派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

想定外のタフな状況下に於いても音を上げない、ドゥカティのアドベンチャーシリーズといえばムルチストラーダだ。強靭なキャラクター故にミドルサイズの設定はなく、排気量はオーバーリッターサイズの1260と、若干ダウンサイズされた950の大きく分けて2モデルをラインアップ。

2019年モデルはフェイスリフトを行い、全体のデザインもアップデートされ、1260の兄貴分と見紛う仕上がりだ。

実車を前にすると、1260から大きな変化が見受けられるのは、片持ちスイングアームから通常のスイングアームを採用していることと、細かなデザインに違いがあるだけで、正直パッと見の区別が付かないほど酷似したフォルムと車格を持っている。

画像1: 派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

ハイウエイを使用した長距離走行を可能にするツーリング性能に、多少荒れた路面であってもクリアしてしまう大きなストローク量を誇る足回り、そしてスーパースポーツモデル譲りのハイパフォーマンスエンジンを搭載し、それらを高次元でバランスさせ熟成を重ねた「最高峰のアドベンチャーモデル」と呼ぶに相応しい仕上がりを見せる1260。

そんな絶対性能を誇る兄貴分が存在するのに、なぜ大別し辛いリッター弱950㏄の排気量で弟分が設定されたのか、見当がつかなかった。

画像2: 派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

ところが、ひとたび跨り走り出せばその違いや、ターゲットポイントが明確に伝わってくるのである。

 データでは、1260に対して乾燥重量で10㎏弱軽量という数値であるが、フィーリング的にはそれ以上の大幅な軽量化を達成しているように感じる。大げさな話、排気量半分ほどのミドルクラスで全く別物といって良いほどのキャラクターの違いを感じたのだ。

1260はアドベンチャーモデルとして冒険心を駆り立てて、悪戯に不整地に踏み込みチャレンジングなトライアルを試みたくなるものだが、1260の車格とマシンウエイトは、身長178㎝の体躯をもってしてもコントロールがしっかり働くシーンは多々あり、「欧米人の体躯を持ってすれば……」と思わず想像してしまうことがあった。

画像3: 派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

この950は、同じようなシーンに於いて、〝コントローラブル〞を武器に躊躇なく踏み込めることが出来たのだ。もちろん、ブロックタイヤではなくロードタイヤを装備しているので、荒れたラフロードを往くような真似はしていない。

例えば、四輪車が通れない道幅のフラットな砂利敷き、Uターンする際には車両を降りて5〜6回押し引きをしなくてはならないようなシチュエーションでも、950はオフロードバイクを駆るように踏み込んでいける。操作感の軽いクラッチレバーと、極低回転域でアクセルに対してダイレクト感のあるきめ細かなパワーデリバリーにより、軽快に車体を操ることができ、いざという時の危機回避も不安なくこなすことができるのだ。

画像4: 派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

ほんの少しのフィーリングの違いでも、状況が状況であればその差は歴然となり、心強くなるというもの。実際に1260と950では排気量によるパワー感の差はあるものの、950の低回転域からトルクフルで胸をすく加速力を発揮する演出は、リッタークラスそのもので、十二分すぎるパフォーマンス。さらに惜しみない電子デバイスの投入により、一台で何役にも変貌を遂げることができるので、ロード走行においても軽快なキャラクターを存分に実感することができる。

画像5: 派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

アドベンチャーモデルとして最高峰のレベルに至ったといえる兄貴分の1260と、操りやすくどんなシチュエーションでもコントロールできる950。気軽に使いたい個人的な用途を考えると愛車としては950を選んでしまう

画像: フロントフォークはザックス製、インナーチューブ径φ48mmの倒立タイプで、スカイフック・サスペンションEVOによるセミアクティブ機能も備える。ブレーキはブレンボ製のモノブロック・ラジアルマウントキャリパーで、ラジアルポンプ式マスターと合わせコントロール性も向上。1260の17インチに対し、950には19インチのフロントホイールを採用。

