1998年に、ワインディングロード最速のコーナリングマシンとして登場したR1。世界をリードし続けるR1の変遷史を当時の試乗記をもとに振り返ってみよう。この記事では2009年型を紹介する。
ヤマハ「YZF-R1」(2009・14B)各部装備・ディテール解説

デザインの基本コンセプトはR1が持つ優れたパフォーマンスを美しく視覚化すること。

ホイールベースやキャスター/ トレール、フォークオフセットには変更を受けていない。
6代目・第3世代R1のフレームはシリンダーヘッド前方に大型エンジンハンガーを配し、エンジンへの剛性部材としての依存度を高めている。国内仕様ではエンジン左側に遮音板である樹脂カバーが取り付けられている。
完全新設計で3世代目となったエンジンは、よりビッグボアに。YZR-M1で開発されたクロスプレーン型90度位相のクランクシャフトが採用された。
YCC-Iは9400回転を境にファンネル長を2段階に切り替え、あらゆる回転域で理想的なパワー特性が得られる。
フロントフォークは右が伸側、左が圧側の減衰力を分担して受け持つ。ブレーキは6ピストン4パッド対向キャリパー。
リンク比を変更したリアサスは厚側減衰の2ウェイ調整機能付きユニット採用のボトムリンク式。
プロジェクターヘッドライトとエアインダクション吸入口を一体化。外側にスモールランプを設けている。
スロットル開度表示を設けるなど、メーターは多機能。シフトインジケーターは7000〜1万5000回転で設定できる。
カウルはレイヤー構造を織り込んだデザインで、カウル表面と冷却に関わる内部の空気の流れを視覚的に表現。
シートはライダーの内股が当たる部分をカットした形状。835mmというシート高を感じさせない足着き性を確保。
ヤマハ「YZF-R1」(2009・14B)主なスペック
全長×全幅×全高 | 2070×715×1130mm |
ホイールベース | 1415mm |
シート高 | 835mm |
車両重量(装備) | 206kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 998cc |
ボア×ストローク | 77.0×53.6mm |
圧縮比 | 12.7 |
最高出力 | 182PS/12500rpm |
最大トルク | 11.8kgf・m/10000rpm |
燃料タンク容量 | 17.5L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |