ラフロードから離れ、オールラウンダーとしての機能を搭載し、より身近なキャラクターへ。ハードルが高く感じる本格アドベンチャーが、そっと寄り添ってくれる喜び。

撮影:松川 忍 文:濱矢文夫/小松信夫/編集部

アドベンチャールックでロードを往くオールラウンダー!

画像1: アドベンチャールックでロードを往くオールラウンダー!

特徴的なフロントマスクが目立つ、ツアラーとしての機能性を追求したスタイリングの大柄な車体に、最高出力160㎰という強力な1301㏄水冷Vツインエンジンを搭載。

ライダーをサポートする最新の電子制御デバイスなどの充実した装備も合わせて、どこまでもスポーティで力強く、しかも快適に走り続けられる。

画像2: アドベンチャールックでロードを往くオールラウンダー!

スーパーアドベンチャーSはフロント19・リア17インチのキャストホイールという、オンロード重視の足周りを与えられたモデル。

車体とエンジンはそのままに、フロント21・リア18インチのスポークホイールとオフロード向けタイヤを装着、ヘビーデューティ仕様のスーパーアドベンチャーRも存在する。

ライダー好みのセッティングもボタンひとつで思いのまま

「ハードルが高く感じる本格アドベンチャーが、そっと寄り添ってくれる喜び」

画像1: ライダー好みのセッティングもボタンひとつで思いのまま

スポーツライディングも視野に入れたポテンシャルを秘める

今や390からあるKTMアドベンチャーシリーズ、その堂々たる旗艦モデルがこの1290スーパーアドベンチャーだ。

このモデルには2つのタイプ、前が21インチで後ろが18インチのワイヤスポークホイールを履いた〝R〟モデルと、前が19インチ、後ろが17インチのキャストホイールを履いた〝S〟モデルがある。

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このホイールサイズの違いでも分かるように、〝R〟は、KTMがこれまで数々の成功をおさめてきたオフロードレースのノウハウを注ぎ込んだものだ。

それでは、この〝S〟はどういうモデルなのかが気になるところだ。より小径キャストホイールによりオンロード向けのタイヤを履いていることから、〝R〟とは逆に舗装路をメインにしている───それは間違いじゃない。

あちこち走り回って感じたのは、もっと大きく、自分たちが信じる究極のアドベンチャーモデルを目標にしたのではないかということ。

車名の数字は1290になっているけれど、水冷DOHC75度Vツインエンジンの実際の排気量は1301㏄。これをクロームモリブデン鋼製チューブラースペースフレームに搭載している。

23Lの燃料タンク容量も含んだボディに加え、試乗車には大きなパニアケースとトップケースが装着されており迫力満点。

今まで新旧様々なオートバイに乗らせてもらってきたけれど、身長170㎝と大きいとは言えない体型では、Uターンや狭い道でこの大きさを持て余すんじゃなかろうか? と思ったのがファーストインプレッションだった。

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ところが、エンジンをかけずにハンドルを掴んで押してみると意外なほど重くなくスルスルとタイヤが回転して動かすことができる。軽いとまではいかないけれど、見た目から予想した重さへの覚悟は拍子抜けだった。

またがるとVツインのメリットになるエンジンの横幅が狭いことに合わせたスリムなフレームもあって、ライダーの体が触れる部分が細身だ。シート高は低い状態にして860㎜だが、リアサスペンションの初期動作が柔軟なのもあって、数値より足つきが良い印象。

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エンジンの特性が選べるライドモードが、スポーツ/ストリート/レイン/オフロードとあって、ハンドルのスイッチで遠隔設定可能な電子制御サスペンションのダンピングのモードも、スポーツ/ストリート/コンフォート/オフロードから選べる。

だから足をもっと固め、エンジンのレスポンスも鋭いスポーティーな節度ある走りから、乗り心地を良くするために穏やかなエンジン特性と、当たりの柔らかいサスペンションでゆったり流して走る仕様まで好みによって乗り味を変更することが可能だ。

1290スーパーアドベンチャーSが持っている顔はひとつではなく、いろいろだ。それをライダーの、好みで簡単に選択できるのがミソだ。

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ダートを走る仕様の〝R〟は220㎜という本格的オフロードモデルなみのサスペンションストロークを持っている。それはさすがと思うけれど、よりストリート寄りの〝S〟でも20㎜少ない200㎜もある。

よってエンジン特性や足廻りの設定をオフロードモードにすれば、このまま十分にダートも走れる。

21&18インチホイールのオフロードマニアックなスーパーアドベンチャーRはある意味で使い方を割り切ったところがあるが、スーパーアドベンチャーSは本当の意味でいろいろな道で性能を発揮できるオールラウンダーを目指したものだといえる。

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事実として回り込むような低速ワインディングでも、気持ちがいいくらいの旋回ができる。

