新しい時代のストリートスポーツとして、登場したスズキのカタナ(KATANA)。現代流のブラッシュアップを受けた新型への期待も高いが、デザインアイコンとなったヘリテイジ、元祖カタナ=空冷GSX1100Sの再認識も行われつつある。新型には期待をよせつつ、元祖の衰えない威光をどう今の時代に楽しむかを考えていこう。 
 
この記事は月刊『Heritage&Legends』2019年7月号に掲載されたものを転載しています。

時代に応じた解釈を受け現れた新KATANA

2018年10月のEICMAで発表され、国内でも発売されたニューKATANA(以後英字表記はこの新型、1100Sはカタカナ表記)。高いオールラウンド性で評価を得たGSX-S1000を元に、スズキのアイコンとしてのGSX1100Sカタナの外観を現代流に研ぎ直して送り出された。

1980年代初頭の4ストビッグバイク発展期には旗艦として、高速スポーツツアラーとしての役割が持たされたカタナだったが、以来40年近くが経ち、環境も、ニューKATANAに求められるものも変わってきた。バイクそのものの完成度が高まっているから、何に特化するべきか。これから先にKATANAブランドを築き上げる上で古びない装備とデザインはどうか。それらを総合したスズキの答えが、このモデルなのだ。

ミドルクラスよりも余裕があり、ステイタスも高い1000㏄で、MotoGPマシンにも通じる直列4気筒。パワーやライダーの操作をきっちり路面に伝えるアルミフレーム。アップハンドルはその操作に集中しつつ、無理を強いないために採用されている。 新しいデザインに、間違いのないスポーツバイクの作り込み。ここはカタナにも、KATANAにも共通した点と言っていい。

旗艦+独自形状で生まれた旧型カタナ

1976年のGS750、1978年のGS1000で4ストでも定評を得たスズキが1980年のIFMA(ケルンショー)にプロトタイプを出展、’81年末から’82年型GSX1100S[Z]として展開したのがGSX1100Sカタナ。GSを4バルブ化した旗艦GSX1100Eに独自の外装をまとった。数度の再生産を行い、2000年の1100台限定車、ファイナルエディション[SY]で生産を終了。1.85-19/2.50-17ホイールや1074.5㏄(φ72×66㎜、111ps[一部95or105ps])の直4エンジン等を備えた。

画像1: 旗艦+独自形状で生まれた旧型カタナ

▲1980 GSX1100S PROTOTYPE

画像2: 旗艦+独自形状で生まれた旧型カタナ

▲1982 GSX1100S KATANA

画像3: 旗艦+独自形状で生まれた旧型カタナ

▲2000 GSX1100S KATANA FINAL EDITION

求められたスタイルをストリートスポーツで表現した新型KATANA

画像1: 求められたスタイルをストリートスポーツで表現した新型KATANA

M0、つまり2020年型という扱いでのニューKATANA。キャスター25度、トレール100㎜、ホイールベース1460㎜にシート高825㎜という数値は現代スポーツモデルの標準と言っていい。ホイールサイズは3.50-17/6.00-17でタイヤは120/70ZR17・190/50ZR17。エンジンはGSX-R1000K5がルーツのGSX-S1000用直4・999㏄(φ73.4×59.0㎜)で149.6ps/10000rpm(輸出仕様のデータ)。車両重量215㎏も軽い部類で、扱いこなすことを重視している。タンク容量は12ℓ。

画像2: 求められたスタイルをストリートスポーツで表現した新型KATANA
画像3: 求められたスタイルをストリートスポーツで表現した新型KATANA
画像4: 求められたスタイルをストリートスポーツで表現した新型KATANA

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