二輪ジャーナリスト柏 秀樹氏が常々疑問を感じていることを考察する好評連載「柏秀樹持論」。今回は、「レバーは鉄製の方がいいんじゃないか?」という持論です。ぜひ一緒に考えてみましょう!

ブレーキレバーやクラッチレバーが折れたり曲がったりしたとき、する前の対処法

バイクで転んだ時に困る典型的な事例がブレーキレバー、クラッチレバーの損傷だ。レバーが大きく曲がったり、レバーの途中で折れてしまう。ツーリング先だと帰宅困難になることもある。どんなにUターンや取り回しが上手くてもミスをすることはあるし。

画像: 曲がってしまったクラッチレバー

曲がってしまったクラッチレバー

レバーによっては、大きく曲がったり根元で折れることを想定してレバーの内側(指が当たらない側面)に切り欠きを入れているものがある。もちろんそれって金ノコを使って自分でやることも可能。とりあえずその場しのぎになるけど、いずれ交換せざるを得ない。

なのでその対処方法だが、1つは、最初から純正のレバーを予備でシート下などに保管しておく。

2つ目は、レバーが自由に曲がって折れ曲りにくいようにピボット加工した社外品にする。折れ曲り式・可倒式はレバーの距離(グリップとレバーの間隔)が微調整ができるようになっていて、手が小さい女性にはありがたいもの。例えば私がセローなどにセットしているZETAという社外品のレバーに交換しておくライダーが多いのもそのためだ。

画像: 可倒式レバーの一例(BIKERS 可倒式アジャスタブルブレーキレバー/クラッチケーブルアジャスター タイプ1)

可倒式レバーの一例(BIKERS 可倒式アジャスタブルブレーキレバー/クラッチケーブルアジャスター タイプ1)

3つ目はレバーの折れ曲り対策として、レバーホルダー部分のボルトの締め付けを緩めにしておくのも昔からある方法。だけど走行中にレバーが上下に動くなど緩むことがあるし、どっちみち大きく曲がることもあるのでベストではない。

4つ目は、工具と針金やテープなどを使って応急処置というのもあるが、破損したものは交換せざるを得ない。

オフロード系ならナックルガードをセットしてレバーの破損対策できるが、それでもレバーが曲がってしまうことがあるので万全ではない。

画像: スズキのVストローム250/ABSはナックルガードを標準装備している 写真:松川忍

スズキのVストローム250/ABSはナックルガードを標準装備している
写真:松川忍

ナックルガードは一般的に金属か硬めの樹脂パーツを採用。しかし転倒によってガード自体が変形してレバーを曲げてしまうことが多々あるのだ。

その対策としてナックルガードをセットする場合はレバー先端の丸い部分をカットしておくとレバーが短くなってガードと接触せずレバーの変形がなくなるか、あるいは変形が最小限で済むだろう。

余談だが大昔のバイクはレバーの先端が尖っていた。現在はどれも丸いボール形状になっている。転倒時に体やモノなどに突き刺さりにくくなる安全性向上のためだ。

でもナックルガードがあるなら、この丸い部分をカットしても安全性に問題はないだろう。ともあれレバーの損傷防止とナックルガード装備は必ずしも一致しない。

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