待ちに待ったZ900RSシリーズが公道デビューを果たしたところで、Z900RSと、気になるライバルとの比較をしてみよう。ホンダのCB1000F、スズキのKATANA、三者三様のキャラと魅力があるが、ここではそれぞれの長所と武器について検証していくことにしよう。

文:太田安治 写真:南 孝幸、松川 忍
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比較検証! Z×CB×KATANA(太田安治)

画像: KAWASAKI Z900RS SE 税込価格:183万7000円

KAWASAKI
Z900RS SE

税込価格:183万7000円

Z900RS SE
主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:948cc
●最高出力:116PS/9300rpm●最大トルク:10.0kgf・m/7700rpm●車両重量:217kg
●シート高:820mm●燃料タンク容量:17L●タイヤサイズ前・後:120/70ZR17・180/55ZR17

画像1: 比較検証! Z×CB×KATANA(太田安治)

エンジンはカムシャフトやミッションを変更し、規制対応しつつ5PSアップを実現。電子制御スロットルバルブ(ETV)の導入とIMUの組み合わせにより、扱いやすさをさらに増している。


画像2: 比較検証! Z×CB×KATANA(太田安治)

上級グレードのSEのリアショックはオーリンズ製のS46。油圧プリロード調整機構付きで、ライダーの荷重変化はもちろん、スロットルやブレーキ操作にレスポンスよく反応する。


優美で自在な走りのZとCB、刀は鋭い走りが光る

1970~1980年代の人気モデルをオマージュしたオートバイを「ネオクラシック」と呼ぶ。もちろん40~50年も前のモデルとはエンジンも車体もまったく異なる構成だが、外装デザインと車名に関連性を持たせることで往時を知るオールドファンからレトロ好きな若いライダーまで、幅広い層から支持されるジャンルとして確立した。

その点で最も〝ネオクラ度〟が高いのは、1972年に登場したカワサキ900 Super4(形式名Z1)の妖艶なラインを受け継いでいるZ900RS。2017年の市販開始と同時に大人気となり、販売台数は大型クラスで連続ナンバーワン。ネオクラブームを一過性のものとせず、今日まで牽引してきた功績は大きい。

新型になっても美しいデザインと、公道で乗りやすくて疲れないというコンセプトは引き継がれ、エンジンはより低中回転域での扱いやすさを重視した設定になった。パワー特性とハンドリングに意図的な演出を感じさせず、ライダーの操作に対して自然に応えてくれる。街乗りからロングツーリングまで、シチュエーションを問わずにリラックスして走り続けられることがZの魅力だ。

CB1000Fのルックスは1978年~1979年に相次いで発売された輸出仕様のCB900Fと、単に「エフ」と呼ばれることが多い国内仕様のCB750Fを想わせる。ストリートファイター的な作りのCB1000ホーネットの兄弟車ではあるが、乗り味は大きく違う。

エンジンは生粋のスーパースポーツモデルであるCBR1000RR用がベースながら、吸排気系が大きく変更され、ECUプログラムも公道走行でのスムーズさと力強さを重視したセッティングになっている。

パワーの出方にSS的な手強さはないし、前後サスペンションとフレーム剛性も公道走行を前提に設定されているからハンドリングに神経質さはなく、乗り心地も優しい。

その点ではZ900RSと同様のキャラクターだが、排気音やスロットルレスポンス、ゆったりした旋回特性など、エンジン/車体にレトロ感の強調を感じる部分があるが、これも新型エフ独自の「味」と言える。

ネオクラの王道を征くZとCBとは異なるコンセプトから誕生したのがKATANA。もちろん元ネタは1981年にデビューして世界中から注目を集めたGSX1100Sカタナだが、GSX-S1000をベースに独創的なスタイリングを採り入れたカスタムバイク的なルックスが目を惹く。

GSX-R1000由来のエンジンは公道用にリセッティングされているとはいえ、パワーは150PSもある、サスペンションも締まったセッティング。鮮やかにコーナーを切り取り、豪快に加速するスポーツ性能はピカイチだ。タンク容量が12Lと少なくツーリング向きではないが、峠を駆け回る爽快感を大切にするライダーには素晴らしい相棒になる。

ホンダ「CB1000F」解説

画像: HONDA CB1000F 税込価格:139万7000円

HONDA
CB1000F

税込価格:139万7000円

「エフ」のDNAを色濃く感じるスタイル

制限速度や路面の状態といった日本の道路事情に合わせた作り込みで、街乗りから長距離ツーリングまで快適にこなすのがCB1000F。タンクからサイドカバー、テールカウルへと繋がるラインやカラー/グラフィックは、かっての「エフ」をオマージュしたもの。

レトロ感と現代的なシャープさを無理なくバランスさせた造形だ。マフラーやハンドル、ステップなどの社外パーツも続々と登場しているから、自分好みに仕立てる楽しみもある。

主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:999cc
●最高出力:124PS/9000rpm●最大トルク:10.5kgf・m/8000rpm●車両重量:214kg
●シート高:795mm●燃料タンク容量:16L●タイヤサイズ前・後:120/70ZR17・180/55ZR17


画像1: ホンダ「CB1000F」解説

5インチカラーTFTメーターは3種類の表示モードを採用。ライディングモードも5種類が用意され、最新モデルらしい高機能ぶり。


画像2: ホンダ「CB1000F」解説

CBR1000RRをルーツに持つ4気筒エンジンだが、こだわりのセッティングでかつての「エフ」を思わせるフィーリングを実現。

スズキ「KATANA」解説

画像: SUZUKI KATANA 税込価格:168万3000円

SUZUKI
KATANA

税込価格:168万3000円

コーナーを切り取るシャープな走り!

イタリアのデザイナーとカスタムビルダー、二輪専門誌がチームを組んで製作し、2017年のミラノショーに出品したショーモデルが『KATANA3.0』。その反響の大きさからスズキが市販化するという、珍しい経緯を辿ったのがKATANA。

ネオクラシックの範疇に入るかは微妙なところだが、GSX-S1000ベースだけにスポーツ性能が高く、アップハンドルの採用もあいまって「カタナ」の名に相応しい鋭いハンドリングを持ち味とする。

主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:998cc
●最高出力:150PS/11000 rpm●最大トルク:10.7kgf・m/9250rpm●車両重量:215kg
●シート高:825mm●燃料タンク容量:12L●タイヤサイズ前・後:120/ 70ZR17・190/50ZR17


画像1: スズキ「KATANA」解説

メーターは大型LCDデジタル。起動時には「刀」のロゴマークも表示され、オーナーの所有感を高める演出も楽しめる。


画像2: スズキ「KATANA」解説

KATANAのパワーユニットは150PSを発揮。もともとはGSX-R1000のエンジンだが、低中トルクも豊かな“名機”だ。

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