2012年モデル以降、カラー変更のみに留まっていたR1000。しかし8年ぶりに渾身のフルチェンジを行い、全面刷新を遂げた。モトGPマシン譲りの技術を還元し、海外仕様は大台突破の202PSをマーク。最もパワフルなL7が誕生したが…?

文:沼尾宏明、オートバイ編集部
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スズキ「GSX-R1000」(2017-2025)解説

8年ぶりの全面刷新で示した新たな到達点

GSX-Rの系譜を一新した第6世代のフラッグシップ。新開発999ccエンジンは可変バルブ機構を備え、低中速の扱いやすさと高回転域の伸びを両立する。

軽量・高剛性化された車体に、6軸IMUを核とする電子制御、双方向クイックシフター、ローンチコントロールなどを搭載し、サーキット志向を一段と強めた。R仕様は足まわりも上級化され、より精密なコントロール性と安定感を追求している。

画像: SUZUKI GSX-R1000/R(L7)(左) 2017年 GSX-RR(右) 2016年

SUZUKI
GSX-R1000/R(L7)(左)
2017年

GSX-RR(右)
2016年

パワーウェイト比「1」達成。しかし日欧で生産終了へ

2010年代に入り、進化が停滞したのは、SS人気が低迷し、メーカーが十分な予算を投入できなかった影響が大きい。しかし2017年型で意地のフルチェンジ。新設計エンジンは17PSもの大幅パワー増を果たし、202PS(海外仕様)に到達した。

これに大きく貢献したのが国産ライバルよりいち早く投入したフィンガーフォロワー式ロッカーアームだ。これはモトGPマシン譲りのメカで、他にも軽量シンプルな可変バルブタイミング機構のSR-VVT、排気デバイスのSET-Aなどの技術がフィードバックされている。

装備重量は202kgを達成。長い歴史をかけてパワーウェイトレシオ「1」に到達したのだ。海外勢に比べ、国産は電子デバイスの採用が遅れたが、6軸センサーによる10段階トラコンを導入。足まわりと電脳が豪華なR1000Rも設定された。

ところが2022年でスズキがモトGPを撤退。その直系であるGSX-Rも進化を止め、排ガス規制が強化された日欧で生産終了に至った(北米は継続)。最大の危機が訪れたのだ。

ミルがGSX-RRで世界王者に!

2020年のMotoGP最終盤、ジョアン・ミル(下写真)はGSX-RRで安定した得点を重ね、バレンシアGPで7位に入って残り1戦を残し王者を確定。アレックス・リンスの4位もあり、スズキはライダーとチームの2冠を達成し、20年ぶりに頂点へ返り咲いた。

画像: Joan Mir(2020)

Joan Mir(2020)

GSX-RRの持ち味は、絶対的な最高速ではなく、ミルの走りを支えた扱いやすさとバランスのよさにあった。

画像1: スズキ「GSX-R1000」(2017-2025)|MotoGP技術の投入で究極進化【GSX-R 42年史】
画像2: スズキ「GSX-R1000」(2017-2025)|MotoGP技術の投入で究極進化【GSX-R 42年史】

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