ヨシムラが創業70周年を迎えた2024年に掲げられた油冷復刻プロジェクト/YOSHIMURA HERITAGE PARTS。それによって試作された「GSX-R750レーサーレプリカ“604”」をブラッシュアップして2025年に完成したコンプリートマシンが「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」。その1号車が2026年1月、オーナーの元へ届けられた。
協力:バイカーズステーション(遊風社)
▶▶▶写真はこちら|ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」

ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」解説

画像: YOSHIMURA GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE 2025年

YOSHIMURA
GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE
2025年

当時の関係者に敬意を込めつつ、現代のヨシムラの技術と情熱を注いだ新たなコンプリート

ヨシムラが油冷GSX-Rのプロジェクトに取り組み始めたのは同社創業70周年となる2024年のこと。「ヨシムラはこれまでにレースで重用してきたホンダCB750FourやカワサキZ1のパーツを現在に蘇らせてきました。次は当然、油冷GSX-Rとなるわけです。現在油冷機に乗っている皆さんが困っている部品もリプレイスパーツとして開発できるといいですね」とは、2023年末の加藤陽平さんの言葉。

その後2024年3月に加藤さんはヨシムラの3代目代表取締役社長に就任するのだが、既にその前にこのコンセプトを持っていたわけだ。現役車両が多く稼動している一方で純正部品の廃番化が進む油冷GSX-Rに対し、ヨシムラが動く。

その周知の皮切りとして作られ、同年東京モーターサイクルショー・ヨシムラブースで展示されたのが「GSX-R750レーサーレプリカ“604”」だ。

同時に並べられた1986年AMAスーパーバイク・デイトナ出走ヨシムラGSX-R750レーサーがモチーフであることは明白で、両車は多くの注目を浴びることとなった。

それから1年を経た2025年の同ショー、ヨシムラブースに展示されたのがこの「ヨシムラGSX-R750 #604コンプリートマシン」(1号車)だ。

フレームのスイングアームピボット上部分やヘッドパイプ後ろなどの補強を始め1年前の車両(0号車)と当然のように構成は近しいものの、この1号車では全体的なブラッシュアップがなされ、“ロードゴーイングレーサー”≒公道を走るコンプリートカスタムとしても細部が詰められている。

TMR-MJNキャブレターへのエアフィルター追加やテールカウルエンドがメッシュからヨシムラ頭文字のY字パターンエッチングされたステンレスの造型品になったフェンダーレスキットまわりの処理、フル塗装されたボディなどはその例と言える。

最大のポイントは、アルミダブルクレードルフレームの前部左に打ち込まれたシリアルプレートだろう。かつてのトルネード1200ボンネビルを思わせるような位置に付き、ヨシムラGSX-Rのアイコンとなった“604”マークと、シリアルナンバー“001”が入る。

冒頭の油冷復刻は【YOSHIMURA HERITAGE PARTS】プロジェクトに発展し、これはヨシムラパーツ、廃番になった純正パーツの復刻、そしてコンプリートマシンという、3つの柱で構成。

コンプリートマシンについては「当時のレーサーの復刻ではなく“ロードゴーイングレーサー”としての本質を追求。程度の良いユーズドバイクをベースに新たに開発したマフラー、エンジン周辺パーツ、足まわりにヨシムラパーツを使い、車両の状態に応じて新品の純正互換パーツを採用。

これらを熟練のヨシムラメカニックが精密に組み上げました」とのことで、ハイポテンシャルを持ちながらも長く、安心して乗り続けられる仕上がりになっているとも説明される。#604コンプリートマシン1号車は、この意味での最初のコンプリートマシンとなった。

そしてこの1号車は604万円(税込み664万4000円)をスタートとするオークションでの販売として、同年9月20日の22時に入札開始。10月18日に那須モータースポーツランドで開かれたヨシムラミーティング中の11時半に終了し、189件の入札の結果、1241万4000円で落札された。