よく効いてタッチの良いブレンボ製ラジアルマウント4ピストンキャリパー+φ320㎜ローターを組み合わせたフロントブレーキで強い減速しても、サスペンションとフレームはかっちりそれを受け止め、そこからさっとリーン。

大きな車体から想像するより身軽で安定した動作でくるっと向きを変えて、立ち上がりは良好なトラクションでスムーズに加速していけた。

19&17インチという多くのアドベンチャーモデルが採用するオンとオフの中庸を狙ったホイールサイズながら、その振り幅が比較的大きいと感じられた。

他よりもっとオフ、他よりもっとオンをしっかり走らせようとしている姿勢が見て取れた。ポジティブな意味でかなり欲張っている。

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ひとたびスロットルを大きく開けると、160PS(118kw)に140ニュートンメートルのトルクによる加速は胸のすく速さ。スーパースポーツを彷彿とさせるほど吹け上がりは鋭い。

荷物を収めることができる大きな箱を3つも後ろに積んでいるから、セミアクティブサスペンションの調整をひとり乗りにしておくと、条件によってフロントの接地感が少し足りなく感じることがあった。

そこでメーターの[モーターサイクル]→[LOAD]から[1人乗車+荷物あり]を選択すると落ち着いた。このように工具を使わずオートバイに乗ったままで、様々にセッティングできる。

画像8: ライダー好みのセッティングもボタンひとつで思いのまま

実にKTMらしいところは、いろんなシチュエーションでしっかり走れて、快適で、機能的なデュアルパーパスツアラーとしてきっちり作りながら、その乗り味と動きから他より断然スポーティーにするという意気込みが伝わってくること。

同ブランドがいつも使っている有名な〝READY TO RACE〟のスローガンは、この大排気量アドベンチャーモデルにも当てはまる。とにもかくにもスポーツライディングが好きなライダーの心をにくいくらい刺激するのである。

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1290 SUPER ADVENTURE S detail

画像: 1290 SUPER ADVENTURE S detail

SPECIFICATIONS 1290 SUPER ADVENTURE S
全長×全幅×全高:-㎜
ホイールベース:1560±15㎜
シート高:860/875㎜
車両重量:222㎏(乾燥)
エンジン形式:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ
総排気量:1301㏄
ボア×ストローク:108×71㎜
最高出力:160PS
最大トルク:140Nm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:23L
変速機形式:6速リターン
タイヤサイズ前・後:120/70ZR19 ・170/60ZR17
価格:203万6100円

画像: 6.5インチサイズという大型の液晶メーターパネルは、アンチグレア加工や輝度の自動調整機能などにより直射日光下でも優れた視認性を発揮する。スピードや回転数、燃料残量といった基本的な表示に加えて、外気温、油温、バッテリー電圧、トリップメーターなどの多彩な情報、そして各種のライディングモードの状態や設定などにも使用される。

6.5インチサイズという大型の液晶メーターパネルは、アンチグレア加工や輝度の自動調整機能などにより直射日光下でも優れた視認性を発揮する。スピードや回転数、燃料残量といった基本的な表示に加えて、外気温、油温、バッテリー電圧、トリップメーターなどの多彩な情報、そして各種のライディングモードの状態や設定などにも使用される。

画像: ハンドルバーはクランプの位置を変えることによって、前後に10㎜動かせる。加えて5段階の位置が選べるレバーと合わせて、ライダーの体格や好みに合わせてライディングポジションを細かく調整でき、快適性やコントロール性を高められる。アシストシステムの設定はハンドル左側のスイッチを用いて簡単に行える。

ハンドルバーはクランプの位置を変えることによって、前後に10㎜動かせる。加えて5段階の位置が選べるレバーと合わせて、ライダーの体格や好みに合わせてライディングポジションを細かく調整でき、快適性やコントロール性を高められる。アシストシステムの設定はハンドル左側のスイッチを用いて簡単に行える。

画像: WP製倒立フロントフォークに装着された美しい細身のスポークが特徴の19インチキャストホイールは、高い剛性を備えつつ軽量な仕上がりで優れたハンドリングにも貢献。タイヤはピレリのスコーピオントレイル2だ。フロントブレーキはブレンボ製の対向4ポッドキャリパーとφ320㎜ローターを選択、ABSも組み合わせられる。

WP製倒立フロントフォークに装着された美しい細身のスポークが特徴の19インチキャストホイールは、高い剛性を備えつつ軽量な仕上がりで優れたハンドリングにも貢献。タイヤはピレリのスコーピオントレイル2だ。フロントブレーキはブレンボ製の対向4ポッドキャリパーとφ320㎜ローターを選択、ABSも組み合わせられる。

