これぞカスタムと言える独自性を得て走りも上々に
足まわりに注目すべきか、排気系含めた動力系から説明するべきか、ベースモデルについて話すべきか……。そのくらいにインパクトが強く話題も豊富な、カスタムらしい1台だ。聞けばオーナーの伏見さんがもう20年前、’98年から乗っているZRX1100がベースという。同車は’97年登場だから、そのほぼ初期から乗っているというわけだ。

乗り出して早い段階でコスワースピストンで1137cc化しFCRキャブを組むなどで楽しんでいたが、その後よりカスタムを進めようと横浜市の広川モータースに作業を依頼し、ほどなくリヤを片持ちのプロアーム化する。
車両オーナーの伏見さんによる“他と同じじゃない方が面白い”というカスタムの王道的考えは車両の変化をさらに深めることとなり、MVアグスタ・ドラッグスター800RR(’15年に登場、並列3気筒のストリートファイター)のワイヤスポークホイールを使ってみようと、この形に進む。ホイールリム&リヤハブのカラーも車体色に合わせたレッドとした上でだ。
途中途中の段階で加わった仕様だけでもしっかりしたカスタムとして紹介できるくらいなのに、この車両はさらにマフラーもアグスタ用の社外3本出しエキゾーストを組み合わせる。よく見ればエキパイはZRXの4気筒から4本出ていて、エンジン下で集合したあとにこの3本出しエキゾーストのチャンバーにつながってとぐろを巻き、右に出た上で3本に分かれるという4-1-3スタイル。よくこのレイアウトを考えたなと思える。

この車両、昨秋の第1回ZRXミーティングで見つけたときにはもしかするとトランポ持ち込みのショーカスタムかなとも思ったが、伏見さんは息子さんとのタンデムで、自走で片道約200kmを走り来場していた。それくらいに普通に乗れてしまえるということで、そこも凄い。
なお、早い時期に換わっていたキャブは今は純正の負圧式CVK36をベースにインナーキットを換えたものになっていた。これも“1周回って負圧の良さも味わってます”(伏見さん)という楽しみの幅のひとつだ。手を入れ、セットアップした広川モータースの手腕と、それを存分に楽しむ伏見さんのスタイルには、文字通りに頭が下がる。そんな一見の価値ありの深い1台だ。
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Detailed Description 詳細説明

ステアリングステムを変更して変わりオーリンズ倒立フロントフォークを組み、EFFEXバーハンドルやゲイルスピード・フロントブレーキ/クラッチマスターをセット。メーターにはオートゲージ回転計や油温計を加え、ステアリング下にはハイパープロ・ステアリングダンパーも入る。2段のスクリーンは高速走行時のライダー負担を軽減するものだ。

燃料タンクや外装類はZRX1100の純正で、キャンディワインレッドも'98ZRX1100-II純正に設定されていた(タンクエンブレムはシルバー立体のKawasaki)。この純正感が柱にあるから他のパートが引き立っているとも思える。

シートはスプリームシートでウインカーは超小型LEDをナンバープレート両サイドにセット。フロント側はビキニカウルの後端近くにマウントしてある。

フレームには当然だがモノショック用マウントが追加される。写真中央、タンク後ろで左右のフレームをつないでいるパイプとその真ん中にある2枚のプレートがそれで、プレート下にはショックのトップが見える。

エンジンは車両入手後早い段階でコスワースΦ79mmピストンを組んで1052ccから1137cc化された。ラジエーターも大型化され、フレームにはアクティブ・サブフレームを加えている。およそ30年が経つのにきれいな状態で保たれているのも好感が持てる。キャブレターは1137cc化した頃にFCRを組んだが、その後、ZRX1100純正のK-TRIC付きCVK36+ダイノジェットインナーキットに変更。1周回って、使いやすい仕様で楽しめていますと伏見さん。

独特の右3本出しマフラーは4本出しのエキパイをエンジン下で集合。その後にあるのチャンバー部とリンク部を避けるようにとぐろを巻いて右に出るテールパイプ、3本出しサイレンサーはDRAGSTER800RR用FLESCO TRIPLO SLASHを加工したもの。元のショックマウントがマフラーステーマウントになっている。リヤマスターには赤いボディのFrando製削り出し品を選択した。

フロントフォークはオーリンズ倒立となり、フロントブレーキキャリパーはアコサット・ラジアルマウント4ピストンを使う。

異色と言えるリヤ足まわりはまず片持ちのプロアーム化を図り、その後同様のリヤ片持ちのMVアグスタ・ドラッグスター800RRの3.50-17/6.00-17サイズ・ワイヤスポークホイールを履いた。ZRX1100標準は3.50-17/5.00-17だから現状はリヤを1インチワイド化し、200幅タイヤを履いていることになる。

スイングアームは細身で上に上がった形状のDRAGSTER800ではなくホンダのプロアーム。こちらの装着があってDRAGSTER800のホイール装着に進んだ。

リヤショックとスプリングはカドワキコーティングで、レインボーカラー仕上げとされている。
取材協力
オーナー:伏見真弘さん/協力:広川モータース





