2026年10月30日から11月1日にかけて、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでMotoGP第19戦マレーシアGPが開催された。
M.マルケスがスプリント優勝 小椋藍は激しいバトルを展開し4位
公式予選では、アレックス・マルケスが今シーズン初となるポールポジションを獲得。トップからわずか0.070秒差の2番手にはマルク・マルケスが続き、マルケス兄弟が今季3度目の予選ワンツーを達成した。
3番手にはペドロ・アコスタ、4番手には小椋藍、5番手にはマルコ・ベッツェッキが続く。なお、前戦で右手首を負傷したホルヘ・マルティンは、ブレーキングへの影響を考慮して今大会の欠場を決断している。
10周で争われたスプリントレースは、気温36度、路面温度51度という過酷な暑さのなかでスタートを迎えた。ポールスタートのアレックス・マルケスがホールショットを奪うなか、4番グリッドの小椋藍が絶好の蹴り出しを見せる。ターン1でマルク・マルケスのインに鋭く飛び込むと、続く切り返しで見事に2番手へとジャンプアップするアグレッシブな立ち上がりを見せた。

しかし、レース中盤に向けて天候が急変する。雨雲の接近により、3周目にはマシンの乗り換えを許可するホワイトフラッグが提示された。そして同じ3周目、トップを快走していたアレックス・マルケスがターン14で痛恨の転倒を喫してしまう。これで小椋がトップに躍り出る劇的な展開となった。
その後、コースの一部で雨粒が落ち始め、降雨を知らせるフラッグも振られる難しいコンディションとなるが、上位陣は路面状況からスリックタイヤでの走行を継続。首位を守る小椋の背後にアコスタがピタリとつけ、7周目に激しいトップ争いが勃発する。
アコスタのイン突きを一度はクロスラインで抜き返して凌いだ小椋だったが、すかさずアコスタが再逆転して首位を奪取。その直後のターン15では、隙を突いたマルク・マルケスにもパスされてしまう。
9周目には小椋とマルク・マルケスが抜きつ抜かれつのバトルを展開するが、滑りやすい路面で小椋にミスが生じ、その隙にベッツェッキにも先行を許してしまった。
そのままトップを守り切ったアコスタが、開幕戦タイGP以来となる今季スプリント2勝目をマーク。2位にマルク・マルケス、3位にベッツェッキが続き、一時はトップを快走し見せ場を作った小椋は悔しい4位でチェッカーを受けた。

2026 MotoGP 第19戦マレーシアGP スプリント結果


独走のマルク・マルケスが今季7勝目、小椋は執念の4位
20周で争われた決勝レースは、気温35度、路面温度54度という灼熱のコンディション。全ライダーが前後ともにソフトタイヤをチョイスしての戦いとなった。

スタート直後のターン1、2番グリッドのマルク・マルケスがハードブレーキングでインに飛び込み、ポールスタートのアレックス・マルケスからトップを奪取。アレックスもターン2からターン4にかけて抜き返しを図るが、ラインが僅かに膨らみ、マルクが首位を死守する。
後方では小椋とアコスタによる激しい3番手争いが展開されるが、アコスタがこれを制し、小椋は2周目にベッツェッキにもパスされ5番手へ。序盤は上位5台が数珠繋ぎとなる緊迫した先頭集団を形成した。
レースが動いたのは中盤の5周目以降。マルク・マルケスがタイムを1分59秒台に引き上げてペースアップを図り、徐々に後続を引き離しにかかる。9周目には2番手のアレックスに対し、1.5秒のマージンを築き上げた。
一方、後方からペースを上げてきたアコスタが10周目のターン9でついにアレックスを攻略し、2番手に浮上。しかし、この時点でトップのマルク・マルケスはすでに約2秒先を独走しており、その差を詰めることはできなかった。
レース終盤、完全に独走状態に入ったマルク・マルケスは、最終的に後続に4秒以上の大差をつけ、今季7勝目のトップチェッカーを受け、最高峰クラス通算80勝目をあげた。総合2位とのポイント差を44に広げ、年間タイトル獲得へ大きく前進している。
2位にはアコスタが入り、数周にわたるベッツェッキの猛追を最後まで凌ぎ切ったアレックス・マルケスが3位表彰台を獲得した。
表彰台には届かなかったものの、終盤にファンの視線を釘付けにしたのが小椋だ。前を走る4番手のベッツェッキに猛チャージをかけ、残り3周の1コーナーで果敢にインへ。この際、両者が接触して小椋のマシンの左フロントウイングが破損するアクシデントに見舞われたが、小椋はそれを全く意に介さずそのままオーバーテイクを完了。気迫の走りで4位をもぎ取る見事なフィニッシュを見せた。

2026 MotoGP 第19戦マレーシアGP 決勝結果

中東情勢を鑑みヤマハが次戦カタールGPの欠場を発表
マレーシアGPの熱戦の余韻が残る中、ヤマハ発動機および『MotoGP』グループから、次戦である第20戦カタールGPに関する重大な声明が発表された。
ヤマハは、中東情勢の最新評価を鑑み、全社的に適用している渡航制限を解除する根拠がないと判断。独自の方針に基づき、次戦カタールGPへの参加を見送ることを決定した。
これに対し、チャンピオンシップを統括する『MotoGP Sports Entertainment Group』は失望感を表明。カタール政府や独立安全アドバイザーとの協議の結果、イベント計画を変更するようなリスク情報は確認されておらず、他の全メーカーが参戦を確定していることを強調した。
ヤマハの不参加は契約上の問題に留まらず、今後の競技面での対応措置については、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)の規則に基づき決定される予定となっている。
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