©楠みちはる/講談社 ※全ての写真及び記事の無断転載を硬く禁じます。
第13回「刺激しあう二人の夜」
「彼は西武の配送でバイトしながら持ち込みをしていて、ヤマハの125に乗っていると言いました。僕の四畳半のアパートでバイトの話なんかしながら、朝まで2人で仕事をしました。
刺激的な一晩でしたねえ。
もちろん彼のデビュー作はちゃんと読んでいました。デビュー前後の新人は『出てくる才能』をお互いに意識しているのです。
担当編集者は『しげのクンに刺激を与えるため』と言ったけど、刺激を与えられたのはこちらも同じでした。
なぜかそれから『ララバイ』の人気が上がっていきます。横浜、本牧レディ、バイク、横須賀ジミー。ラブコメから離れ、アンケートは5位以内常連となり、82年4月、ついに1位となりました」。
「アンケート1位、単行本も売れると周りが変ります。ギクシャクしていた担当とも仲直りし、編集部に顔を出せば皆が誉めてくれます。副編集長も『バイク+高校生、いいね。もうラブコメじゃない』と。
やはりプロは人気だな、と思いましたね。大阪の水商売時代、指名の多いホステスさんはキラキラして見えたのです。お客は人気のある女のコ目当てに店に来るし、店も人気のあるコは大事にする。
漫画界は接客業。よし、それで行こう、と思いました。しかしそれは半分正しく半分間違いでした」。
(以下、第14回「メモを残してバッくれる」をお楽しみに!)
過去の回はこちらからご覧ください。第1回からすべて読めます。
「あいつとララバイ ファンブック」(モーターマガジン社)好評発売中
「ララバイ」と「バリ伝」の誌上バトルについても書き下ろしてくれた「僕のバイク道・漫画道」完全版など盛り沢山の内容です。
■A4変型ワイド版・オールカラー164ページ
■定価:1527円+税
Amazonでもお買い求めいただけます。
モーターマガジン社 (2019-10-30)
売り上げランキング: 135