機種は異なっても見極めと作業手順は同様に行う

「このカワサキ・ゼファー750は元々当店で製作した車両です。それを今風にアップデートしたんですよ。今の排気量は810ccです」とブルドック・和久井さんが言うこの車両。いつものZ系ではないものの、エンジンチューニングやパーツセレクト/セッティングは当然ながら同店コンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)の手法が施されている。比較的高年式の車両ともあって、空冷Zの場合のようなフレーム補強や電装系の手直しといった作業は施さずに済んだが、そう判断できるのも、しっかりとした見極めあってのことだ。

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スタイリングもオリジナルのマッコイ・ビキニカウル+タイガーカラーで、シャープなZというイメージさえ作り出している。聞けばこの車両、同じようにビキニカウル仕様で作られたGT-M・Z1と一緒に入庫し、2台で楽しめるようにと今回手が入ったという。ゼファー750はZ750FXⅡ/Ⅲ系で、言わば空冷Zの遠縁。ならば目指す方向性は明確だ。軽量化やパワー特性の変化もきっちり計算に入れて作動特性を車両に合わせ込んだサスまわりほか、GT-Mの手法はここでも十分以上に有効になる。

基本的に長く楽しめるという作りを持つGT-M。その内容がスタイルも含めて古びない、常に新しいものとして感じられるということも納得できる1台となっている。

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ゼファーに関しては1100でもGT-Mの製作例は複数あるし、ブルドックではゼファー1100用6速クロスミッションを早くから開発・販売し、高い人気を得ている(これはむしろ定番パーツと言ってもいい)。ロング気味のノーマル5速から上質でスポーティになる。つまり今後の楽しみをもっと広げるミッション。こうしたパーツ動向にも引き続き注目しておきたい。

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特徴となるビキニカウルはマッコイで、ドレミ製ゼファー750用Z2 Style燃料タンクとともにタイガーパターンで仕上げられ、一体感を高めている。

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メーターはオリジナルパネルの中央にPIVOT回転計を置き、左下にモトガジェット速度計、右下にヨシムラ・プログレスメーターをレイアウト。ウイングタイプトップブリッジのステムはマッコイ、フロントマスターはゲイルスピードをチョイスした。

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シートはライダーに合わせて形状を変更し表皮等も変更。カスタムでありながら自然に使えるという部分はこうした細部からも窺える。

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外観も含めてGT-Mの手法できっちり仕立てられたエンジンは810cc化し、カムはヨシムラST-1、排気系はフルチタン。オイルクーラーはアクティブ・ラウンドタイプで下入れ/下出し。このラインや配線類は他に影響しないように配慮して、きれいに取り回される。

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キャブレターはFCRφ35mmをセット。キャブの種類や仕様(MJNやデュアルスタックファンネル)については、オーナーの好みで選べる。

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フロントフォークはオーリンズ[純正値:41→]φ43mmで、フロントブレーキはブレンボ・ラジアル4ピストンキャリパー+サンスターディスクを組み合わせる。

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スイングアームはマッコイ・5角目の字断面アルミ。ステップもマッコイだ。リヤショックはハイパープロで、ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードType-Sをチョイスした。

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前後ホイールサイズは[純正値:3.00-17/4.00-17→]3.50-17/5.50-17に変更。リヤブレーキもブレンボ2ピストンキャリパー+サンスターディスクへと換装されている。

取材協力:ブルドック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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