文:横田和彦 写真:松川 忍
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ヤマハ「XSR155 ABS」インプレ(横田和彦)

YAMAHA
XSR155 ABS
2026年モデル
総排気量:155cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC 4バルブ単気筒
シート高:810mm
車両重量:137kg
価格:53万9000円
発売:2026年6月30日
扱い切れるパワー感のベストバランスモデル

海外ではすでに発売されていたXSR155が、ついに日本に導入された。丸型ヘッドライトや丸みを帯びたタンク、タックロールシートを組み合わせたスタイルは、XSRシリーズの特徴。ヘッドライトステーやサイドカバーモールなど、細部の素材感にもこだわっている。
搭載されるのは、水冷OHC4バルブの155㏄単気筒エンジン。低速域と中高速域で吸気バルブの作動特性を切り替えるVVA(可変バルブタイミング機構)やアシスト&スリッパークラッチを装備。
車体はスポーツモデル譲りの高剛性デルタボックスフレームに倒立フォーク、アルミ製スイングアーム、リンク式モノクロスサスペンションを組み合わせるという本格的な構成になっている。

走り出して感じるのは、エンジンと車体のバランスの良さだ。同じ車体の125㏄より排気量があるため、スタート時の押し出し感が自然で、交通の流れにも無理なく乗れる。低~中回転では扱いやすいトルク特性を発揮しながらも振動は少なく、幹線道路も軽快に走れる。
アクセルを開けていくと7000回転を超えたあたりでカムの特性が切り替わり、レッドゾーンまで気持ちよく伸びていく。とはいえ、あくまでも排気量は155㏄。過度な期待は禁物だが、キビキビと走りたいなら積極的にシフトチェンジして8000回転以上をキープしよう。そうすると、XSR155が本来持っている運動性能を引き出すことができる。「エンジンを使い切る楽しさ」が体感できるバイクなのだ。

車体は軽快ながら剛性感が高く、ワインディングでも動きに落ち着きがある。さすがはデルタボックスフレーム。切り返しは軽くスポーティだ。一方、フロントブレーキの制動力は十分だが、初期の効きがやや穏やかな印象。個人的には握り始めの減速感がもう少し欲しいと感じたが、パッド交換などで対処できる範囲であろう。
気になる高速道路での走りだが、単気筒エンジンからの振動は想像より少なく、法定速度でのクルージングは問題なくできる。ただ6速がオーバードライブ的な設定なので、追い越しをするときなどは5速にシフトダウンすることも必要。排気量的にも余裕を持って高速移動するタイプではないことは理解できると思う。
XSR155は、125クラスの気軽さをキープしつつ、行動範囲をグッと広げたモデル。大排気量車のような絶対的な速さやゆとりこそないが、軽さと扱い切れるパワーを活かして自分の望むペースで走り切る。そういう使い方に対して、ベストバランスのバイクだといえるだろう。
