文:中村浩史/写真:松川 忍
ホンダ「レブル1100 DCT」ライディングポジション・足つき性

シート高700mmと、690mmのレブル250、500とほぼ同等。ライディングポジションが楽なのと、足つきが素晴らしくいいこともレブルシリーズの人気の秘密だろう。
写真のライダーは178cm、80kg。ハンドルは低めでアップハンドル感は少なかった。

ちょっと気になった!
ライディングポジションは250、500同様だが、DCT車は足を下ろすあたりにクラッチカバーが張り出し、ふくらはぎ部にあたるのが気になった。ステップ位置もバー1本分前にあると、取り回しでスネを強打しなくて済む。

ホンダ「レブル1100 DCT」各部装備・ディテール解説

エンジンはアフリカツイン系、270度クランクの1082cc水冷並列2気筒。アフリカツイン同様、マニュアルミッションとデュアルクラッチトランスミッション(DCT)の2タイプが設定されている。アフリカツインに比べ、出力は抑えめに設定されているが、並列2気筒とはいえVツインのような鼓動感を味わうことができるエンジンだ。

乗り味は、まさにアフリカツインのパワフルさの表情を色濃く残したもので、出力を抑えているとはいえ、力強く自然なパワーフィーリングとしている。270度クランクの不等間隔爆発のパルス感は、アメリカンの定番であるVツインエンジンのようにも感じられる。パワーモードはスタンダード/スポーツ/レイン/マニュアル設定の4モードを任意に選択できる。

排気量チューニングも受けたマフラーは、消音されすぎていない、太く低いサウンドを聞かせてくれる2in1マフラー。排気口出口は縦配置のデュアルデザイン。

フレームワークの美しさも考えられたΦ35mmの鋼管スチールパイプをメインフレームとし、ダウンチューブを持たず、エンジンを吊り下げるダイヤモンド構造とした。スイングアームはΦ50.8mm(250/500はΦ45mm)の丸パイプを採用し、車重とパワー増に対応している。

ブレーキはABSを標準装備。Φ330mmのフローティングディスクとモノブロックのラジアルマウントキャリパーを使用し、剛性感があるカチッとした効き味だ。

レブル250、500よりも太い丸パイプスイングアームに、サブタンクつきのリアショックを組み合わせる。ショック本体はプリロード調節が可能で、荷物積載やタンデムに合わせられる。

レブル250の現行型と同様に、インナーレンズ直射式の4灯LEDを採用したヘッドライト。ライトとウインカー外周部にデイライトランプを装備し、ポジションランプとする。

ギアポジションも表示する液晶メーター。燃料計の下はパワーモードを表示し、切り替えるとトラクションコントロール、エンジンブレーキ効きもセットで変化する。

プレスラインを露出させないフランジレス製法として上質感を強調するフューエルタンク。容量は13Lで、この取材での実測燃費は約300km走行して約18.5km/Lほど。

立体的に座面の広いサドル型シングルシート。タンデム部は面積こそ小さいが、充分な厚みがあり、純正アクセサリーに設定されているバックレストを装備すればタンデムも快適だ。

シート下に小物入れとETC車載器があり、USBソケットも標準装備。シート裏にヘルメットフックがあり、そのまま取り付けることでヘルメットホルダーとなる。

ホンダ「レブル1100 DCT」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2240×830×1115mm |
ホイールベース | 1520mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 700mm |
車両重量 | 233kg |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 1082cc |
ボア×ストローク | 92.0×81.4mm |
圧縮比 | 10.1 |
最高出力 | 64kW(87PS)/7000rpm |
最大トルク | 98N・m(10.0kgf・m)/4750rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 電子式6段変速 |
キャスター角 | 28°00′ |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 130/70B18・180/65B16 |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 121万円(消費税10%込) |
文:中村浩史/写真:松川 忍