フロントフォークはザックス製、インナーチューブ径φ48mmの倒立タイプで、スカイフック・サスペンションEVOによるセミアクティブ機能も備える。ブレーキはブレンボ製のモノブロック・ラジアルマウントキャリパーで、ラジアルポンプ式マスターと合わせコントロール性も向上。1260の17インチに対し、950には19インチのフロントホイールを採用。

画像: 特徴的なフロントカウルと一体に違和感なくデザインされている燃料タンク。20Lという大容量が確保されていて、アドベンチャーツアラーを選んだライダーが求める、連続した長距離走行に対応出来るだけの航続走行を可能にする。

特徴的なフロントカウルと一体に違和感なくデザインされている燃料タンク。20Lという大容量が確保されていて、アドベンチャーツアラーを選んだライダーが求める、連続した長距離走行に対応出来るだけの航続走行を可能にする。

画像: 排気系は水冷Lツインエンジンの前後バンクから伸びたエキパイが、エンジン後方、スイングアームの根元の大きなチャンバーを経て、力強いパワーと小さな騒音を両立させる縦長断面が独特な大きなサイレンサーに続く。もちろん触媒も内蔵されていて優れた環境性能も備えている。

排気系は水冷Lツインエンジンの前後バンクから伸びたエキパイが、エンジン後方、スイングアームの根元の大きなチャンバーを経て、力強いパワーと小さな騒音を両立させる縦長断面が独特な大きなサイレンサーに続く。もちろん触媒も内蔵されていて優れた環境性能も備えている。

画像: 大きなサイズでポジションの自由度も高く、タンデムでも非常に快適なデザインのシートを備える。スタンダード状態でのシート高は840mmだが、形状の工夫によって良好な足つき性を実現。大きく掴みやすいタンデムグリップと一体化されたリアキャリアも標準装備され使い勝手も良好、オプションでパニアケースやトップケースも装着可能。

大きなサイズでポジションの自由度も高く、タンデムでも非常に快適なデザインのシートを備える。スタンダード状態でのシート高は840mmだが、形状の工夫によって良好な足つき性を実現。大きく掴みやすいタンデムグリップと一体化されたリアキャリアも標準装備され使い勝手も良好、オプションでパニアケースやトップケースも装着可能。

画像6: 派手さは控え目に、激熱シーンに投入された大本命!!

大きなスクリーンの直後に多機能フルカラーTFT液晶メーターが見える。幅が広くアップライトなバーハンドルをはじめ、ゆったりとして快適なポジション設定が与えられていて、その他の装備や乗り味などと合わせて、長距離走行でも疲労が少ないように配慮されている。

画像: 大きなリアキャリアの下にあっても、存在感が強いデザインで被視認性に優れるテールランプで、光源にはLEDが採用されている。対してコンパクトなウインカーは、オーソドックスなバルブを光源とするタイプだ。

大きなリアキャリアの下にあっても、存在感が強いデザインで被視認性に優れるテールランプで、光源にはLEDが採用されている。対してコンパクトなウインカーは、オーソドックスなバルブを光源とするタイプだ。

D U C A T I M u l t i s t r a d a 9 5 0 S S p e c i f i c a t i o n s

ホイールベース:1594mm
シート高 :840mm(820mm/860mmオプション設定)
車両重量 :227kg
エンジン形式 :水冷4ストロークL型2気筒DOHC4バルブ
総排気量 :937cc
ボア×ストローク: 94×67.5mm
最高出力 :113PS/9000rpm
最大トルク :9.8kgm/7750rpm
燃料供給方式 :FI
燃料タンク容量 :20L
変速機形式 :6速リターン
タイヤサイズ前・後 :120/70ZR19・170/60ZR17
価格 グロッシーグレイ:204万円(消費税10%込)
レッド:199万9000円(消費税10%込)

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