現行モデルでトライするコンプリートカスタム

ACサンクチュアリーによるZ900RS。既に同社パーツカタログ’22年版の「BIBLE9」や、春の東京モーターサイクルショー・デイトナブースで目にした人も多いだろう。

ダウンチューブキットや、オーリンズ倒立フロントフォークをマウントするステアリングステム等をキット化したE×Mパッケージなど、Z900RS用に同社が開発してきた多くのパーツも次々と販売に移された。それらの装着車にして、同社コンプリートカスタムのRCM(シリアルナンバー534)でもあるのだが、撮影した2022年夏にはさらにパーツがもう1点変わった。ラウンドラジエーターだ。

画像1: 現行モデルでトライするコンプリートカスタム

「まだプロトタイプ(撮影は’22年夏)ですが、形状やサイズはほぼ決定です。コアの面積で比べると、’18〜’20年モデル純正から約20%、少し大きくなった’21〜年モデル純正からも約10%拡大しています。配管や細部仕様も決めた上で、(’22年)10月くらいには発売する予定です」

サンクチュアリー・中村さんはこのラジエーターの概要を言う。同店ではZ900RSはこのラジエーター以前の分=この車両に装着されたパーツ群をZ900RS・第1形態、今後開発しリリースするものを同・第2形態と捉える。

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「第1形態は現行車のZ900RSに対して車体まわり、とくに機能パーツを作っていくというコンセプトのパーツでした。ACサンクチュアリーというショップが、Z900RSという車両に空冷ZやGPZ900R Ninja、ZRXといった車両と同じように向き合って、コンプリートカスタム化する。その過程のおいて必要が出るからパーツを製作し、それを市販に移す。かつてGPZ900Rが現行車両だった時にカスタム化のために車体パーツに注力したようにです。

対して第2形態は、もうちょっとコアなところに踏み込んでいく感じを想定しています。GPZ900Rが生産終了した後、状態の良い車両が減ったことに対して、また各部スープアップに対してそれを補完するようなパーツを作ったようにです。今後はZ900RSもエンジンオーバーホールを行ってハイコンプピストン組み込み、カム変更ということもあるだろうとなれば、発熱量が増えるだろうから先に冷却性を高めることも考えたい。そんな感じです」とも中村さん。

シングルシートや前後のエンジンマウントをつないで剛性も高めるコンビネーションキット。そして新しい車検適合マフラーなど、第2形態パーツへの構想は続々とあるようだ。それを待ちつつ、この第1形態パーツを楽しんでいくというのも良さそうだ。

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「Z900RSビレットライトステーKIT」はアルミ削り出し。Z900RSのノーマルヘッドライトステーに被せる形でボルトオンでき、ヘッドライトまわりのルックスを向上。ノーマルウインカー専用ウインカーステーも付属する。ブラック、シルバーが用意される。

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スポーツライディングに適した前傾姿勢と、ツーリングや街乗りにも適した高さを両立した「デイトナ“RCM”LOWハンドルバー」。幅695×高さ181×引き85mmでφ22.2mm。純正のテーパータイプとはマウント部径が異なる。フロントブレーキマスターはブレンボRCS、クラッチホルダーはコーケンでともにレバーを“RCM”コンセプトフライトレバーに換装。ミラーはマジカルレーシングNK-1ミラーだ。

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シートは'22年にラインナップされた「デイトナCOZY-SEAT“RCM CONCEPT”Z900RS」。座り心地を向上し疲労を低減する素材や形状、表皮を選択、ライダー側は15mm下げて停止時のストレスも低減している。外装にはYFデザインがカスタムらしいフルペイントを施している。

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ポジションを最適化し居住性を高めるパーツや、純正外装を生かした各部パーツも用意される。「Z900RSリアフェンダーレスKIT」は純正テールカウルに対応したショートタイプで、写真で分かるように純正ウインカー取り付け可能なウインカーステーも持つ。

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マシンコントロール性を高める「Z900RSバックステップキット」はバー位置が上30/後ろ15mm、上35/後ろ20mmの2ポジション設定としている。

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Z900RSの鋼管トレリスフレーム。その前端とメイン部後端=スイングアームピボット下をつないでダブルクレードルスタイルにする「Z900RSダウンチューブキット」。A6063削り出しブラケットと7N01角パイプの軽量高剛性ハイブリッド構造でしゃきっとした車体を作る。左右で形状が異なる点やエキパイ/配管類をクリアしつつ車体センターに寄せた作りも特徴だ。ラウンドラジエーターもほぼ市販形状になっている。

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「Z900RSボルトオン“E×M”パッケージ」でオーリンズFGRT207フォークをセットし性能を向上しつつ軽量化。ステアリングステムも逆ガル型上下ブラケットでノーマル同等のフロント車高を維持しつつハンドリング特性をシャープ化する。スカルプチャーステムで剛性を高めつつノーマル同等のハンドル切れ角も確保する。フロントブレーキはブレンボGP4 RXキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクだ。

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スイングアームは「スカルプチャー ワイドスイングアーム」のオプション仕様。ホイールはO・Zレーシング製アルミ鍛造のGASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズを履く。

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リヤブレーキはブレンボCNC P2 34キャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。排気系はナイトロレーシングだ。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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