1972年といえば、沖縄がアメリカから日本に返還され、連合赤軍事件が起こり当時の首相が「日本列島改造論」を発表した、歴史の中の遠い日。そんな年に発売されたオートバイが、未だに現役で走りまわっているなんて誰が想像出来ただろう。そんなモンスターがカワサキZ1である。

カワサキ「900SUPER4」(Z1)主なスペック

SPECIFICATION
●エンジン形式:空冷4ストローク並列4気筒DOHC2バルブ
●内径×行程(総排気量):66.0×66.0㎜(903cc)
●最高出力:82PS/8500rpm
●最大トルク:7.5kg-m/7000rpm 
●ミッション:5速リターン
●ブレーキ形式前・後:ディスク・ドラム
●全長×全幅×全高:2200×865×1170㎜
●タイヤ前・後:3.25-19・4.00-18
●燃料タンク容量:18ℓ
●ホイールベース:1490㎜
●乾燥重量:230kg

カワサキ「900SUPER4」(Z1)各部装備・ディテール解説

画像: Z1は流麗なフォルムを纏い、後の国産モデルのスタイリングの原型にもなった。ティアドロップ型のタンクはメグロを吸収合併したことも意識してデザインされ、Z1000へとモデルチェンジするまで、メッキ仕上げの4本出しマフラーは、Z1のアイデンティティとして継承される。

Z1は流麗なフォルムを纏い、後の国産モデルのスタイリングの原型にもなった。ティアドロップ型のタンクはメグロを吸収合併したことも意識してデザインされ、Z1000へとモデルチェンジするまで、メッキ仕上げの4本出しマフラーは、Z1のアイデンティティとして継承される。

画像: 初期型のZ1E型エンジンはクランクケースなどのカバーを除いてブラック仕上げ。クランクシャフトはニードルローラーベアリングを採用する。

初期型のZ1E型エンジンはクランクケースなどのカバーを除いてブラック仕上げ。クランクシャフトはニードルローラーベアリングを採用する。

画像: 厚みのあるシートはロングツーリングを考慮したもので、開閉は横開き式。シート下にはエアクリーナーボックスやバッテリーが収められている。

厚みのあるシートはロングツーリングを考慮したもので、開閉は横開き式。シート下にはエアクリーナーボックスやバッテリーが収められている。

Z1のフロントブレーキは、76年の最終型を除くと一貫してφ296mmシングルディスク+片押し1ポッドキャリパーという組み合わせ。

画像: スピードが240キロまで、タコも1万2000回転まで刻まれ、Z1が当時としては常識外れの高性能モデルだったということを明確に示している。

スピードが240キロまで、タコも1万2000回転まで刻まれ、Z1が当時としては常識外れの高性能モデルだったということを明確に示している。

画像: 「オートバイ」の谷田部テストコースにおける実測テストでは、ゼロヨン加速12秒フラットをマーク。これは同時期にテストしたZ2の12秒49やCB750FOUR-Ⅱの12秒65を確実に上回るもの。また、Z1のカタログでは、「ゼロヨン12秒、最高速200㎞/h以上」と明記されていた。0→200m:7秒5/0→400m12秒0(実測値・月刊オートバイ1973年4月号)

「オートバイ」の谷田部テストコースにおける実測テストでは、ゼロヨン加速12秒フラットをマーク。これは同時期にテストしたZ2の12秒49やCB750FOUR-Ⅱの12秒65を確実に上回るもの。また、Z1のカタログでは、「ゼロヨン12秒、最高速200㎞/h以上」と明記されていた。0→200m:7秒5/0→400m12秒0(実測値・月刊オートバイ1973年4月号)

文:中村浩史/写真:松川 忍/車両協力:ウエマツ

※この記事は月刊オートバイ2011年8月号別冊付録を加筆、修正、写真変更などの再編集を施しており、一部に当時の記述をそのまま生かしてある部分があります。

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