イタリアが生んだ老舗ブランド・ベネリがいよいよ日本上陸。このレオンチーノはDOHCシングルエンジンを搭載するストリートスポーツで、かつての名車の名前を冠した意欲作だ。乗り心地から各部装備まで徹底的に解説しよう。
文:太田安治、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:森 浩輔、南 孝幸

ベネリ「レオンチーノ250」インプレ・解説(太田安治)

Benelli LEONCINO250

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:800mm
車両重量:162kg

メーカー希望小売価格:税込54万8900円

パンチの効いた特性でストリートでも楽しい

プロトが正式に輸入販売を開始したベネリブランドのオートバイは現在4機種あるが、ストリートライドに最適なのがレオンチーノ250。イタリア語で「小さなライオン」を意味する車名も、愛らしい車体デザインと元気いっぱいの走行性能にマッチしている。

ベネリのラインアップではスクランブラーの扱いだが、車体構成とルックスはストリートファイター的。軽い前傾ポジションで体に負担が掛からないので162kgという車重よりも軽く感じるし、足着きも上々。ライダーのスキルや体格を問わず気軽に乗れる。

好印象だったのがエンジン特性。パワー感を堪能できるのは6000〜9000回転あたりで、この範囲ではスロットル開度による加速/減速の反応がクッキリしているうえ、力強い吸排気音を響かせるので、市街地走行の速度域でもスポーツ性を感じさせる。これはボア・ストローク比が大きく、圧縮比を高く設定したエンジン設計の妙だろう。

9000回転を越えるとパワー感は薄れるが、ストリートでそこまで引っ張る必要はないので現実的には気にならず、むしろCB250Rやジクサー250よりもパンチの効いた特性に惹かれる。

ちなみに6速・100km/hは約6000回転。細かな振動はあるが手足がしびれたりするほどではない。最高速はメーター読み150km/h程度で、高速道路の120km/h区間でも余裕がある。

写真のライダーは木川田ステラ。

市街地走行に適した設定はハンドリングも同じ。車体全体の剛性は高めながら、スイングアームピボットとステアリングヘッドパイプ回りが適度にしなるのでガチガチ感がない。

サスペンションは締まったフィーリングでギャップ通過時はリアからの突き上げが大きめだが、接地感が掴みやすく、荒れた路面や深いバンク角での旋回も不安なし。見た目の印象から俊敏な動きを想像するが、実際は直進安定性重視のハンドリングだ。

画像: ベネリ「レオンチーノ250」インプレ・解説(太田安治)

街乗りからツーリングまでをソツなくこなすキャラクターだが、僕がオーナーなら、前後サスペンションをもっとしなやかに、ブレーキの初期制動力を上げる方向でセッティングし、タイヤを衝撃吸収性の高い製品に交換して街乗りでの快適性を高めたい。そんな想像をさせるのもレオンチーノの設計思想、素性がいいからだろう。

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