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クラッチレリーズプレートはツーピースタイプのナイトロレーシングで車体色にも合わせたゴールドプレートをセレクト。ステップもナイトロレーシング。ドライブチェーンはEK ThreeD 530だ。

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フロントフォークはノーブレスト・オーリンズ正立E×MパッケージによってオーリンズRWUをセット。フロントブレーキはブレンボ ラジアルCNC P4キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク“RCM”コンセプトモデル。純正と同サイズながら軽量化や高質化、作動の良さという部分は大きくアップされている。

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リヤブレーキはブレンボ CNC 2Pキャリパー+サンスターφ250ディスク。排気系はオーナーこだわりのナイトロレーシング ウェルドクラフト3Dチタンとした。

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リヤサスペンションはオーリンズ・グランド・ツインショック(KA928)にスカルプチャー R.C.M専用ワイドスイングアームのゼファー1100用を、ピボット部寸法をアレンジして流用する。ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズを履く。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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