オートバイで出かける理由はたくさんある。
フラリと出かけたり、目的をもって行ってみたり。
「あそこ、もう一度行きたいな」
そんなできごとが、オトナにはあるのだ。

リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

MT‐09に度肝を抜かれて、もう5年が経つ。

あの頃のヤマハは、しばらくニューモデルを発売していなかった頃で、ちょっと元気がなかった時期だったのかな。

久しぶりのニューモデル、BOLTを発売して盛り返し始めた頃、次のニューモデルとしてリリースしたのが、このゼロナインだったのだ。

ぼくは初試乗、初めてのバイクと接する時、事前資料を読み込まずに乗るようにしている。

こんなフレームかぁ、タイヤの純正銘柄がコレで、エンジンはこれなんだ――なんていろいろ考えながら、大体の乗り味の予想を立てて、その予想は9割がた、外れることがない。

画像1: リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

それが、ゼロナインは、大外しした!

新設計の水冷並列3気筒エンジン、新設計フレームに、異形のスタイリング――ゼロナインはもともとカテゴライズしづらいところを狙ったオートバイだったんだけれど、それが予想を混乱させたし、アルミダイキャストフレームも水冷3気筒も経験のないものだったから。

ゼロナインは、とにかくエンジンが素晴らしい。

画像2: リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

初期モデルは、かなりワイルドで粗削りなフィーリングだったけれど、スリムな車体と軽量なボディのおかげで、意のままに車体をコントロールできる、初対面から好ましいオートバイだったのだ。

200PSだ、最高速300㎞だなんて超高性能モデルじゃない、100PSそこそこの、止まるも曲がるもアクセルひとつでコントロールできる、そんなバイク、久しぶりだったし。

特に、ステアリングヘッドから座る位置が近くて、フロントタイヤに乗ってリアを流して乗るような、いや実際には流せないけど(笑)、そんなハンドリングも新鮮だった。ストリートでクイックで、くるくる曲がる、クルージングに入っても、快適に穏やかなツーリングもできる。こりゃ、イッポン取られた!

ゼロナインの肝である水冷3気筒は、4500回転くらいを境にキャラクターが豹変する。

画像3: リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

6速4000回転で100㎞/h定速巡航ができるんだけれど、それ以上ではギュルギュルとうなりを上げ、それ以下では穏やかに走ることができる。

ホントよくできたエンジン、それを許容するフレームなのだ。

今回、あらためて気づいたことがある。

6速でクルージング中、エンジン回転数が3500回転を越えると、吸気音かな、走行サウンドに、キュイィィィン、という鳴き音が加わるのだ。

この鳴きは、この回転帯を外しても、シフトダウンしても鳴らない、オーナーだけが知っているゼロナインのツボ。

画像4: リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

イカツいルックスしているクセに、こんなところがすごく愛おしい。

そしてゼロナインは、市販モデルナンバー1のパワーを持っている。

それはパワーの絶対値でなく、A/STD/B3種類のパワーモードのことなんだけれど、それが世界ナンバー1と言っていいほど変化するのだ。

画像5: リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

フルパワーのAモードは強烈のひと言。レスポンスも鋭く、低回転からガンガン来るし、中回転から高回転のつながりもハイパワー。

STDはこれが扱いやすいハイパワーになり、Bモードは雨用かな、レスポンスも穏やかでトルクの立ち上がりもスムーズ。

ハッキリ言って、Aモードは激しすぎて、ぼくはこの取材中、ずっとSTDで走っていたくらいなのだ。

画像6: リッター未満で久々の銘機鳴きだす水冷トリプル

1台でなんでも使えるオートバイ。それが実力深く、実力はなかなか測りづらい――それがゼロナイン。

乗れば乗るほど、人気モデルなのが良くわかる!

文/中村浩史・撮影/松川 忍

ヤマハ MT-09 公式サイト

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