画像: コントロールユニットの捉えたストローク量や加速度などをもとに、サスの設定をリアルタイムに最適化するWP製のセミアクティブサスペンションを装備。状況や用途に合わせた「コンフォート」「ストリート」「スポーツ」「オフロード」を選べる。リアサスペンションもプリロードをソロ、タンデムなどの使い方に合わせて設定可能。

コントロールユニットの捉えたストローク量や加速度などをもとに、サスの設定をリアルタイムに最適化するWP製のセミアクティブサスペンションを装備。状況や用途に合わせた「コンフォート」「ストリート」「スポーツ」「オフロード」を選べる。リアサスペンションもプリロードをソロ、タンデムなどの使い方に合わせて設定可能。

画像: 巨体を力強く走らせる強力なVツインを搭載していることもあり、1290スーパーアドベンチャーはアドベンチャーツアラーに不可欠の航続性能を確保するため、23Lという大容量の燃料タンクが装着されている。大きなサイズにもかかわらずスマートさを失わず、なおかつ快適なポジションにも配慮した造形だ。

巨体を力強く走らせる強力なVツインを搭載していることもあり、1290スーパーアドベンチャーはアドベンチャーツアラーに不可欠の航続性能を確保するため、23Lという大容量の燃料タンクが装着されている。大きなサイズにもかかわらずスマートさを失わず、なおかつ快適なポジションにも配慮した造形だ。

画像: 長距離走行でも疲れない、適度なVツインらしいサウンドを発するエキゾースト。リアブレーキもブレンボ製キャリパーが装着され、φ267㎜ローターとともに優れた制動力とコントロール性を備えている。

長距離走行でも疲れない、適度なVツインらしいサウンドを発するエキゾースト。リアブレーキもブレンボ製キャリパーが装着され、φ267㎜ローターとともに優れた制動力とコントロール性を備えている。

画像: 車体との一体感を感じさせながら自由度も要求されるライダー側、安心できる乗り心地が何より求められるタンデム側を分離したセパレートデザインのシート。いずれも最先端の3D気泡パッドを使用することで、ロングツーリングでも極めて快適。シート高を860㎜、875㎜の2段階に調節できる。

車体との一体感を感じさせながら自由度も要求されるライダー側、安心できる乗り心地が何より求められるタンデム側を分離したセパレートデザインのシート。いずれも最先端の3D気泡パッドを使用することで、ロングツーリングでも極めて快適。シート高を860㎜、875㎜の2段階に調節できる。

画像: アドベンチャーツアラーとしてはトップクラスの最高出力160PSを誇る、強力な1301㏄水冷Vツイン。気軽な街乗りから高速長距離走行、さらにオフロードまで、さまざまな状況で豪快な走りを味わえるだけの懐の深さも持つ。強烈なバックトルクの影響を減らし、操作性も改善させるパワーアシストスリッパークラッチも装備される。

アドベンチャーツアラーとしてはトップクラスの最高出力160PSを誇る、強力な1301㏄水冷Vツイン。気軽な街乗りから高速長距離走行、さらにオフロードまで、さまざまな状況で豪快な走りを味わえるだけの懐の深さも持つ。強烈なバックトルクの影響を減らし、操作性も改善させるパワーアシストスリッパークラッチも装備される。

画像: メーターパネルの下には12V電源を供給するアクセサリーソケットが設けられている。さらにその右手には、USBポートも備えスマートフォンなどの収納に便利な蓋付きポケットもある。フロントフォークのトップから配線が伸びているのはセミアクティブサスの証。

メーターパネルの下には12V電源を供給するアクセサリーソケットが設けられている。さらにその右手には、USBポートも備えスマートフォンなどの収納に便利な蓋付きポケットもある。フロントフォークのトップから配線が伸びているのはセミアクティブサスの証。

画像: 個性的なスタイルを象徴する独特なデザインのLEDヘッドライトは、LEDを支える中央部をアルミ製とすることで、ユニット全体を効率よく冷却する。単にヘッドライトとしてだけでなく、傾斜角センサーと連動して明るさを3段階に調整するLEDコーナリングライトも内蔵されている。

個性的なスタイルを象徴する独特なデザインのLEDヘッドライトは、LEDを支える中央部をアルミ製とすることで、ユニット全体を効率よく冷却する。単にヘッドライトとしてだけでなく、傾斜角センサーと連動して明るさを3段階に調整するLEDコーナリングライトも内蔵されている。

画像: 標準状態でタンデムシートの横などに各種のオプションを装着するためのマウントが設けられているので、安心して大量の荷物を搭載できる専用のパニアケースやトップケースの装着も簡単に行える。LEDを光源とするテールランプとウインカーは十分な明るさを確保。

標準状態でタンデムシートの横などに各種のオプションを装着するためのマウントが設けられているので、安心して大量の荷物を搭載できる専用のパニアケースやトップケースの装着も簡単に行える。LEDを光源とするテールランプとウインカーは十分な明るさを確保。

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