文:山口銀次郎、アドベンチャーズ編集部/写真:アドベンチャーズ編集部/モデル:葉月美優
スズキ「Vストローム250」インプレ(山口銀次郎)

SUZUKI V-Strom 250
2023年モデル
総排気量:248cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ並列2気筒
シート高:800mm
車両重量:191kg
発売日:2023年3月20日
税込価格:64万6800円
大柄な車体はただの演出ではない!
マッシブなガタイを誇り威風堂々としているVストローム250。大柄な車体の演出は車両重量に影響をみせ、サイドスタンドを使用しての停車状態から垂直に起こす際に、ズッシリとクラスを越えた重量感がある。また、他の250モデルと比べると、明らかに大柄であることがわかる。
軽量車体絶対主義の方にとっては抵抗感を覚えるかもしれないが、私は気にしない。なぜかというと、アップライトなハンドル位置設定のため、容易な取り回しを可能にしてくれるので問題ではないのだ。取り回しでいえば、これまたハイ設定のシートや胴体回りなので、車体と身体の接点が高い位置でとれるので、むしろ体重を預けやすくなっている。出先の駐車場等で、毎回異なる環境での押し引きに於いても一度も苦になったことはなかった。それだけ、押し引きの入力がしやすいハンドル位置であるということ。

800mmというシート高は、確かに高い部類に入るだろう。ただ、流石の気遣い設定で、シート前部の幅がかなりシェイプされており、ステップから足を下ろす際はスマートに、そしてスタイリッシュに、更にマージンを湛えつつ行なうことができる。
当然のことながら、乗車時には高位置からの視界が開けているので、状況を把握しやすく自然とゆとりが生まれてくる。このポイントは、意外にもオフローダーとは異なるアドベンチャーツアラーならではの特徴であり、Vストローム250もしっかり雰囲気満点で〝ならでは〟のポジションを構築している。

高位置ハンドルにセットされたバックミラーも当然のごとく高位置になるため、後方の視認性はバツグンだ。また、前を見据える視界にミラーが収まり、視線ずらしが最低限で済むので長時間走行では疲労軽減に繋がるかもしれない。
大柄な車体という印象を強く持ってしまいがちだが、ベースは250ccモデルなので、小回りは得意だ。バイクを降りての押し引きでの向き替え&回転もクラスに相応しいレベルとなっている。
エンジンは、街乗り等で多用するであろう低回転域から4000回転あたりまでは、ワイルドなキャラクターにマッチするゴリゴリとした鼓動感を生み、トルクフルな演出と相まって、地面を蹴り掻く爆発の1発1発を感じられるような演出がされている。


では、高回転域がオモシロではないのかというと、好みがはっきり分かれるかもしれない。エンジン高回転域に掛けて、パラレルツインエンジンならではオモシロみは影を潜め、振動も消えながらドラマチックな演出もなくサラリと吹け上がる。中回転域までの味わい深さはドコへやら、クレバーに、そして事務的にといった印象が強くなる。当然、これはネガな部分ではなく、求められる回転域で求められる性質を演出しているということかもしれない。

現に、高速道路移動で100km/h巡航するのに、トップ6速で8000回転も回ってしまう。移動距離が長ければ長いだけ、エンジン振動による手足のシビレや疲労といった影響が少なくて済むということになるのかもしれない。ちなみに、タコメーターのインジケーター表示はブロックパターンなので詳細数値は不明となっている。
アドベンチャーモデルとはいえ、足まわりは特別に長足化されず、また踏ん張りに特化したギミックが盛り込まれているワケではない。なので、最低地上高もロードスポーツと同様といえる。しかしながら、過剰ではないものの必要にして充分、否それ以上の包容力のある衝撃吸収性と快適性を提供してくれるので、フラットダートレベルの走行では物怖じすることはない。さらにアップライトな乗車姿勢も、ほぼ直立に近いスタンディングを可能にし、身動きの自由度を高め、疲れ知らずのパッケージを生んでいる。
スズキ「Vストローム250」カラーバリエーション

ソリッドダズリンクールイエロー/ パールネブラーブラック(CZX)

ダイヤモンドレッドメタリック/ パールネブラーブラック(BKJ)

ハイテックシルバーメタリック/ パールネブラーブラック(C0X)

マットフラッシュブラックメタリック/ パールネブラーブラック(CKN)
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