なお、以後の生産は良質な車両の確保や需要状況等によって判断するとのことで、いくつかのパーツは2026年初頭時点で発売、あるいは発売予定が発表された。これからヨシムラから送り出される各種の油冷用純正互換パーツや、カムを始めとしたカスタムパーツの動きを知るためのコンプリートとしての役割も担ったことになる。

ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

フロント回り

カウルはスズキ純正でwood-eyeが604スペシャル塗装を施す。スポンサーロゴなどはすべてペイントで処理されている。スクリーンはヨシムラ・ウインドアーマーにSUZUKI文字をモチーフ車同様に加える。ヘッドライトは通常は2灯の前にクリアのカバーが付き、展示時などにはモチーフとなった1986年デイトナ用辻本車のように「604」を記したプレートを装着することもできる。

画像1: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

ウインカーは超小型のUSヨシムラウインカーKIT(フロント・リヤ。リヤはテールランプも兼用する)を純正位置に装着する。カーボンボディのミラーはマジカルレーシング・レーサーレプリカミラー・タイプ1ヘッドの綾織りカーボン製。

画像2: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

フロントフォーク&メーター回り

Φ43mmフォーク用の「ヨシムラ フロントフォーククランプASSY」にはハンドルバー/マウントやアクスル等も含まれる。フォークアッパーブラケットには「604」のロゴマークが入る。左右マスターシリンダーはブレンボRCSを使う。

モチーフ車を彷彿させるメーターは左から純正速度計/モトガジェット・クロノクラシック多機能デジタルメーター/ヨシムラPRO-GRESS1テンプ・ボルトメーターの並びだ。

画像3: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

フェンダーレスKIT

フェンダーレスKITは純正に近い位置にウインカーを配する。これによって空いてしまうテール部分下側には604ロゴ入りでY字メッシュパターンのプレートが装着される。

画像4: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

フレーム

フレーム前左にはシリアルプレートが打たれ、「001」が打刻される。ステアリングダンパーは非装備。フレームはヘッドパイプ後ろの上/下レールをつなぐ補強(写真)、エンジン背後のくぼんだ部分を補う補強(ヨシムラ スペシャルフレーム補強)が行われる。この販売予定はない。

画像5: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

エンジン

エンジンは油冷GSX-R750の程度の良いノーマルで、ST-1カムシャフトも開発予定。カムチェーンテンショナーやガイド、ピストンリング等の純正互換パーツも開発中という。

画像6: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

GSX-R750(1985-1987)手曲げDuplexチタンサイクロン。

画像7: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説
画像8: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

車両に装着されているTMR-MJNΦ32mmキャブレター。

画像9: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

オイルキャッチタンクともに販売予定。

画像10: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

逆チェンジ仕様のヨシムラステップKITを装着。

画像11: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

フロント&リアサスペンション

オーリンズフロントフォーク/リヤショックはともにヨシムラスペシャルで、純正スイングアームの下側にスタビライザーを加えるヨシムラ スペシャルスイングアーム補強とともに販売予定はなし。

ホイールはマグネシウム鍛造のMAGTAN JB1でサイズは3.00-18/4.50-18インチ、タイヤはブリヂストンBT-016の110/80ZR18・150/70ZR18を履く。ピボットシャフトとリヤアクスルシャフトはm-tech製クロモリ。フロントフォーククランプASSYに含まれるキャリパーサポートは形状を新たにし、604ロゴが加わる。フロントアクスルもこのASSYに同梱される。

画像12: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

ブレーキはフロントがブレンボP4 30/34キャリパー+ヨシムラSUNSTARブレーキディスク、リヤは純正TOKICO 2Pキャリパーの色がゴールドからブラックに変わっている。なお、ここまでに挙げた各パーツの開発/販売については2026年初頭のもので、進捗等はヨシムラHPのHERITAGE PARTSプロジェクトで確認するとよい。

画像13: ヨシムラ「GSX-R750 #604 COMPLETE MACHINE」各部解説

This article is a sponsored article by
''.