ミドルクラスの魅力のひとつが選択肢の多さ。アドベンチャーカテゴリーで注目なのがテネレ700。本格ビッグオフだが、扱いやすさに定評がある1台なのだ。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

ヤマハ「テネレ700」インプレ・解説(宮崎敬一郎)

画像: YAMAHA Ténéré700 総排気量:688cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:875mm 車両重量:205kg 税込価格:126万5000円

YAMAHA Ténéré700

総排気量:688cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:875mm
車両重量:205kg

税込価格:126万5000円

スキルに関係なく楽しい「ワクワク」させる1台

テネレはオフロード指向の強いミドルアドベンチャースポーツ。さすがに小柄なライダーでも簡単に…とは言えないが、そのサイズに慣れさえすればすばらしく扱いやすい。

まずエンジン。これはMT-07と同じ688ccのCP2ユニットを積み、72馬力を発揮する。パワーモード切り換えやトラコンなどの装備は一切なく、あるのはABSだけ。でも、扱いにくさはまったくない。低中回転域からトルキーでレスポンスは滑らか。わざと滑らすような操作も意のままに行える。

ビッグオフローダーと言うだけで、大柄で屈強なライダーしか扱えないシロモノ…などと想像するかもしれないが、ふつうに流すペースであれば抜群の走破性を発揮する。ホイールトラベル200mm越えの前後サスは威力絶大。

画像: ヤマハ「テネレ700」インプレ・解説(宮崎敬一郎)

純粋なオフローダーとして見ると、少し硬めのバネをベースにセットアップしてあるように感じるが、オンオフともに乗り心地はいいし、車体から伝わる衝撃に硬さがないので、走っていて気楽。スキルの高いライダーでなくともなじみやすく、この頼感と身軽さは「ビッグオフは手強い」というイメージを払拭してしまうだろう。

さらに、このテネレ700はツアラーとしての魅力も山盛りだ。エンジンはオンでも扱いやすく快活で静か。峠道も元気に走るし、高速道路での直進安定性はツーリングスポーツなみ。大柄な車体だが、追い越しも十分強力。振動にいたっては、CP2エンジンを搭載するシリーズでもっとも少ない。乗り心地もよく、オンでの長距離移動はリッタークラスのツアラー以上の快適さだと思う。

扱いやすくて、使いこなせばオフでの優れた走破性と意のままになるハンドリングを楽しめる。行き着いた先が酷路でもワクワクしながら楽しめるワークブーツのような1台。それがテネレ700だ。

This article is a sponsored article by
''.