目の行き届くパーツ使いや技法でパッケージが成立する
ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacture)によるGSX1100S。通算製作番号となるシリアルナンバーは車体サイドに書かれている通り654が与えられている。製作にあたってオーナーが依頼し仕様を決定して……という基本の手順を踏んだかと思ったら、少し異なるパターンだった。同店・中村さんに聞いた。

「元々はコンプリート製作ではなく、エンジンのオーバーホール依頼でという車両でした。それに足まわりを変更したい、フレームをいじりたいということをオーナーさんに相談されたんです。それらの作業に手を付けて進めていくうちに、これはRCMのレギュレーションを満たすのでコンプリートとして製作することになったんです」(中村さん)
エンジンO/Hにフレームの確認・修正や補強。さらに求めるスタイルに沿ってのアップグレード用パーツ選択とフィッティング。個別のカスタムを行うにせよコンプリートのRCMを製作するにせよ、作業の手順や精度は基本的に変わらない。中村さんが“RCMレギュレーション”と呼んでいるのは、自社パーツの扱い度合いにあった。おおよそ8割使うとその範疇に入って、今回はそれに該当したわけだ。

マフラーがヨシムラだったり、カウルが入庫時から付いていたものだったりという部分には自由度があって、そこはオーナーの好み。オーリンズを主にしたショック、ブレンボ×サンスターのブレーキまわりも含めた上で自社製品率(ノーブレストの各ブランド)が高いことを条件にしているのは、作り手が製品のバックグラウンドや使い方に組み合わせ、もちろん作動精度や利点までを熟知しているからだ。
そもそも同社製パーツが「自分たちで“これがあると便利”“RCMで必要だから”と考えて形にしたもの」(中村さん)という背景がある。だからコンプリートを仕立てる場合にも自社パーツを使うことで内容把握と管理(万一の破損の時にも補修や代替がすぐできるかも含んでいいだろう)がしっかり行えるというわけだ。
中村さんが常々言う定量化で車両状態を管理し、その上に高質な個性を作る。好みを反映するカスタムだからこその手法と言えそうだ。
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Detailed Description 詳細説明

フロントカウルは元々装着されていたもので、外装はオーナーが指定したカタナ・ファイナルエディションのメタリックシルバーでリペイント。アルミパネルをワンオフしスタックST700メーターを組むコクピットにはデイトナ・セパレートハンドルやブレンボRCSマスター、マジカルレーシング・NKミラーをセットしてある。

ウインカーも超小型LEDでフロントはオイルクーラーサイドに置き、リヤはシートエンドの左右に置かれる。

ステップはナイトロレーシングでドライブチェーンはEK530RCMをチョイスした。

エンジンは元々の依頼だったオーバーホールを行うとともに同社内燃機加工部門のDinxでボーリングやホーニング、ヘッド加工等のフルメニューを施し、ヴォスナーΦ74mmピストンで1135cc化。カムは元々ヨシムラST-1が入っていたがトラブルを見つけ、同じ仕様の新品に交換した。廃番のカムチェーンガイドもオーナーが純正新品を持ち込み、これを組み込んでいる。

キャブレターはヨシムラTMR-MJNΦ40mmをファンネル仕様でセット。

排気系はヨシムラ製・手曲チタンサイクロン。ウオタニSPII点火ユニットも見えるだろう。

ノーブレストE×MパッケージでオーリンズRWUフォークを組むフロント。ブレーキはブレンボP4-40Cアキシャル4Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク“RCM”コンセプトモデルだ。

リヤサスまわりはスカルプチャーKATANA 17インチ専用スイングアームにナイトロンR3ステルスショックのコンビネーションとなっている。

リヤブレーキはブレンボP2-CR84キャリパーにサンスターディスクで、ホイールはアルミ鍛造のO・Z GASS RS-Aの3.50-17/5.50-17サイズを履く。






