デビューこそ1979年だったが、ホンダのCB750Fは、間違いなく1980年代にその名を轟かせた名車のひとつ。流麗なフォルムとハイメカで数多くの若者が憧れた。いまなお魅力の色褪せない、空冷CBの傑作だ。
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍、南 孝幸

ホンダ「CB750F」特徴

画像: Honda CB750F 1979-1982年 総排気量:748cc エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 車両重量:228kg(乾燥)  撮影車は1981年式のFB。大ヒットしたコミック『バリバリ伝説』の主人公、巨摩 郡の愛車としても知られるモデルだ。

Honda CB750F
1979-1982年

総排気量:748cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
車両重量:228kg(乾燥)

撮影車は1981年式のFB。大ヒットしたコミック『バリバリ伝説』の主人公、巨摩 郡の愛車としても知られるモデルだ。

斬新なスタイリングと高性能で爆発的人気に

ドリームCB750フォアで一世を風靡したホンダは、1972年に登場したZ1/Z2に欧米での人気とシェアを奪われ、これに対抗するため「ノルマンディ上陸作戦」と銘打ったシェア奪回を目指す大作戦を決行する。その作戦の中核を担う機種として誕生したスーパースポーツがCB750Fだ。

ストリームラインと呼ばれるタンクからテールにまでを繋げた直線基調のボディラインは当時としては非常にスポーティで斬新。搭載されるエンジンもDOHC4バルブで、ハンドルもジュラルミン鍛造のセパレート。すべてが新鮮で、既存のバイクを置き去りにするスタイルとパフォーマンスを備えた「エフ」は、1979年の登場と同時に大ヒット。

1983年から連載された人気漫画「バリバリ伝説」の主人公・グン(巨摩 郡)の愛車であったことも手伝って、人気は加速していったのである。

画像: Honda CB750F AMA RACER CBの歴史に輝く「スペンサーカラー」 ホンダは天才レーサー、フレディ・スペンサーらを擁してAMAスーパーバイクにCB750レーサーで参戦。耐久レーサー、RS1000用の空冷エンジンをチューンして搭載、1982年にはスペンサーがデイトナ100マイルレースを制する。この時のカラーグラフィックは「スペンサーカラー」として多くのモデルに受け継がれていく。

Honda CB750F AMA RACER

CBの歴史に輝く「スペンサーカラー」

ホンダは天才レーサー、フレディ・スペンサーらを擁してAMAスーパーバイクにCB750レーサーで参戦。耐久レーサー、RS1000用の空冷エンジンをチューンして搭載、1982年にはスペンサーがデイトナ100マイルレースを制する。この時のカラーグラフィックは「スペンサーカラー」として多くのモデルに受け継がれていく。

ホンダ「CB750F」各部装備・ディテール解説

画像: タンクからサイドカバー、テールカウルへとつながる「ストリームライン」デザインを採用。欧米で高い人気を博した。

タンクからサイドカバー、テールカウルへとつながる「ストリームライン」デザインを採用。欧米で高い人気を博した。

画像: CB750KでDOHC化された空冷エンジン。カムチェーンはクランクと排気側カムを連結し、別チェーンで吸排気カムを連結する7の字がけ。

CB750KでDOHC化された空冷エンジン。カムチェーンはクランクと排気側カムを連結し、別チェーンで吸排気カムを連結する7の字がけ。

画像: ハンドルはジュラルミン鍛造。メーターデザインは左右対称で、タコメーターのレッドゾーンは9500rpmからとなっている。

ハンドルはジュラルミン鍛造。メーターデザインは左右対称で、タコメーターのレッドゾーンは9500rpmからとなっている。

画像: サイドカバーとつながる、独特なデザインのタンクが印象的。フューエルキャップにはキーロックアームがついている。

サイドカバーとつながる、独特なデザインのタンクが印象的。フューエルキャップにはキーロックアームがついている。

画像: 撮影車はカスタムで段差をつけているが、ノーマルのシートはフラットな形状となっている。FBからはテールに小物入れを装備。

撮影車はカスタムで段差をつけているが、ノーマルのシートはフラットな形状となっている。FBからはテールに小物入れを装備。

FBのホイールはブラックコムスター。フロントフェンダーには走行風をエンジンへと向けるためのエアガイドが備わる。

リアサスにはFVQダンパーを採用。動作速度に応じて可変的な減衰力特性を備え、圧側2段、伸び側3段の減衰力調整が可能。

ホンダ「CB750F」主なスペック

※諸元はFZ

全長×全幅×全高2190×795×1125mm
ホイールベース1515mm
最低地上高140mm
車両重量228kg(乾燥)
エンジン形式空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量748cc
ボア×ストローク62.0×62.0mm
圧縮比9.0
最高出力68PS/9000rpm
最大トルク5.9kgf・m/8000rpm
燃料タンク容量20L
変速機形式5速リターン
キャスター角27°30′
トレール量117mm
タイヤサイズ(前・後)3.25H19・4.00H18
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク

文:オートバイ編集部/写真:松川 忍、南 孝幸

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