ホンダ「CRF250L」インプレ(太田安治)
![画像: Honda CRF250L 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 シート高:830mm/〈s〉は880mm 車両重量:140kg 発売日:2020年12月17日 メーカー希望小売価格:59万9500円(消費税10%込)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/9907fa15d8a0b6863ec9f06a5280a6256c9314cd_xlarge.jpg)
Honda CRF250L
総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:830mm/〈s〉は880mm
車両重量:140kg
発売日:2020年12月17日
メーカー希望小売価格:59万9500円(消費税10%込)
走り始めた途端に感じる驚くほどの軽さ
新型CRF250シリーズの事前説明で軽量化が重要なテーマだと聞いたが、押し歩きでは「少し軽くなったかな」程度の差。ところが走り始めた瞬間に「えっ?」と驚いた。10kg、いやもっと軽く感じて、とことん扱いやすいのだ。スペック上では新型と前モデルの重量差は4kgだから、この軽いフィーリングの理由は何か? 市街地、高速道路、ダートをひととおり走って判ったのは、エンジン特性、オートバイの重心位置、フレームの剛性バランスの合わせ技ということだった。
24馬力というエンジンの最高出力は前モデルと同じ。しかしパワー特性はまるで違う。クラッチを繋いでスロットルを開け始めたときの加速が力強く、2000〜4000回転のパワーが分厚い。前モデルより排気量が10%程度増えたような感覚で、1速高いギアでもタカタカッ! と小気味いい排気音を響かせて加速するし、ダート路面では低めの回転からでもリアタイヤをスライドさせやすく、スライド量のコントロールもしやすい。
![画像1: ホンダ「CRF250L」インプレ(太田安治)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/49cdb0f7511408a0ab33773ee77ca3b66ceefd76_xlarge.jpg)
中高回転域ではスロットル開度に忠実に反応してフラットに回転が上昇する。前モデルは9000回転を越えると回り方が重ったるくなったが、新型は10500回転のレッドゾーンまでフリクションやイナーシャを感じさせず軽やかに伸びる。新型のエンジンは低回転からトップエンドまで「改良」で片付けられるレベルではない進化を遂げている。
このパワー特性をさらに活かすのが6速ミッションのステップ比変更。2〜5速が前モデルよりショート(加速重視型の低いレシオ)になり、発進から60km/hあたりまでの繋がりがスムーズ。林道では低回転パワーと伸びの良さに助けられ、2〜3速だけで事足りる。6速はクルージングに割り切ったロングレシオ設定で、100km/h時でも約6000回転だからせわしなさはない。ちなみに5速だと7200回転に跳ね上がる。
![画像2: ホンダ「CRF250L」インプレ(太田安治)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/d50f98bb668facaad9116c5e64bc85188116d6c6_xlarge.jpg)
走行中、特に林道では身のこなしが軽く、ギャップの吸収性が上がっていることを実感する。フレームの剛性バランス変更と前後サスペンションがしなやかに大きくストロークすることで、前モデルで感じたフロント回りの硬くて重い感触は消え、ギャップ越えで車体が弾かれる量が明らかに減った。これは前モデルの「LD」に相当するスタンダードでも同じで、相当ハードに攻めない限りネガは感じない。トレッキングレベルなら何の不足もない足回りだ。
ホンダ「CRF250L」足つき性・ライディングポジション
![画像: ホンダ「CRF250L」足つき性・ライディングポジション](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/bb67957f4efa293e545e698d3728d56eb0533d89_xlarge.jpg)
ホンダ「CRF250L」「CRF250ラリー」は車高が異なる2グレードをラインアップ
足着き性を確保しつつも、前モデルより大幅にサスストロークをアップしたスタンダードと、さらに前後のサスストロークを伸ばした<S>。どちらも選べるのは国内仕様のみだ。
スタンダードモデルの足つきチェック
シート高:830mm
ライダーの身長:163cm
![画像1: ホンダ「CRF250L」試乗インプレ|新型2021年モデルの街乗り・高速道路・オフロード性能と足つき性を解説!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/e328588178e22e65863ef40d41bbd294607c04f3_xlarge.jpg)
![画像2: ホンダ「CRF250L」試乗インプレ|新型2021年モデルの街乗り・高速道路・オフロード性能と足つき性を解説!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/5c02129b03ab415ede2eb414a68bdf3950abf48a_xlarge.jpg)
最低地上高は前モデルより上がったが、シート高830mmは前モデルと同じ。身長163cmの女性だと、バイクを直立させればこのようにつま先が接地、取り回しや停車時に不安定な状態になることも少なそうだ。
〈s〉タイプの足つきチェック
シート高:880mm
ライダーの身長:163cm
![画像4: ホンダ「CRF250L」試乗インプレ|新型2021年モデルの街乗り・高速道路・オフロード性能と足つき性を解説!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/d99bf2dbc2ff244710c57c09884a78237bd4d52b_xlarge.jpg)
![画像5: ホンダ「CRF250L」試乗インプレ|新型2021年モデルの街乗り・高速道路・オフロード性能と足つき性を解説!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/743ce6fb72db8d3ff3a773485e5b66c8e7e6ae10_xlarge.jpg)
CRF250Lの場合で880mm、ラリーなら885mmになる<S>モデルはさすがにシートは高い。身長163cmだと両足のつま先は接地せず、お尻をずらして片足が着く状況。ただ、これはサスがしなやかで、沈み込みが大きいおかげでもある。
ホンダ「CRF250L」タンデム(2人乗り)チェック
![画像: ホンダ「CRF250L」タンデム(2人乗り)チェック](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2021/03/10/3db945713140eb57148b33a4e1c987a5bc985a06_xlarge.jpg)
ライダーとの密着度は高めですが、タンデムシート自体が細くてフラットで、急加速をするとお尻が後ろにズレやすいので、タンデムは短距離向き。ライダーさんは優しく運転してあげてくださいね。(国友愛佳)
ホンダ「CRF250L」主なスペック・価格
※ 《 》内は〈s〉タイプ
全長×全幅×全高 | 2210×820×1160《2230×820×1200》mm |
ホイールベース | 1440《1455》mm |
最低地上高 | 245《285》mm |
シート高 | 830《880》mm |
車両重量 | 140kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 249cc |
ボア×ストローク | 76.0×55.0mm |
圧縮比 | 10.7 |
最高出力 | 18kW(24PS)/9000rpm |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/6500rpm |
燃料タンク容量 | 7.8L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27゜30' |
トレール量 | 109mm |
タイヤサイズ(前・後) | 80/100-21M/C 51P・120/80-18M/C 62P |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 59万9500円(消費税10%込) |
文:太田安治・国友愛佳/写真:柴田直行、南 孝幸