Z900RSが秘めるZのDNAを表に出す
2017年東京モーターショーでのZ900RS発表時には「Z900RSカスタムプロジェクト」による3台の車両が披露された。そのうち前後ホイールを17から18インチ化し、70年代のアメリカ、AMAスーパーバイクレースを走ったZのイメージで仕立てられたのが、ドレミコレクションによる1台。
日本製ネオクラシックの本質は73年登場のZにあると考える同社代表・武 浩さんがそのZにリスペクトを込めつつ、当時の雰囲気をZ900RSで再現したものだ。
とは言え、空冷の大きめなエンジンにスリムなボディのZ1と、現代的にコンパクトな水冷エンジンのZ900RSでは、元々のプロポーションが異なる。

そこにこれまで多くのZをレストアし、パーツを製作してきたドレミコレクションの技術と視点を。また同社がゼファーシリーズを手始めに進めてきた“コスプレ”路線、つまり外装変更キットで培ったバランス感を。このふたつで、ZとRSを近づけていった。
もちろん、今のバイクであるZ900RSに合わせるように、エンジンハンガーやステップはKファクトリーの協力を得てアルミ削り出し品を使って質感も高める。

「Z900RSもそうですが、今のバイクはどれもよく走る。ですから元の素性を生かして機能パーツで上質化、そしてコスプレで好きな形をカッコ良く作るのがいいと思います。誰からも変わった感を感じてもらえるはずですから」
と武さん。この路線、他にない楽しみを加えてくれているのだ。
▶▶▶ヘリテイジ&レジェンズが取材した最新のカスタム・バイクはこちら!
ドレミコレクション Z900RS 詳細説明

ケース側を加工してZ1の大径ヘッドライトを移植、ウインカーは大型のZ2タイプに変更し、細部からもZの雰囲気を構築。内部はLED化もされている。

ステアリングステムとハンドルバーエンド、ミラーホルダーはそれぞれKファクトリー製削り出しとして質感を高め、ハンドルバーもドレミ・スーパーバイクハンドルに換装。この車両を元に市販されたパーツも多い。

シートはスペシャル加工品で、足着き性にも配慮している。サイドカバーもドレミ・Z2タイプで、FIカバーはキャブレターのエアクリーナーボックスのようなプレーンタイプに変更。これらも市販化された。

STDより伸びてZに近いイメージを作るテールカウルはドレミ・Z2タイプ、ラインはAMA・Z1レーサーが元。丸いZ2テールランプもドレミ製で内部LED。

エンジンはZ900RSノーマルで、エンジン前から下にダウンチューブのように走るのがダミーフレーム。フレームプラグやアルミ削り出しのエンジンハンガー、ステップキットはKファクトリー製だ。

リヤショックはハイパープロ製で、車高調整機能も持たせている。
![画像: ホイールも当時のAMAレーサーを彷彿させる7本スポークのマグネシウム合金鋳造、モーリスマグ([3.50-17/5.50-17→]2.75-18/4.50-18サイズ。30万円)に換装。前後ブレーキディスクもサンスター製KRタイプにしている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2020/06/11/03a0580b78d22538352ac6a65224af791ece16ff_xlarge.jpg)
ホイールも当時のAMAレーサーを彷彿させる7本スポークのマグネシウム合金鋳造、モーリスマグ([3.50-17/5.50-17→]2.75-18/4.50-18サイズ。30万円)に換装。前後ブレーキディスクもサンスター製KRタイプにしている。

Z1ノーマルの4本出し形状としたマフラーは音質も考慮したスチール製。先にレーシングモデル(車検非対応)を発表、現在ストリート用(めっき税別31万円。ブラック税別29万5000円)も販売する。スイングアームは20mmショートの角アルミ。