美しさは細かい配慮と作り込みの現れ
この空冷カタナ=スズキGSX1100Sはブライトロジックによるカスタム車両。7月24日に本稿で紹介したKATANAカスタム同様に、’20年東京モーターサイクルショーのラボ・カロッツェリアブースに展示予定だった。2台のKATANA&カタナは「同じブラックボディにブラックで同デザインのMAGTANホイール、アルミ地シルバーのスイングアームや白いウインカーレンズで共通性を持たせたんです。一方で、新型KATANAは倒立フロントフォーク+リヤ・モノサス。空冷カタナは正立フォーク(カラーもブラック)+2本サスというように対比させています」とブライトロジック・竹中さんは言う。
新型の方には空冷カタナのようなすらりとしたイメージも盛り込んでいた。一方でその元となった空冷カタナは、ブライトロジックが常々から送り出している車両に共通のメニューが施される。
そのメニューはフレームの見直しと修正・再塗装。そしてステムまわり、スイングアームピボット部、ホイールまわりのベアリングと付随するシール&ラバーパーツの新品交換。エンジンもチェックと必要に応じてのオーバーホールなどといった、ベーシックなもの。こうして書き出すとごくごく普通のことながら、精度良く、かつ的確に行うことで良好なベースが出来上がり、以後車両を構築するために使われるパーツ個々の機能が十分以上に生かされることになるのだ。
この車両もそうした手順を踏みつつ、ピボットまわりの補強やレイダウン加工も加え、さらにパーツも“何がライダーに取って必要なのか”を的確に見抜いた上でセレクト。スズキ純正流用のCVKキャブレターも「カタナが扱いやすくなる」(竹中さん)という同店定番だし、前後18インチホイール化も、そこにMAGTANを履くのも同様。スイングアームやサス、ブレーキ、シートまでも同様に、精度やタッチも考慮してのものだ。
単に色味やパーツを揃えて対比しただけではない。新車に近い、あるいは各部のスープアップも含めてそれを超えた状態を提供できるからこそ、それが際立つ。もちろん単体の車両として見れば、この美しい立ち姿はそうした細かい作り込みの反映だと思えるのだ。
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