「あいつとララバイ」。完結から30年。楠先生が振り返る「ララバイ前史」。高校生でCBナナハンに乗る楠先生は、遂にZ2に出会うのだが…。
 
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第2回「Z2とマッハナナハン」

1973年春、カワサキ750RSが登場。発売と同時に高校生の楠先生はすぐに飛びついた…、ワケではなかった。

「最初はそんなにイイとは思わなかったですね。当時、高知市内にカワサキの直営店があって、CBナナハンで乗りつけると新車のZ2を試乗させてくれたんです。さすがCBナナハン。ノーヘル(当時は)の高校生でもカワサキはちゃんと対応してくれました。Z2はデカイと思いましたね。あとエンジンがゴロゴロして回り方がCBより重いナと」。

カワサキのお店には新車のマッハナナハン、750SS、通称、H2、マッハⅣも置いてあった。

画像: カワサキ 750SS 発売年月:1971年10月/発売時価格:36万5000円  デビュー当時、世界最高の72馬力を発生する空冷2スト搭載の快速マシン。4000回転を超えてからの加速は凄まじく、月刊オートバイのインプレには「乗りようによってはレーシングマシンそのものの実力さえ出せる。乗りこなすにはそれ相応のテクニックとハートが必要で、充分安全を確保できる大人のライダーでなければ750SSに乗る資格はない」と断言された。

カワサキ 750SS 発売年月:1971年10月/発売時価格:36万5000円 
 
デビュー当時、世界最高の72馬力を発生する空冷2スト搭載の快速マシン。4000回転を超えてからの加速は凄まじく、月刊オートバイのインプレには「乗りようによってはレーシングマシンそのものの実力さえ出せる。乗りこなすにはそれ相応のテクニックとハートが必要で、充分安全を確保できる大人のライダーでなければ750SSに乗る資格はない」と断言された。

カワサキのお店は高校生の楠先生に750SSを試乗させてくれた。

「乗せてくれましたが、派手なカッコにテレましたね。『このバイクが似合う日本人なんているのか』。マッハナナハンはアメリカ人向け、Z2は大人向け、やっぱりCBナナハンがカッコいい。Kゼロ最高だろ、と思いました」。

照れてしまうような派手なカッコのマッハ750SSは「ララバイ」にも登場する。

画像: 第2回「Z2とマッハナナハン」

極太のチャンバーで大幅にパワーを上げ、セパハン、バックステップ、スタビライザー、FRPフロントフェンダーを装着。フロント周りも大幅に変更。研二が「曲がらない とまらない まっすぐ走ってくれない」と評する750SSだが、赤木の卓越したテクニックもプラスされて、研二に「うそだろ 速すぎるよ」と言わしめた。

この「研二Z2対赤木マッハナナハン」のバトルは「ララバイ」の運命を大きく変えるのだが、そのお話は第10回あたりに出てくるのでは、と思います。

(続きは、第3回「カワサキはヨシムラにもっと…」。お楽しみに!)

あいつとララバイ ファンブック(モーターマガジン社)/2019年10月30日発売

画像: あいつとララバイ ファンブック(モーターマガジン社)/2019年10月30日発売

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