ベースへの信頼性が高いから各部にこだわって作り込める
ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCMによるNinja。これも“スポーツパッケージNew TYPE-R スタートエディション”の2020年仕様を元にして、さらにカスタム化を図ったという1台だ。
このスタートエディションでは、まずエンジンをリフレッシュ。バルブガイド打ち替えやバルブ製作等についても既にメニュー化されているし、クランクのダイナミックバランスやジャーナルラッピング。シリンダーの内圧検査、またモリブデンコーティングなどの表面処理も同様で、いずれも効果ありと判断して取り込んできた。今後のことになるが、同社の精密加工部門の充実化によって、内燃機加工や組み立ても進化させられる。ただレストアするのでなく、ファインチューンンのレベルを超えたエンジンが積まれると考えていい。
一方の車体側は、RCMでは17インチハイグリップでリヤはワイドタイヤを履くことを前提にしている。ニンジャでも同様で、そのためのディメンション設定とそれにともなう加工は2005年頃という早い段階にノウハウ化されている。ただ、元車両の見直し箇所が増えた。
![画像1: ベースへの信頼性が高いから各部にこだわって作り込める](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/39772c73985e9010ac782b19fd82eb6488ec49de_xlarge.jpg)
「アッパーカウルを見るとウインカーまわりに立ちゴケでへこんだ跡が見られる。ニンジャお約束のサイドカバーの爪の割れや折れ。燃料タンクの中は真っ赤……というのは当たり前になりました。
そこから車体を再構築します。まあおさらいみたいなお話ですが、まず大事なフレームではドライブチェーンのインライン処理を行います。リヤ17インチ/ワイド(180)タイヤ化すると、リヤタイヤセンターからスプロケット座面の距離が95→103mmになる(8mm外側に行く)。その時にフレームのピボット左に伸びるパイプに溶接されたステップの取り付けナット部にチェーンが干渉する。ここはかつてはスイングアーム左にスライダーを付け、チェーンを少し上げてテンションをかけ、ドライブローラーとで逃がしていました。
それを、New TYPE-Rでは改善しています。フレームの干渉部分を外側に延長してチェーン軌道を確保。そうするとスライダーを使わないで済み、ドライブチェーンを持ち上げていた分の抵抗が減らせました。この加工は前後17インチホイール化では最初にやりたいし、後からは施工しにくい。それがベース車の全バラが必須となったこともあって、フレーム単体の状態でできる。
フレーム前端のアッパーカウルステー取り付けボスも、だいたいダメになっているので再生・補強します。このふたつの点でも、ニンジャ17インチ進化版としてNew TYPE-Rを捉えてほしいです。同時にフレームがパウダーコート仕上げもできるメリットも出ます」
![画像2: ベースへの信頼性が高いから各部にこだわって作り込める](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/98d978a46e99a179d156900defa39be99ccf3313.jpg)
足まわりパーツも進化を続けているから、それを装着するベースとなるフレームはこうなる……という参考になればと、中村さんはベーシックな部分を改めて教えてくれる。
これらがスタートエディションの段階で施されている。つまり新車+最適化を施したような状態のニンジャが選べる。前後17インチホイール仕様で、今後変わるだろうパーツ群にも対応していける構成、かつ内容も把握されている。そこをベースに各部パーツを換装し、他にないワインレッドカラーを施す。さらに初期型GPz900Rのエンブレムも入れる。ベースが長く楽しめると分かっているから、細部にまでこだわりを盛り込んでいけるし、実際にそれらを施した1に仕上がっているのだ。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/c67e35c95b3adc06e1fabb539fa6270e3aede700.jpg)
スクリーンはナイトロレーシングで、メーターはノーマルにヨシムラ・プログレスメーターを追加。ハンドルはPOSHのスーパーローバー。左右マスターシリンダーはともにブレンボ・レーシングラジアルでフロントブレーキがφ19、クラッチがφ16を使う。ステアリングステムはスカルプチャーTYPE-1だ。
![画像2: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/7f3969218eeb219869a4be2754e243fdb7d413d4.jpg)
シートはデイトナ・RCMコンセプトシート。特徴的なワインレッドカラーのボディは各部ロゴ等と合わせて奥進で塗装される。
![画像3: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/01ea7a49d0c7e2284f6b15e1ce25444df2659bd3_xlarge.jpg)
エンジンはヴォスナーφ73mm鍛造ピストンによる[STD:908→]920ccで、シリンダーは水圧検査後ボーリング。クランクのダイナミックバランスやジャーナルラッピング、クランクケースのポンピングロス低減加工、バルブガイドのTYPE-R用オーバーサイズ品換装等のメニューも施され、外観はガンコート。ワイドラジエーター&ハイマウントオイルクーラーKITはナイトロレーシングだ。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/05c5e2ca9fb8f9d0859e93a1ac6cd2d54237a075.jpg)
キャブレターはヨシムラTMR-MJNφ38mmをデュアルスタックファンネル仕様で使う。点火系はASウオタニのSPⅡユニットで強化&確実化する。
![画像5: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/3dabf6ae403b220512b979f08f222e9a171b61f5_xlarge.jpg)
フレームはRCMニンジャNew TYPE-R共通の仕様で、ナイトロレーシング・コンビネーションキット(ダウンチューブ)&ステップも装着する。
![画像6: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/efac4b2268ddde0949fd6e05758f73c5727b55c5_xlarge.jpg)
フロントフォークはオーリンズRWUで、フロントフェンダーはナイトロレーシング天吊りフェンダーKITのカーボン。フロントブレーキはブレンボ.484キャリパー+サンスターRCMコンセプトφ320ディスク。ホイールはO・ZレーシングGASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズを履く。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/eb3b34e46a660757e7b9fe84dfce7b1da6ffbda6_xlarge.jpg)
リヤブレーキはブレンボCNC P2 34キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングφ250mmディスク。マフラーはナイトロレーシング・ウエルドクラフトチタン3D EX(ショートテール)で、サイレンサーはナイトロレーシング・グレネードチタンV3をセット。
![画像8: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/08/15/2ab5d0a4d5a95e20497876d567f6087bf417de6f_xlarge.jpg)
スイングアームはスカルプチャー・ワイドスイングアームのブラックコート仕様でブロックスタビライザーも追加している。リヤショックはオーリンズの17インチ専用(KA203)。ブラック×ゴールドのドライブチェーンはエヌマのEK530RCMを装着している。