レポート:河村大志
ラウル・フェルナンデスが自身初のスプリント優勝
今回のイタリアGPでは、2名のレギュラーライダーが欠場し、それぞれ代役ライダーが起用された。まず、LCRホンダのヨハン・ザルコが前戦での負傷により欠場。その代役として、かつて同チームで3勝を挙げたカル・クラッチローが実戦復帰を果たした。
また、グレシーニ・レーシングのアレックス・マルケスも前戦での転倒により今大会を欠場。代役としてドゥカティのテストライダーであるミケーレ・ピロが起用されている。
土曜日に行われた11周のスプリントは、スタート直前のグリッド上でタイヤ選択が大きく勝敗を分けた。
気温30度、路面温度49度のドライコンディションのなか、出走22台中20人がリヤにソフトタイヤを選択したのに対し、ラウル・フェルナンデェス(Trackhouse MotoGP Team)とホルヘ・マルティン(Aprilia Racing)の2名だけが直前でミディアムタイヤへの変更を決断しレースに臨んだ。
スタート直後の1周目、4番グリッドスタートのマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)が好スタートを決めホールショットを奪うものの直後に5番手へと後退。2番グリッドスタートのフェルナンデェスがトップに躍り出てレースをリードする。一方、ポールポジションのマルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)はスタートで6番手まで大きくポジションを落とす苦しい立ち上がりとなった。
フェルナンデス、そしてマルティンのミディアム勢がワンツー体制でレースを引っ張り、7番グリッドスタートのファビオ・ディ・ジャナントニオ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)も1周目で一気に4番手へと浮上し、こちらもポジションを上げてきたディエゴ・モレイラを抜き3番手に浮上する。

前後ミディアムタイヤを選択したフェルナンデスとマルティンが速さをみせた。
www.flickr.comレース中盤の5周目に入ると、ターン10でフランコ・モルビデリ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)とエネア・バスティアニーニ(Red Bull KTM Tech3)が転倒。7周目にはジョアン・ミル(Honda HRC Castrol)がリタイアとなるなど、徐々にサバイバルな展開へと推移していく。
迎えた終盤の11周目から最終ラップにかけては、中団で13番グリッドスタートから粘り強い走りを続けていた小椋藍(Trackhouse MotoGP Team)が勝負強さを発揮する。11周目にモレイラを抜くと、最終ラップにはペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)をかわして8位へと浮上した。
先頭争いは、トップのフェルナンデェスがマルティンからの激しいプレッシャーを最後まで冷静に凌ぎきり、トップでフィニッシュ。自身初となるスプリントレース優勝を飾った。
2位にはマルティンが入り、直前でミディアムタイヤを選択した2人が見事ワンツーフィニッシュを決める結果となった。3位には順位を上げてポジションをキープしたディ・ジャナントニオが入り地元で2戦連続表彰台を獲得。4位にベッツェッキ、5位にマルク・マルケスが続いた。小椋は最終的に8位でフィニッシュし、4戦連続のポイント圏内での完走を果たしている。
2026 MotoGP 第7戦イタリアGP スプリント結果

前線に続きアプリリア勢が速さを見せるなか、地元のディ・ジャナントニオが表彰台を獲得。
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悲願達成!ベッツェッキがイタリアGP優勝
決勝レース日も晴天に恵まれ、気温28度、路面温度48度の熱いコンディションに。厳しい環境のなか、23周の長丁場の決勝がスタートした。
スプリントではターン1のブレーキング勝負に敗れたベッツェッキだったが、今回は見事な蹴り出しと鋭いブレーキングを披露しホールショットを奪う。背後にはマルティンが続き、アプリリアワークスの2台がレースを引っ張っていった。
一方、スプリント勝者のフェルナンデスはターン1で止まりきれずオーバーラン。16番手にまでポジションを落としてしまう。僚友の小椋はスタートを決め、一気に7番手にまで浮上した。
こちらも母国戦となるフランチェスコ・バニャイア()も好調で、2周目にはマルティンを捕らえ2番手に浮上。その後ろではマルク・マルケスとペドロ・アコスタ(KTM)が続いた。
マルティンを抜いたバニャイアは勢いそのままにトップのベッツェッキも3周目にオーバーテイクし首位浮上。トップの2台のペースが良く、3番手のマルティンとの差は徐々に広がっていった。
4番手争いはマルク・マルケスとアコスタの熾烈なバトルが勃発。ブレーキングで勝負を仕掛けるアコスタに対し、直線スピードで上回るマルケスが抜き返すといった展開となった。この抜きつ抜かれつのバトルがあったこともあり、2台の背後に小椋が近づく。
トップを走行していたバニャイアだったが、レースの折り返し時点を迎えると徐々にペースダウン。14周目のターン1でワイドになってしまったバニャイアをベッツェッキが見逃さず、首位交代。
16周目にはマルティンもバニャイアをパスしアプリリアが再びワンツー体制となる。先頭に立ったベッツェッキはその後も安定したペースを刻み続けトップチェッカー。悲願の母国GP初優勝を達成した。
2位にマルティンが入り、アプリリアが地元でワンツーフィニッシュを達成している。そして3位争いは最後まで手に汗握る展開に。急激にペースが落ちたバニャイアに、マルケスやアコスタを抜き4番手に上がった小椋が急接近。ファイナルラップで一気にバニャイアの背後に追いついたのだ。
自身2度目の表彰台獲得を目指し、小椋は最終周の最終コーナーでバニャイアのインに入る。しかし、バニャイアがクロスラインで抜き返し順位は変わらずチェッカーを迎えた。

今回も見事な追い上げをみせた小椋だったが、表彰台まであと一歩届かなかった。
バニャイアがなんとか3位を守るも、小椋との差はわずか0.034秒差。超僅差で母国グランプリでの表彰台を獲得している。
2026 MotoGP 第7戦イタリアGP 決勝結果


