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歴史に名を刻んだ最速の一族 KAWASAKI ZZR ARCHIVES その4
正常進化と共に洗練されたZZR
ストック状態で300㎞/hオーバーを達成するスズキGSX1300Rハヤブサの登場により、長らく堅持して来た「世界最速」の座を追われてしまったZZR1100。とはいえすでに次期主力モデルの開発を進めていたカワサキは、そのハヤブサ登場の興奮冷めやらぬ99年秋のパリサロンにZX‐12Rをデビューさせる。エンジン真上から背面にかけて、エアクリーナーケースとバッテリーケースを兼ねたボックス状のフレームを通し、当時量産市販車最高の178PSを発揮する専用設計の1199㏄エンジンを搭載したZX‐12Rは、海外の二輪専門誌のテストで308・53㎞/hという最高速度をマーク...
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歴史に名を刻んだ最速の一族 KAWASAKI ZZR ARCHIVES その3
ZZR1100 D型の系譜
'93-ZZR1100[D1]
C型の基本メカニズムをリファインして超高速性能に磨きをかけたD型。左右対称なラムエアインテークのフロントマスクが印象的。燃料タンクも容量拡大、燃料計も装備された。
'94-ZZR1100[D2]
D2ではメカニズム面での変更は行われず、カラーリングの変更のみ。サイドにグラフィックが入ったツートンカラー2タイプと、シンプルなソリッドカラー2タイプを用意。
'95-ZZR1100[D3]
ヨーロッパでの騒音規制対応のため、マフラーの構造変更、スプロケ設定の見直しなどが行われた。さらにキャブセッティング変更、ミッションの改良などで熟成...
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HONDA CB1100とCB1100 EXを比較してみた。その2
一見同じように見えて実は出力特性も違う!?
機能美や存在感が語られるCB 1100にあって、特にその造形美の象徴とも言えるのが、中心部である空冷直列4気筒エンジンだ。そのエンジンの存在感が、CB 1100の魅力の根源とも言えるだろう。そんなエンジンのシリンダーフィンは2㎜の極薄で深く刻み込まれたもので、緻密で贅沢な造形美を感じずにはいられない。
また、バフがけされて有機的な曲線が美しいシリンダーヘッドカバーや、エンジンの存在感を強調する間隔が広くとられたカム配置など、機能美だけではない存在感もアピール。加えて、スタンダードとEXではセッティングの違いがあり、スペックや出力特性にも変化をつ...
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歴史に名を刻んだ最速の一族 KAWASAKI ZZR ARCHIVES その2
その地位を固めたD型 ZZR1100 [D]
ライバルメーカーが懸命に開発を進める中、93年には高速ツアラーとして独り勝ちを続けるZZR1100が、その地位をさらに固めるべくモデルチェンジ。パワースペックは変わらないが、エンジン内部構成パーツが全面的に見直された。新型フレームの採用をはじめとしてシャシー関係も刷新し、圧倒的な加速と高速性能をそのままにより扱いやすさを高めた。象徴的なラムエアシステムも吸気ダクトをツイン化したD型にモデルチェンジはユーザー層をさらに拡大する。95年のD3型で騒音対策やサスセッティングの変更、シフト機構の改良、デジタル時計の装備など、熟成が進められた。96年に...
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歴史に名を刻んだ最速の一族 KAWASAKI ZZR ARCHIVES その1
1989年、初期型が発表されてから27年。ZZRの足跡を振り返る。
ライダーの見える世界を変えた ZZR1100 [C]
中でも、古くはW1に始まり、マッハⅢ、Z1、GPZ900Rと、その時代ごとの『世界最速』に並々ならぬこだわりを持って来たカワサキは、そんな状況に強烈なくさびを打ち込むニューモデル、ZZR1100を89年のドイツ・ケルンショーでデビューさせる。
ZX‐10をベースにボアを2㎜広げて1052㏄としたエンジンは、内部構成パーツにも全面的な見直しを加えて、当時量産市販車では世界最高となる147PSをマーク。それを支える強靭なアルミフレームと空力特性に優れるグラマラスなボディワ...
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HONDA CB1100とCB1100 EXを比較してみた。その1
感性を擦り合わせた先にたどり着いた、それぞれの個性。
2014年、人気のCB1100シリーズに新たにラインナップされたのがCB1100EX。アルミリムのワイヤースポークホイールや、2本出しマフラー、クラシカルなデザインの専用シートなど、それまでのスタンダードモデルよりもトラディショナルな雰囲気をプラスしている。特に、イメージカラーとも言えるキャンディーアリザリンレッドは、往年のCBをイメージさせる色合いと言えるだろう。ただ、カラーや各所のパーツデザインを換えているだけでは、このCB1100EXのこだわりのスタイリングは生まれない。各部パーツの形状や取付角度などにも工夫をし、水平基調でシン...