自分での作業も効果も楽しみながら進めていく
多くの手法やパーツがまだ出てくる中、CB-Fの乗り味や、車両に手を入れた結果を楽しみたいというプライベーターによるカスタムも進化していると思わせてくれるのがこの、よっしーさんの車両。シルバー×ブルーのライン、メガホンマフラーから、モチーフはAMAスーパーバイクの’82年フレディ・スペンサー用CB750Fレーサーと分かる。その雰囲気をうまく前後17インチの足まわりとドッキングしているのも、特徴と言っていいだろう。
「自分好みのカスタムをコツコツ進めながら楽しんでいます。作業は自分で分解・組み立てをするのが基本なんですけど、加工についてはSSPファクトリーさんに助けてもらっています」とよっしーさんは説明してくれるが、それにしてもこの仕上がり、プロ同然の見事なものだ。
フレームは補強やレイダウンなどの加工にスムージングも行い、足まわりは現代ネイキッドであるXJR1300加工流用での17インチ化を図り、ディメンションも問題なし。エンジンもワイセコピストンでの985cc化やポート加工にクランクのダイナミックバランス、コンロッド重量合わせを施すなど、プライベーターの域を超えていると言いたくなるほどの内容だ。またミッションへのWPC加工やドリームクラフト製油圧クラッチキットの組み込みも行われ、それがただ組まれているだけでなく、きちんと機能しているのも分かってくる。
スペンサー車のイメージにも近づくメガホンマフラーは、ノーマルのステップブラケットで干渉なく装着できるようにこの車両を元に作ったもの。「このマフラーをSSPさんに頼んで製作してもらった当時はエンジンは750ノーマルでした。今は中身が900になったので、それに合わせた仕様のマフラーがほしいところですね」ともよっしーさん。さらにUSメーターやバックステップ、ホイールの変更も考えているとのことで、それらが揃った時には、さらにルックスも中身も楽しめそう。それだけの作りが自分で出来ること、難しいことが頼めるプロがいることも、素直にうらやんでみたい。
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Detailed Description詳細説明
メーターは国内仕様純正でエンジン回転計をpivotステッピングモーター式に換装、ヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加。ハンドルバーはアクティブで左右マスターはブレンボ・RCSコルサコルタ、リザーバーステーはSSP製チタン。燃料タンクにはブリーダーも装着、流量も不足しないようにダブルコック化している。
ベースは'81年型CB750Fで、ウインカーやテールライトは純正。外観のシルバーは'82年AMAスーパーバイクのスペンサーカラーで仕立てたものだ。
エンジンはワイセコ鍛造ピストンで985cc化し、クランクはダイナミックバランスを取り、コンロッドも重量合わせしている。さらにヘッドはポート加工とビッグバルブ化を行うなど、ひと通り以上のメニューがこなされている。ミッションには摺動抵抗を減らすWPC加工も施された。
キャブレターはCRスペシャルφ33mmを3Dエアフィルター仕様で装着。点火はウオタニSP2。このあたりの仕様も理にかなっている。
AMAスーパーバイク・スペンサー車をモチーフとしたベラスコタイプのSSPファクトリー製ステンレスEX。この車両が元になって作られた。
フロントフォークはXJR1300用オーリンズφ43mmをワンオフステムでクランプする。フロントブレーキはブレンボ・アキシャル4Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。
リヤサスはショックマウント位置も複数設定できるようにしたXJR1300加工スイングアームに、XJR1300用のオーリンズ・グランドツインをセット。リヤブレーキにはブレンボ・P2-CR84キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクを装着した。
中空3本スポークの前後ホイールはXJR1300純正の3.50-17/5.50-17サイズで、ドライブチェーンはEK ThreeDの520サイズにコンバートしている。