減速時のエンブレ特性も自由自在! スロットルをわずかに開けてエンジンブレーキを緩和する

【主な機能・効果】

1.急減速時のリアタイヤの暴れを緩和

2.スムーズなコーナー進入をサポート

画像: エンジンブレーキコントロールを採用しているホンダ CBR1000RR。

エンジンブレーキコントロールを採用しているホンダ CBR1000RR。

走行中にアクセルを閉じると発生するエンジンブレーキ。

適度なエンジンブレーキは制動距離を短くし、コーナーに進入するきっかけとなるが、全開走行から一気にアクセルを戻したり、それにシフトダウンが絡むと、過大なエンジンブレーキがかかってリアタイヤがハネ回り、安定性を損なうことがある。

このシチュエーションはロードレースで頻繁に発生するため、1970年代後半のロードレースシーンで、過大なエンジンブレーキをクラッチで吸収するバックトルクリミッターが登場した。

その後大型車を中心に市販車へとフィードバックされ、現在ではスリッパークラッチとして250㏄クラスにまで採用されるメジャーなシステムとなった。

市販車レベルではスリッパークラッチで十分な効果が得られるのだが、年々高度化するMotoGPやWSB向けに、さらに一歩進めたエンジンブレーキ減衰システムが登場。

それがその名の通りのエンジンブレーキコントロールだ。

これもスロットル・バイ・ワイヤの登場によって実現したシステムで、ライダーがアクセルを全閉にしたときにECUが「このままでは過大なエンジンブレーキが発生する」と判断すると、スロットルバルブをわずかに開けてエンジンブレーキのかかりを緩和するようになっている。

画像: CBR1000RRのメーター画面。下の方にある「EB」がエンジンブレーキコントロールの設定をつかさどる。電子制御スロットルやIMUの採用が大きく関与しているシステムだ。

CBR1000RRのメーター画面。下の方にある「EB」がエンジンブレーキコントロールの設定をつかさどる。電子制御スロットルやIMUの採用が大きく関与しているシステムだ。

画像: CBR1000RRの「走行モード」一覧。ホンダのEB(セレクタブルエンジンブレーキ)は3段階で調整可能。

CBR1000RRの「走行モード」一覧。ホンダのEB(セレクタブルエンジンブレーキ)は3段階で調整可能。

画像: エンジンブレーキコントロールは、CBR1000RRのほか、この写真のカワサキNinja ZX-10Rやドゥカティのパニガーレシリーズ、MVアグスタF4などに採用されている。

エンジンブレーキコントロールは、CBR1000RRのほか、この写真のカワサキNinja ZX-10Rやドゥカティのパニガーレシリーズ、MVアグスタF4などに採用されている。

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