Zという名車で現代を楽しむための好適な選択の標準仕様
空冷Zシリーズを今手に入れ、乗ることを考える。その時にノーマル車とともに思い浮かぶのが、コンプリートカスタムだろう。Zというモデルの素性を生かしながら、内容を大幅に現代化する。フロント19/リヤ18インチのホイールを前後17または18インチ化し、これに合わせて車体側の変更を行う。さらにエンジンの見直し、スープアップも行う。Zという揺るぎない名車。それを今普通に乗れるようになるという点でも魅力大だ。
そのコンプリートカスタムZの筆頭と言えるのが、ブルドックによるGT-M(Genuine Complete Machine)だ。この車両はその近作で、マークIIらしさをそのままに、各部の底上げが図られている。ブルドック・和久井さんがGT-Mについて常々教えてくれるポリシー“ノーマルライクな自然な立ち姿の中に高いスペックを備える”を地で行くスタイルの1台だ。
「エンジンはピスタルレーシングのφ73mm鍛造ピストンで1105cc。カムはヨシムラST-1Lを組んで、内燃機加工はいつも通りに自社でフルに行っています。全体としてはオーソドックスで、コストも含めたバランスを考えた、今のGT-Mの標準的な作り込みをした車両です」
このように和久井さんは教えてくれるが、その“標準”も時とともに底上げがされている。これまでにもブルドックの車両紹介で説明してきたようなパーツ群、例えばブレーキやサスペンションなどそれぞれの進化を反映したもの。進化したものの特性を見抜いて適切に加えていく。
また180幅が190幅になり、200幅が中軸になってくるというようなリヤタイヤのサイズ変化に合わせた車高セッティング(幅の拡大と扁平率で基準が変わる)もそのひとつだ。こうしたその都度の最新とベストを織り込んでいるという点でも、コンプリートカスタムは今走るZを手に入れる好適な答えと考えていい。
外観も純正パターンのラインやブラックのベースカラーを軸にまとめることで、何かが突出するのでなく、Zという車両の持つ雰囲気をそのままアップデートさせている。これから先のアップデートにも適応するし、古びないことも加えれば、コンプリートカスタムによってZを楽しむのはメリットが多い。この車両を見れば、それが理解できるはずだ。
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Detailed Description 詳細説明
車両全体でのバランスが取れる位置にヘッドライトを置くライトステーは3ピース構造のマッコイ(Mccoy)。ウインカーはヘッドライト横に小ぶりなものを装着している。フロントマスターシリンダーはブレンボRCS、クラッチは油圧駆動化した上でマスターをブレンボRCSとした。
メーターは純正をベースにリフレッシュし、ヨシムラ・プログレスメーターを追加する。ステアリングステムは17インチ最適ディメンションのマッコイ。
外装は1979年型のMk.II純正パターンを生かしたブラックベース×ホワイトライン。製作打ち合わせ時のオーダーが反映される。
この車両ではシートは純正ルックのダブルタイプでレザーを新品とし、内部も加工して良質な乗り心地を作り出す。テールも純正スタイルだ。
エンジンはピスタルレーシングφ73mm鍛造ピストンによる1105cc仕様(純正値は1015cc)でカムシャフトはヨシムラST-1L。電装系は一新し、マッコイ・アウトボード&オフセットスプロケットによって適正チェーンラインを確保するとともに駆動部への負担も減らしている。
キャブレターはエンジン仕様や使い方を考慮してのヨシムラTMR-MJNφ38mmでブラックのショートファンネル仕様でマウントされる。
ボディカラーに合わせるようにブラックで引き締められた足まわり。フロントフォークはオーリンズRWU(φ[純正値36→]43mm)でフロントブレーキはブレンボ .484 CNC P4キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクでフローティングピンはマッコイ製だ。
フレームは1本1本がブルドックオリジナルのフレーム台に載せられ、細部まで測定し17インチ化等に必要な加工を行っている。スイングアームは7N01目の字断面材によるマッコイでリヤショックもオーリンズ・レジェンドツイン。ドライブチェーンはRKの530サイズだ。
リヤブレーキはブレンボCNC P2 34キャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。ホイールはゲイルスピードTYPE-Rの[純正値1.85-19/2.15-18→]3.50-17/5.50-17サイズ。排気系はフルチタン4-1(内部4-2-1構造)のWinMccoyフルエキゾーストを装着する。