まとめ:Heritage&Legends編集部
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少しの設定変更が分かりやすく効いてくる
発売以来、人気沸騰のホンダCB1000F。H&Lをはじめ、雑誌、ウェブサイトや個人のSNSでも「買った」「納車した」「乗ってみた」があふれている。現在も、待望のCBがオーナーの元に続々と届いている状況のようだ。
そうなると、「ここがもう少しこうだったら……」といった意見が出てくるものだ。いかにCB1000Fと言えどすべてのオーナーにとって完璧ではないのだから。
そんなオーナーへの提案としてアクティブが製作したのは、足まわりをグレードアップしたCB1000F。もちろん、サーキットでラップタイムを削るグレードアップではなく、ストリートを走ることをメインに考えたカスタムだ。

「車両を購入後、スタッフみんなでCB1000Fをツーリングに連れ出したんです。いいね、軽いね、速いな、なんて声もある中、どうも足まわりがどっしりしてない、って意見がありました」とは、アクティブ開発部の宇田知憲さん。アクティブが取り扱う、ハイパープロサスペンションの担当だ。足まわりがどっしりとはどういう状態を指すのか聞いてみると……。
「接地感ですね。いろんなスキルレベルのライダーが感じたことで、もちろん私も乗って感じましたが、スピード域によってフワフワしていて不安定だったり、カチッとしすぎてバイクをうまくコントロールできないシーンもありました」と、宇田さん。
早速、その足まわりのモディファイに取りかかったアクティブは、まずハイパープロ製フォークスプリングとリヤサスを使用し、バランスさせるべく前後ホイールにブレーキまわり、スイングアームまで自社が開発販売するゲイルスピード製品群に交換した。
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その試乗は愛知県のSPA西浦モーターパーク。サーキットが舞台となったけれど、まずは慣熟の意味もあって最初の数ラップは一般道をイメージしたスピードで走ってみる。とんとんと早めにシフトアップしながら、街中を流すような50~60km/h。うん、乗り心地がいい! 走り出すと前後のサスペンションがストロークすることに気付かされる。加速でリヤが沈んでフロントが伸び、減速でフロントが下がってリヤが伸びる動きがよく分かるのだ。
ペースを上げていくとこうした感覚はもっと分かりやすく、自分でバイクをコントロールしているのがよく分かる。それはギュッと沈んでゆっくり戻る、独自のスプリングと減衰のかかり具合によるものだろう。

周回を重ねる内に、リヤの動きに違和感を感じたのでそれを宇田さんに伝えると、サッと調整。コーナーの脱出でタイヤをもっと路面に押しつけたいと伝えると、「じゃあ圧側の減衰をちょっとかけて車高を少し上げてみます」と、たったそれだけ? 工具で調整ダイヤルを数回転動かしただけだ。
それでも、少しペースが上がった次のコースインで違いがハッキリ! コーナー脱出でリヤタイヤが逃げていく感じがなくなって、寝かし込みや切り返しが軽い。えー、こんなに変わるものか! これは私の走り方で出た症状と対処変更。それでも数カ所の設定変更で、こんなに変化がわかりやすいのがリプレイスサスペンションのメリットだ。
もちろん、このCB1000Fは前後ホイールやブレーキ、スイングアームまで変更されているから、具体的にどの箇所が走りに効いているのかは不明。それでもリヤサスのセッティングを少々変更するだけで動きが分かりやすく変わるということは、どんな体格、スキルのライダーにも合わせやすいことを意味しているのだと思う。

そうそう、同車にはアクティブがイチ推しするパフォーマンスダンパーも装着されていて、これは特に街中を想定したスピードで走っているときの振動軽減や乗り心地の良さにつながっているものという。
そしてサスペンションと別に、印象に残ったのは、口の字断面のスイングアームだ。走行中、コーナー脱出時にトラクションコントロールがいつも以上に介入してくるのだが、これは早めにスロットルを開けられている証拠なのだそう。
イメージ的にはバイクが寝ている内にスイングアームが横方向にしなってタイヤを路面に押しつけてくれる安心感からスロットルが早く開けられ、スイングアームは縦方向の剛性も上がっていることで、そのまま直進時にもタイヤをグリップさせ続けるのだという。これが全体の接地感向上につながっているというわけだ。
アクティブによると今回のデモバイクは、まずストリート向けにセッティングしたもの。先のハイパープロのサスペンションを筆頭に、データのバリエーションを増やし製品にフィードバックしていくそうだ。ロングツーリングや、もっとサーキットに振った仕様の製品も期待できるかもしれない。

▲走行を終えての開発部・宇田知憲さん(右)と筆者・中村浩史。宇田さんはテイスト・オブ・ツクバなどでライダーケアやセットアップを担当するだけに、私のぼんやりした症状をきちんと数値化してくれた。
走りの性能向上はもちろんカッコよさも大事!
アクティブCB1000Fは「カッコよさ」も気にしている。カラーリングは’79年型CB900FZの外装色をモチーフに、ホイールも往時のゴールドコムスターも彷彿させるスポークデザインのゲイルスピード・タイプJ。トップブリッジとセパハンも削りの表面を強調しつつ、空冷Fのノーマルハンドルっぽさがあるし、あえて2D削り出しパーツを使ったバックステップもあの頃っぽい。
「ストリートでの運動性能をレベルアップさせるカスタムですが、機能一辺倒じゃなく、カッコよさも伸ばしていかないと。パーツを開発、デザインするのにも、ホンダらしさ、Fらしさを際立たせるようにしています」(宇田さん)それ、ものすごく賛成です!
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目指したのは決して新し過ぎない“あの頃”のイケてるF


▲運動性能を上げたいカスタムだけれど、もちろんCB1000Fのシルエットを崩さないように「あの頃感」も強調している。ホイールは最先端すぎないデザインのゲイルスピード・Type-J、削り出しパーツもあえて作り込みすぎない平面切削。’90年代カスタムブーム時のイケてるFのようだ。


▲エンジン、マフラーはSTD。アクティブ定番のアルミサブフレーム(開発中)を装着。パフォーマンスダンパー(4万4000円)も同時設置OKの仕様だ。

▲フロントはゲイルスピードType-J コントラスト アルマイトゴールドでサイズはF:3.50-17、R:6.00-17(34万2100円)。ブレーキはクロスロックローター+4Pビレットキャリパー、フォークにはハイパープロのスプリングを内蔵する。


▲リヤには対向2Pリヤキャリバー+フローティングローター。スイングアームは口の字断面のアルミ角型(35万8600円)を装着ている。

▲ステムキットは純正同等の35mmとよりスポーティな32.5mmが選べる可変オフセット式で、セパレートハンドル込みのフルキットは19万8000円だ。


▲リヤショックはハイパープロ製でプリロードと圧/伸側減衰力調整機構付き。上記にあったフロントスプリングも付属するストリートBOXの価格は21万5600円となっている。


▲空冷のFっぽさを残したトップブリッジ&セパハン(上記のステムレスのキットもあり。価格は11万円)の、純正メーター前にマウントされるのは開発中のQSTARZによる小型GPSラップタイマーだ。

▲現代の定番、3Dマシニングによる削り出しではなく、あえて平面切削としてクラシックっぽさを狙ったバックステップキットは5万5000円。

▲LEDナンバー灯つきのフェンダーレスキットは33000円(リフレクター別)。純正ロープフックを撤去するため、荷かけフックも付属する。
取材協力:アクティブ
レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部







